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はじめに

2020年は、突然訪れたコロナ禍により消費者の生活環境が急変し、消費者庁による2020年度(2020年4月~2021年3月)の景品表示法の執行動向にも影響が及んだ(後記)。また、消費者庁は、2020年度、アフィリエイト広告に関し消費者庁として初めて措置命令を行い、これを受けて2021年度、アフィリエイト広告による不当表示抑止を目的として検討会を開催するなどしている(後記)。加えて、2020年度には、機能性表示食品に関する事後チェック指針の運用が開始される(後記)ほか、将来の販売価格を比較対照価格とする二重価格に関する執行指針が策定・公表されるなど(後記)、いくつかルール・考え方が明確化された。上記のほかにも消費者庁においてさまざまな取り組みが行われているが、2020年度における主な動きとして、上記4点について概観する。
なお、消費者庁は、毎年、前年度における「景品表示法の運用状況及び表示等の適正化への取組」を公表しており、動向を把握する際こちらも参考になる(例年6月下旬に公表されているが、本年は7月20日に「令和2年度における景品表示法の運用状況及び表示等の適正化への取組」が公表された ※先リンクは21日差替版)。

2020年度の景品表示法に関する主な動向①
―菌やウイルスに関する効果を示す表示への対応

2020年度には、新型コロナウイルス感染症の拡大に乗じ、同ウイルスに対する予防効果を標ぼうする健康食品、マイナスイオン発生器、除菌スプレー等に関する広告に対し、迅速・厳正な運用が行われた。具体的には、当該商品についてインターネット広告が横行し、景品表示法の禁止する優良誤認表示に該当するおそれがあるところ、消費者庁は、時間をかけて調査を経た行政処分を行うのでなく、緊急的に行政指導を3度行い注1、携帯型の空間除菌用品についても行政指導を行った注2。そのうえで、身に着けることで周囲のウイルスを防ぐことができるという携帯型除菌商品に関する表示をした複数事業者に対し措置命令を行うほか(2020年8月28日注3、同年12月22日注4、2021年1月15日注5)、有効塩素濃度が表示より大幅に下回っていた次亜塩素酸水に関する表示をした9事業者に対し措置命令を行うなどした(2020年12月9日注6、2021年3月11日注7)。
その結果、消費者庁による2020年度の措置命令は合計33件となり、そのうち半分強の20件は、菌やウイルスに関する効果を示す表示を対象とするものであった。
消費者庁は、優良誤認表示の疑いがある場合、その表示をした事業者に対し、15日以内にその表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料を提出するよう求めることができ、資料の提出を求められた事業者が、当該期間内に資料を提出しない場合や、提出したが合理的な根拠とは認められない場合には、その表示は直ちに優良誤認表示と認定される(景品表示法7条2項および8条3項、景品表示法施行規則7条2項。「不実証広告規制」と呼ばれる)。そのため、特定商品の表示について景品表示法の優良誤認表示であると認定されないためには、「合理的な根拠を示す資料」を提出できる必要がある。具体的には、(ⅰ)客観的に実証された内容の資料であり(資料の客観性)、かつ、(ⅱ)表示された効果、性能と提出資料によって実証された内容が適切に対応している資料(表示と資料の整合性)を提出できる必要がある(不実証広告規制ガイドライン注8第3の1)。
菌やウイルスに関する表示を行おうとする際は、不実証広告規制ガイドラインに従い、表示を見た一般消費者が有する認識・印象に対応する合理的根拠資料の提出があるといえるかの検証が不可欠である(消費者庁「表示に関するQ&A」のQ57~Q59に対する回答も参考になる。なお、本稿では詳細省略するが、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)の規制を遵守することも当然必要である)。たとえば、携帯型商品につき、身に着けるだけで身の回りの空間におけるウイルスや菌を除去する効果が得られるかのような表示をしたい場合、当該表示に対応した試験結果を確認する必要があり、狭い密閉空間での実験結果があるだけでは表示内容と資料(資料)が対応せず、合理的根拠資料とは認められない。
2021年度も、消費者庁により2021年6月11日に空間除菌用品を取り扱う小売業者の店頭POPについて措置命令が行われる注9などしており、このような表示について引き続き厳正な執行が行われると予想される。このような商品を取り扱う際には、メーカー・小売業者ともに、表示に先立ち資料を確認し、表示しうる範囲を検証することが肝要である。

2020年度の景品表示法に関する主な動向②
―アフィリエイト広告に対する初の措置命令

アフィリエイト広告の定義、問題の所在

アフィリエイト広告は、「アフィリエイト・プログラムを利用した成果報酬型の広告」(消費者庁「アフィリエイト広告をめぐる現状と論点」(2021年6月10日)3頁)を指す。
アフィエイリト・プログラムのイメージは下の図表1のとおりであり、一般的に、「ブログその他のウェブサイトの運営者(以下「アフィリエイター」という。)が当該ウェブサイトに当該アフィリエイター以外の者が供給する商品又は役務のバナー広告等を掲載し、一般消費者がバナー広告等を通じて広告主の商品又は役務を購入したり、購入の申込みを行ったりした場合など、あらかじめ定められた条件に従って、アフィリエイターに対して、広告主から成功報酬が支払われる」広告手法を指す(後出のT.Sコーポレーションに対する措置命令における消費者庁プレスリリース2頁(注)部分)。

図表1 アフィリエイト・プログラムのイメージ

※1 ASPはアフィリエイターとの間でパートナー契約を締結し、広告主の広告をアフィリエイトサイトに掲載するための仕組みをアフィリエイターに向けて提供する。
※2 広告主とASPが直接契約を結ぶのではなく広告代理店と広告主が契約し、広告代理店とASPが契約することがある。
※3 広告主はASPとの間でアフィリエイトサービスに関する契約を締結した上で、ASPに対して具体的な条件を示して広告案件を提示する。ASPはパートナー契約を締結しているアフィリエイターに対して広告案件への参加(提携)を募集する。アフィリエイターは具体的な広告案件の募集に応じて提携を申請する。この申請に対して広告主がアフィリエイターの審査を行った上で承認する(提携承認)。
※4 アフィリエイターは、自らのアフィリエイトサイトにおいて広告主の商品・サービスに関する広告を作成し、アフィリエイトサイト上に広告主のウェブサイトに遷移するリンク・バナー等(アフィリエイトリンク)を表示させる。このアフィリエイトリンクは、当該リンクを経由して生じた成果を測定する機能を持つ。

出典:消費者庁「アフィリエイト広告をめぐる現状と論点」(2021年6月10日)8頁を基に作成。

景品表示法は、①「自己の供給する」商品・役務の取引について、②同法5条1号から3号の定める表示を「してはならない」と定めている(同法5条)。そのため、①供給主体性と②表示行為主体性をという二つの要件を満たす際に表示規制が適用される(「アフィリエイト広告をめぐる現状と論点」13頁)。一般的に、商品の流通過程に入っている者は①「供給」主体であると認められることから、②表示行為を「し」た者は誰か(表示行為主体性)という点について概観する。
なお、アフィリエイターやアフィリエイトサービスプロバイダー(ASP)は、アフィリエイト・プログラムの対象となる商品を自ら「供給」する者ではないため、景品表示法の適用を受けない。

表示行為主体性

誰が表示行為をしたのかという問題について、輸入卸売業者の説明を受けた小売業者が、当該説明に基づき商品の表示をさせたという事案に関するものであるが、次のとおり判断された注10。事案は異なるが、Amazonの措置命令取消訴訟第一審判決注11でも同様の考え方が採用されている注12

表示行為をしたか否かは、「表示内容の決定に関与したか否か」により決まる。
次の(a)~(c)のいずれかに該当する場合は、表示内容の決定に関与したこととなる。
(a) 自らまたは他の者と共同して積極的に表示の内容を決定した。
(b) 他の者の表示内容に関する説明に基づきその内容を定めた。
(c) 他の事業者にその決定を委ねた。

→「自ら表示内容を決定することができるにもかかわらず、他の事業者に表示内容の決定を任せた」場合は(c)に該当する。


西川康一編著『景品表示法』〔第6版〕(商事法務、2021年)155頁では、上記ベイクルーズ事件判決の考え方を一般的に採用しつつ、表示内容の決定に関与したかについて、「過去から違反行為発生時点までの表示のやり方の状況、当該表示の成立の経緯、表示についての経費の負担、表示の掲示、配布の状況などの具体的事情」を考慮して判断すると解説されている(なお、本書は消費者庁表示対策課職員が作成したもので、カバーの色から「緑本」と呼ばれることがある。2021年6月に発行された第6版では2020年度の動きもカバーされているため、本稿でも同様の呼称を用いて、適宜該当箇所を示すこととする)。

アフィリエイト広告に関する措置命令

消費者庁は、2021年3月3日、株式会社T.Sコーポレーション(以下、「T.Sコーポレーション」という)に対する措置命令において、アフィリエイトサイトの表示について、同社による優良誤認表示であると判断した注13(消費者庁が初めてアフィリエイトサイトの表示について広告主に対し措置命令を行った事案である注14)。
T.Sコーポレーションは、アフィリエイト・プログラムを実現するシステムをサービスとして提供する「アフィリエイトサービスプロバイダー」(ASP)を通じて、対象となった二つのアフィリエイトサイトの「表示内容を自ら決定している」(上記(a))と判断された。本件では、問題となったアフィリエイト広告の内容を事前または事後に確認していたことなどが重視された模様だが、そのような事情がなくても、「他の事業者にその決定を委ねた」と判断されたものと考えられる注15
当該措置命令では、T.Sコーポレーションの自社サイトは不当表示の対象とされていない。自社サイトでは不当表示を行わず、アフィリエイトサイトのみで不当表示を行っていた可能性があるが、そのような場合でも措置命令の対象となりうる。
なお、「広告主がアフィリエイターに対して「虚偽・誇大な内容を記載しないこと」や「関係法令を遵守すること」等の一般的・抽象的な指示文書等を交付していても、そのことによって表示行為主体性が否定されることにならない」とされている(緑本54頁)。

「アフィリエイト広告等に関する検討会」の開催

前記2.および3.のように、広告主がアフィリエイト広告について景品表示法の表示行為主体になりうることは理論上示されているが、消費者庁は、アフィリエイト広告等について実態調査も実施している。なお、この調査と並行して、「アフィリエイト広告等に関する検討会」を開催し、アフィリエイト広告について関係者から実態や課題について聴取して状況および課題を明らかにし、不当表示の抑止・健全な広告の実施に向けた対応方策を検討する見込みのようである。論点整理等を行ったうえで、2021年中を目途に一定の結論を得ることが目指されており注16、適正な広告表示を行う際には確認が必要なものとなろう。今後の動きには注意が必要である。

2020年度の景品表示法に関する主な動向③
―機能性表示食品に関する事後チェック指針の運用開始

機能性表示食品制度は、2015年4月に開始され、これまで多くの届出が行われ、届け出された機能性(届出表示、ヘルスクレーム)も多種多様になってきている。「機能性表示食品」は、事業者が、科学的根拠に基づき、特定の成分(機能性関与成分)の機能を表示することについて消費者庁に届け出た食品を指し (食品表示基準2条1項10号)、「特定保健用食品」(トクホ)と異なり、国の審査は行われず、事業者の責任で表示するものである。
機能性表示食品に関しては、2017年に同一の機能性関与成分に関し一斉に措置命令が行われるなどしたことから、業界団体等から予見可能性を高めることの要請があり、2018年に閣議決定された「規制改革実施計画」でも、予見可能性を高めるためのガイドラインの整理・公表が求められていた(同計画19頁)。これに対応して、消費者庁は「機能性表示食品に対する食品表示等関係法令に基づく事後的規制(事後チェック)の透明性の確保等に関する指針」(以下、「事後チェック指針」という)の案を立案し、パブリックコメントを経て2020年3月24日に成案を公表し、同年4月1日から運用を開始している。緑本102頁以下でも解説されているが、概観する。
事後チェック指針は、図表2に示すように、大きく分けて①科学的根拠に関する事項(第1)、②広告表示に関する事項(第2)、③届出資料に不備等がある場合の景品表示法上の取扱いというテーマにて構成されており、機能性表示食品を取り扱う際には必読である。また、特に「第1」および「第2」は、「合理的な根拠を示す資料」に関する考え方を含め、広告表示を行う際に検討すべき点に示唆を与えるものであり、食品の表示を行う際以外も、参照することが有益であろう。

図表2 事後チェック指針の構成

本指針の目的

第1 機能性表示食品の科学的根拠に関する事項

1 基本的な考え方
2 科学的根拠として明らかに適切とは考えられない具体例

(1)最終製品を用いた臨床試験(ヒト試験)及び研究レビューに共通する事項
(2)最終製品を用いた臨床試験(ヒト試験)
(3)最終製品又は機能性関与成分に関する研究レビュー

第2 広告その他の表示上の考え方

1 基本的な考え方
2 景品表示法上問題となるおそれのある広告その他の表示の要素

(1)解消に至らない身体の組織機能等に係る問題事項等の例示
(2)届出された機能性に係る表示
(3)実験結果及びグラフ
(4)医師や専門家等の推奨等
(5)体験談
(6)届出表示又は届出資料の一部を引用した表示
(7)その他留意すべき事項

3 打消し表示
4 誤認される「表示」の判断
5 景品表示法上問題となるおそれのある主な表示の類型

(1)届出された機能性の範囲を逸脱した表示
(2)特定保健用食品と誤認される表示
(3)国の評価、許可等を受けたものと誤認される表示

第3 届出資料の不備等における景品表示法上の取扱い

 

たとえば、購入者による体験談について、「体験談が架空の場合」「体験談のうち、効果に係る都合のよい部分のみを掲載する場合」「有償、無償を問わず、肯定するよう特に依頼した体験談であるにもかかわらず、一般の利用者の体験談であるかのように表示する場合」には景品表示法上問題となるおそれがあると指摘されている(事後チェック指針第2の2(5))。これは、機能性表示食品以外の一般の商品表示にも当てはまろう。
また、「機能性表示食品に係る効果について、様々な要素を多用することによって、一般消費者に届出された機能性の範囲を逸脱した効果が得られるとの認識を強く印象付けるものとなっている場合、打消し表示が隣接した場所に明瞭に記載されていたとしても当該効果に関する認識を打ち消すことにならないことがあり得る」とされている点も注意が必要である(事後チェック指針第2の4)。

2020年度の景品表示法に関する主な動向④
―将来価格を比較対象価格とする二重価格表示に関する執行指針の制定

2020年度には、「今なら1,000円 11月1日以降2,000円」のような「将来の販売価格を比較対照価格とする二重価格表示」についても動きがあった。
将来の価格設定は、将来の不確定な需給状況等に応じて変動するのが通常である。そのため、2000年に策定・公表された「不当な価格表示についての景品表示法上の考え方」(通称「価格表示ガイドライン」)では、将来価格を用いた二重価格表示について、将来価格として示す価格での販売が確かな場合を除き適切でない、当該販売について十分な根拠がない場合には有利誤認表示に該当するおそれがある、と示されている。具体的には、①当該価格で実際に販売することのない場合、②ごく短期間のみ当該価格で販売するにすぎない場合が例示されている。ただ、②に関し、過去の販売価格を比較対照価格とする二重価格表示と異なり、「ごく短期間」に該当するのがどの程度かについて具体的な数字は示されていなかった。 
消費者庁は、将来の販売価格を比較対照価格とする二重価格表示に関し2018年3月16日に措置命令を行ったこと注17を契機の一つとして、「将来の販売価格を比較対照価格とする二重価格表示に対する執行方針」(以下、「将来価格執行方針」という)の案を立案し、こちらもパブリックコメントを経て2020年12月25日に成案を公表した(緑本125頁以下で解説されている)。
将来価格執行方針は、基本的に価格表示ガイドラインの考え方を踏襲し、上記①および②を具体化し、予見可能性を確保しようとするものであるといえる。
まず、上記①に関し、セール期間後に、比較対照価格とした将来価格で実際に販売している場合には、原則として、合理的かつ確実に実施される販売計画に基づいて販売していると推測されることを明らかにした。ただし、比較対照価格の根拠を形式的に整える手段として販売する場合は、販売しているとは言えないことも確認されている(例:一般的な販売場所といえない場所のみに商品を陳列する場合、将来の販売価格と示す価格が当該価格での購入者がほとんど存在しないと考えられるほど高額な場合)。
他方、事業者が将来価格で販売しない(できない)場合でも、(a)合理的かつ確実に実施される販売計画を有していたことを示す資料等を保有し、(b)将来価格で販売できない特別の事情が存在し、(c)当該事情発生後遅滞なく当該表示を取りやめ、顧客に対し、示していた詳細価格で販売できなくなったことを告知するときには、有利誤認表示と取り扱わないことが示された。
(b)の特別の事情として、天変地異や感染症の流行など、示した価格で販売できないことに事業者の帰責事由がなくやむを得ない場合が想定されている。これに対し、競合他社の値下げに対抗するためや一般的な需要変化による売上減少のためにセール期間を延長する場合、セール期間中の通常の需要増加により在庫が売り切れたが追加仕入れをしなかったためセール期間後に将来価格での販売ができなかった場合などは、やむを得ないとはいえないと示されている。
また、上記②に関し、個別事情によるものの、セール期間終了直後から将来価格での販売を2週間以上継続した場合には、通常はごく短期間であったとは考えられないと一定の目安が示され、実務上参考になる。

[注]
  1. 消費者庁2020年6月5日プレスリリース「新型コロナウイルスに対する予防効果を標ぼうする商品 等の表示に関する改善要請等及び一般消費者等への注意喚起について(第3報)」[]
  2. 消費者庁2020年5月15日プレスリリース「携帯型の空間除菌用品の販売事業者5社に対する行政指導について」[]
  3. 消費者庁2020年8月28日プレスリリース「株式会社東亜産業に対する景品表示法に基づく措置命令について」[]
  4. 消費者庁・公正取引委員会2020年12月22日プレスリリース「Salute.Lab株式会社に対する景品表示法に基づく措置命令について」)。[]
  5. 消費者庁2021年1月15日プレスリリース「株式会社Nature Linkに対する景品表示法に基づく措置命令について」[]
  6. 消費者庁2020年12月11日プレスリリース「次亜塩素酸水の販売事業者6名及びアルコールスプレーの販売事業者1社に対する景品表示法に基づく措置命令について」[]
  7. 消費者庁2021年3月11日プレスリリース「次亜塩素酸水の販売事業者3社に対する景品表示法に基づく措置命令について」[]
  8. 「不当景品類及び不当表示防止法第7条第2項の運用指針―不実証広告規制に関する指針―」を指す。[]
  9. 消費者庁・公正取引委員会2021年6月11日プレスリリース「株式会社ププレひまわりに対する景品表示法に基づく措置命令について」 []
  10. 東京高判平成20(2008)年5月23日、平成19年(行ケ)第5号[ベイクルーズ事件判決]。[]
  11. 東京地判令和元(2019)年11月15日、平成30年(行ウ)第30号/D1-Law28280603。[]
  12. 近時公表された控訴審判決(東京高判2020年12月3日、令和元年(行コ)第330号/2020WLJPCA12036007)では、①Amazon社名表示がされており仕入業者の社名が表示されていないことから、一般消費者はAmazonが表示をしたと理解する点と、②措置命令を受けた際に対応する権限をAmazon社が有している点を考慮して、同社に表示行為主体性が認められた。ベイクルーズ事件とは事案が異なることを踏まえた判断であり、(「本件においては、表示内容の決定に『関与した』事業者か否かというやや広範かつあいまいな概念に該当するか否かについて議論するまでもなく」という判示はされているが)ベイクルーズ事件の判断枠組み自体を否定しているわけではないと解される(この点含め、小野田志穂「措置命令を履行する権限の有無から表示主体性を判断した事例-アマゾンジャパン景表法事件」ジュリスト1559号6頁以下が参考になる)。今後、実務においても、事案次第では、上記控訴審判決のうち特に②の考え方などが用いられる可能性はあると考えられるが、前出の消費者庁「アフィリエイト広告をめぐる現状と論点」では当該控訴審判決が紹介されていないことも踏まえ、さしあたり、本稿ではベイクルーズ事件判決の示した考え方をもとに論述する。[]
  13. 消費者庁2021年3月3日プレスリリース「株式会社T.Sコーポレーションに対する景品表示法に基づく措置命令について」[]
  14. アフィリエイトサイトを対象とする景品表示法に基づく措置命令としては、埼玉県の株式会社ニコリオに対する景品表示法に基づく2020年3月31日付措置命令(「ダイエットサプリメント等の販売を行う通信販売事業者に対する措置命令について」が初めてであった。なお、同社に対しては、同年4月1日付で、特商法(特定商取引に関する法律)に基づく指示および業務停止命令も行われている(「ダイエットサプリメント等の販売を行う通信販売業者に対する業務停止命令(3か月)及び指示並びに代表者に対する業務禁止命令(3か月)について」[]
  15. 消費者庁「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」(最終改定2020年4月1日)では、「アフィリエイトサイト上の表示についても、広告主がその表示内容の決定に関与している場合(アフィリエイターに表示内容の決定を委ねている場合を含む。)には、広告主は景品表示法及び健康増進法上の措置を受けるべき事業者に当たる」と解説されている(6頁)。[]
  16. 消費者庁「アフィリエイト広告等に関する検討会の開催について」(2021年5月28日)[]
  17. 消費者庁2018年3月16日プレスリリース「ジュピターショップチャンネル株式会社に対する景品表示法に基づく 措置命令について」[]

古川 昌平 氏

弁護士法人大江橋法律事務所 パートナー弁護士

2003年立命館大学法学部卒業。2006年同志社大学法科大学院修了。2007年弁護士登録。大江橋法律事務所(大阪事務所)。2014年4月~2016年3月任期付職員として消費者庁にて勤務し、景品表示法改正法の立案や同法施行準備業務等を担当。同年4月~大江橋法律事務所(東京事務所)。景品表示法に精通し、表示規制や景品規制に対応したコンサルティングや消費者庁の調査対応で多くの企業をサポートするだけでなく、数多くのセミナー、著作を手がける(主な著作『エッセンス景品表示法』(商事法務、2018年))。

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