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大企業とスタートアップの協業を経験知で成功へ導く

大企業とスタートアップの協業が、先端技術分野を中心に加速している。かつてはカルチャーやスピード感の齟齬から失敗に終わるケースも多かったが、「経済産業省や公正取引委員会によるトラブル事例の共有や、企業側の研修等の取り組みが奏功して、成功事例が蓄積されてきました」と、大企業とスタートアップ、双方のサポート経験豊富なベンチャーラボ法律事務所の淵邊善彦弁護士は語る。
協業を成功に導く秘訣は何か。淵邊弁護士は、「大企業側にさらなる“意識改革”が必要です。スタートアップに対して、短期的な利益ではなく、ある程度の時間軸で事業を評価し、集中的な投資や人材の投入を惜しまない姿勢が求められます」と指摘。現場の意欲だけでは不十分であり、経営層が事業にコミットすることの重要性を説く。
一方、スタートアップ側も、技術やノウハウを一方的に奪われるリスクに警戒する必要があると、淵邊弁護士は注意を促す。「交渉力や経験値の差に起因することが多いため、経験豊富な専門家の支援が結果を左右することもあります」。
淵邊弁護士は、同様に規模の異なる企業同士の連携として、大手デパートによる地方菓子店のM&A案件にも携わり、地方ブランドの全国展開を実現させた実績を持つ。「事業承継に悩む地方企業と、販路拡大を図りたい大企業とのニーズを結びつけ、双方にとってより良い未来を創る。こうした案件は、今後も増加が見込まれています」。

AI・DX時代の新規事業を多角的に支援

企業のイノベーション創出におけるもう一つの柱が、新規事業への取り組みだ。
「大企業を中心に、AIやDX技術を活用した新規事業の相談が増加傾向にあります。たとえば、人工衛星による測量技術を応用したスポーツ選手の行動分析システムなど、異業種への挑戦が活発化しています。AI関連の新規事業では、著作権、個人情報保護、秘密情報の取扱いなどに関し、法改正や判例の動向を踏まえて、ビジネスモデルの適法性を注意深くチェックする必要があります」。
淵邊弁護士のサポートは、単なる“適法・違法”の判断にとどまらない。資金調達のサポート、知的財産戦略の立案、補助金制度の活用提案など、多角的なアドバイスで事業を軌道に乗せる。
「資金決済法、個人情報保護法など関連法規との関係性を精査したり、官庁への事前問い合わせを通じてグレーゾーンを解消したりするなど、リスクを最小限に抑えつつ、迅速に事業を進められるよう尽力しています。完璧なリスク回避だけを追求すれば、新規事業の可能性を狭めてしまうため、挑戦的な領域に踏み込むことが、イノベーション創出の実現につながると思っています」。
この“ビジネスを理解した弁護士”としての視点は、淵邊弁護士の大手商社への出向経験に基づいている。ビジネスが創出され、社内で意思決定されていく、いわば“実際の意思決定プロセス”に接した経験が、現場のリスクとリターンを理解した“攻めのリーガルチェック”を可能にし、企業の挑戦を後押ししているのだ。
「資金調達の局面では、知的財産権をはじめ、将来的な収益モデルや人材戦略が、投資家への説得材料となります。さまざまな専門家の参画が必要となりますが、当事務所は弁理士、税理士、社会保険労務士、行政書士などと豊富なネットワークを構築しているため、総合的な支援を提供することが可能です」。
同事務所の支援体制をさらに強固にしているのが、多彩な専門性を備えたメンバーの存在だ。IT企業出身でAI・テック領域に明るい佐橋文平弁護士、学校法人や財団などの特殊な組織やビジネスモデルに精通した栗山明久弁護士、緻密なリサーチと契約書作成能力に優れた木村容子弁護士(右の漫画の作者)。さらに都市銀行や外資系投資銀行に勤務していたパラリーガルの齊藤早江子氏など、それぞれが独自の強みを発揮し、外部の専門家との連携を密に行うことで、多方面からクライアントの課題解決に取り組む。まさに、事務所名の「ラボ(さまざまな知見の集う実験室)」が示す理念が具現化されている。

地方発のイノベーション創出を後押し

地方のスタートアップ支援にも力を注ぐ淵邊弁護士。地元鹿児島で立ち上げた起業家支援団体では、東京で活躍する起業家との人的ネットワークの構築など、地方のスタートアップが抱える大都市との“熱量格差”の解消に奔走する。大企業からスタートアップ、そして地方の中小ベンチャー企業まで、ビジネスの現場に深く寄り添い、その挑戦を支える淵邊弁護士の視線は、企業に宿る無限の可能性を見据えている。

淵邊 善彦 弁護士

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 DATA 

ウェブサイトhttps://venture-lab.net/

所在地・連絡先
〒107-0062 東京都港区南青山2-22-17 センテニアル青山5階
【TEL】03-6434-5251 【FAX】03-6434-5259
【E-mail】info@venture-lab.net


所属弁護士等:弁護士4名(2025年11月1日現在)

沿革:2019年1月開設。2024年7月アリシア銀座法律事務所と業務提携

淵邊 善彦

弁護士
Yoshihiko Fuchibe

87年東京大学法学部卒業。89年弁護士登録(第一東京弁護士会)。95年ロンドン大学UCL卒業(LL.M.)。00年TMI総合法律事務所にパートナーとして参画。08~22年中央大学ビジネススクール客員講師(13~22年同客員教授)。16~18年東京大学大学院法学政治学研究科教授。19年ベンチャーラボ法律事務所開設。一般社団法人日本CLO協会理事。主にベンチャー・スタートアップ支援、M&A、国際取引、一般企業法務を取り扱う。主な著作に『実践 会社役員のための法務ガイド』(中央経済社、2021)『強い企業法務部門のつくり方』(共著、商事法務、2020)等がある。

『ビジネス常識としての法律〔第4版〕』

著 者:堀龍兒・淵邊善彦[著]
出版社:日本経済新聞出版
価 格:1,430円(税込)

『実践 会社役員のための法務ガイド』

著 者:淵邊善彦[著]、木村容子[画]
出版社:中央経済社
価 格:3,740円(税込)

『困った時にすぐわかる! トラブル対策のコツ 経営者になったら押さえておくべき法律知識』

著 者:淵邊善彦[著]
出版社:第一法規
価 格:1,980円(税込)