強力な陣容で大企業とベンチャー双方の観点を踏まえた高品質なリーガルサービスを提供
国内有数の大手法律事務所で約30年にわたり大企業の案件に携わってきた淵邊善彦弁護士は2019年にベンチャーラボ法律事務所を設立し、スタートアップ支援に舵を切った。「リスクを抱えたスタートアップをアーリーステージから支え、その挑戦を応援したかったのです」と、淵邊弁護士は独立の意図を語る。以来、大手事務所で培った経験と知見を中小企業やベンチャー・スタートアップ企業の法的支援に活かし、同事務所は順調に成長を遂げてきた。2024年2月には教育機関や公益法人の法務を得意とする栗山明久弁護士が加わり、支援領域をさらに拡大。開設当初からパラリーガルを務める齊藤早江子氏、一般企業法務全般を手がける木村容子弁護士、IT・DX関連を中心に手がける佐橋文平弁護士とともに、多様な法務ニーズに対応できる体制を整えている。さらには豊富なIPO経験を持つ菅野健一氏が顧問として顧客である起業家のメンター的役割を担当し、2024年7月にはアリシア銀座法律事務所との提携により、経営者が抱える個人的なトラブルへの対応力も強化された。
「各分野の専門家と強固なネットワークを構築しているため、複雑な案件でもワンストップでの対応を目指しています」との淵邊弁護士の言葉のとおり、同事務所はまさに万全の布陣で幅広い法務サポートを提供している。
大企業とスタートアップのアライアンスを成功に導くカギとは
政府主導のスタートアップ支援が進展する中、スタートアップを取り巻く環境は好転しているが、独力で事業を成功させるのは依然として容易ではない。その背景には、あらゆる経営資源が大企業に集中している日本の“構造的な問題”があると淵邊弁護士は指摘する。
「日本発のイノベーションを創出するには、大企業側からの積極的なアプローチが不可欠です。具体的には、自社事業を切り出す“カーブアウト”や、スタートアップとのアライアンス(資本業務提携)、CVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)を通じたスタートアップ投資、スピンアウトといった取り組みが挙げられます」(淵邊弁護士)。
実際、大企業とスタートアップとのアライアンスは増加傾向にあり、スタートアップ法務を熟知した淵邊弁護士のもとには大企業側からの相談も数多く寄せられているが、こうした連携の成否は“互いのカルチャーの違いをどこまで理解し、受容できるか”にかかっているという。「両者の強みと弱みを理解し合ったうえで、合理的な契約内容となるよう交渉を重ね、その結果を確実に契約書に反映させる必要があります」(淵邊弁護士)。
そのような契約内容の検討・交渉には経験豊富な専門家のサポートが欠かせない。「契約交渉には必ず“落とし所”があり、当事務所のように双方の立場を理解する弁護士等が介在することで、双方にとってプラスとなる着地点を見出すことができます」(淵邊弁護士)。
さらに、大企業側の“意識改革”も成功のカギを握るという。「提携目的を明確にしたうえで、その実現のためにある程度のリスクを取る気概が必要でしょう。たとえば、スタートアップ側に過度なコンプライアンスやガバナンス体制を求めるのは禁物です。大企業特有の“意思決定の遅さ”や“柔軟性の欠如”によって案件が頓挫するケースも多々あります。その点、迅速な意思決定が功を奏し、多くの成功例を生み出している“オーナー企業”の事例には見習うべき点があると思います。また、協業にあたっては、スタートアップの技術力の評価に加え、経営陣の人間性や信頼性の見極めも重要な要素になります」(淵邊弁護士)。
日本経済の未来を見据えた地方企業の支援や法務機能の向上に向けた取り組み
「地方発のベンチャーや地方企業の海外進出をサポートすることで、地方創生の一助になりたいですね」と語る淵邊弁護士は、地方企業の支援や日本企業全体のリーガルマインド向上にも注力している。2024年夏に始動したばかりの「一般社団法人鹿児島イノベーションベース」で監事として鹿児島県の起業家育成を支援するだけでなく、日弁連の「中小企業の国際業務の法的支援に関するワーキンググループ」では座長を務め、地方企業を応援するセミナーを全国で開催。さらに、理事を務める一般社団法人日本CLO協会では、ビジネスと法務の両面に精通し戦略法務を推進できるCLO(最高法務責任者)の育成に取り組む。「CLOが経営の一翼を担うことで、多様化する法的リスクの回避や不正予防の効果が望めるほか、国際的な企業間交渉を有利に進められるなど、事業を成功に導く法務サポートが可能になります」(淵邊弁護士)。
スタートアップや地方企業への支援から、日本企業の法務機能の強化まで、ベンチャーラボ法律事務所の活躍の場は着実に広がっている。
淵邊 善彦
弁護士
Yoshihiko Fuchibe
87年東京大学法学部卒業。89年弁護士登録(第一東京弁護士会)。95年ロンドン大学UCL卒業(LL.M.)。00年~TMI総合法律事務所にパートナーとして参画。08年~22年中央大学ビジネススクール客員講師(13~22年同客員教授)。16~18年東京大学大学院法学政治学研究科教授。19年ベンチャーラボ法律事務所開設。主にベンチャー・スタートアップ支援、M&A、国際取引、一般企業法務を取り扱う。
著 者:堀龍兒・淵邊善彦[著]
出版社:日本経済新聞出版
価 格:1,430円(税込)
著 者:淵邊善彦[著]、木村容子[画]
出版社:中央経済社
価 格:3,740円(税込)
著 者:淵邊善彦[著]
出版社:第一法規
価 格:1,980円(税込)