アジャイルプラス法律事務所 - Business & Law(ビジネスアンドロー)

© Business & Law LLC.

禁止規範(dis-incentive)を前提に行動規範(incentive)型のガバナンス設計を

アジャイルプラス法律事務所の弁護士陣は、自らを“エンジニア”と呼び、“法”という“言語”を用いて顧客の目指す将来をともに設計し、望ましい判断・行動までを確実に実装する。
「法を“行為規範”とは従来から意識してきました。“してはいけない”禁止規範の説明に終始したところで、顧客企業の“で、どうすればいいの?”という質問に応えるには、我々も“商売人”の目線で踏み込んだ出口までのアドバイスを提供しなければならない。とりわけ昨今は、コンダクト・リスクやプライバシーガバナンスなど、行為規範を意識したガバナンスの考え方が広まりつつあり、やっと周囲が追いついてきた感覚があります」(木下和博弁護士)。
課題解決のためのパートナーシップを構築し、協力してビジネスを実現するまでのビジョンを定立したい者にとっては、同事務所は二人三脚の抜群の組合せになると木下弁護士は意気込む。「行為規範の意義が見直される背景には、行動経済学や脳科学などの進展も大きい。つまり、人間の行動と動機づけとの関係が科学的に解明される過程で、規範設計のあり方も、“disincentive:不利益付与による忌避”型では限界があることが理解され“incentive:利益付与による誘導”型の有効性が注目されはじめ、ガバナンス設計等にも導入・展開が進んでいます。この潮流は、加速こそすれ減速することはなく、多くの企業がその方向へシフトしていくと考えます。ルール面でも、“法が定めているdisincentive(禁止規範)を、ビジネスにつながるincentive(行為規範)にどう再構築するか”が我々のエンジニアリングの“肝”であり、構造の異なる法とビジネス両方の体系を理解したアドバイザリー業務は、まだまだAIでは到達困難な領域だと自負しています」(木下弁護士)。

相づちを打ちつつ「“弁護士っぽくない”“営業っぽい”と言われるのが一番嬉しいです」と語るのは、徐英教弁護士だ。「私も木下と同様に、問題を主導して顧客企業を巻き込みながら話を進めるスタイルが好み。エンジニアリングの基本は、顧客企業の営業担当よりも“その企業の製品を売りたい”と感じるほどの思い入れにあると思っています。顧客企業の業界は、商社、運輸、建設、小売と多種多様ですが、とりわけ韓国関連案件を強みとしつつ、中国法や欧米圏の英文契約・租税対応などについてもグローバルに相談対応を行っています。韓国では、債権回収を容易とするための刑事告訴の手法をはじめ、日本と異なる法制度・商慣習がありますので、“これらを熟知した助言が具体的な実務・行動につながる”と顧客から高評価をいただいています」(徐弁護士)。
“エンジニア”としての技術力は、“設計・開発”そのものにとどまらず顧客に安心感を与える細部のやり取りにも及ぶ。「メールベースの回答では顧客企業が満足しないだろうと思われる部分は送信ボタンを押す時点で承知していますので、直後に電話して、補足や顧客の真意を汲んだ助言を行うなど、双方のツールの特徴を踏まえた使い分けも心がけています」(徐弁護士)。

徐 英教 弁護士

相手の“心”を深層から紐解くカウンセリング型のアプローチ

法律知識(ツール)や課題解決能力(スキル)はあって当然。同事務所の“エンジニアリング”の真髄は、相手の様子から、最優先すべき目的、つまり“プライオリティ”を見出すコミュニケーション力である。
「私のお客様には、人事・労務問題を抱える企業のほか、(言語の壁に直面する)外国籍の方や、さまざまなトラブルから精神的に追い詰められた方も少なからずいらっしゃいます。こうしたケースでは、当人は多くの場合、コミュニケーションに困難を抱え、よりトラブルを深めてしまう。このとき、法律論や紋切り型の回答ではほとんど解決に至りませんし、当人の健康や精神的解放こそが“プライオリティ”であって法的処理は二次的な課題であることも珍しくありません。私自身も、臨床心理など間口を広げて勉強中であり、心理カウンセラー的な要素と弁護士の“掛け合わせ”で相手と向き合いたいと考えています」(大橋さやか弁護士)。
こと企業の人事・労務においては、“アンタッチャブル”な人間の問題も含むことに加え、慌ただしい業務により人事上の課題が看過されたり、課題認識はあっても言語化が難しかったりすることも多い。「たとえば、退職者が相次いでおり、明らかに何らかの“問題がある”こと自体はわかっていても、どう原因を特定し、どう対処すればよいかがわからないといった場合、アンケート方式のヒアリングの提案は存外喜ばれます。回答者が本心を記述しやすいフォームを意識し、問題回答の多い拠点・類型を把握する。さらに対象を絞り本格的に突っ込んで洞察する一連の作業は、楽しくもありますね。企業によっては、やや当事者意識に欠ける担当者に、課題を認識いただくところから始めることもあります。背景にある漠然とした不安感を払拭することにより、適切な選択肢が見えてくるようになるのです」(大橋弁護士)。

大橋 さやか 弁護士

「例えるなら、大橋が“人間探究型のカウンセラー”だとすれば、徐や私は“課題重視型の精神分析学者”といえるでしょう。ただ、“エンジニア”としてのタイプは違えども、人間の行動原理への理解が第一にあることは共通します。企業のDX一つとっても、依頼者のプライオリティが“収益性向上の手段”か“プライバシーの保護”か“ブランディング”であるかで、アプローチの方法も達成目標も変わる。表層的な課題にとらわれず、課題解決により実現したい価値を常に顧客に問いかけ、その価値の実現に向けてともに1歩を踏み出すエンジニア集団、それが我々なのです」(木下弁護士)。

→『LAWYERS GUIDE 2024』を「まとめて読む」
→ 他の事務所を読む

 DATA 

ウェブサイトhttps://agile-plus.jp

所在地・連絡先
〒103-0027 東京都中央区日本橋2-1-3 アーバンネット日本橋二丁目ビル10階
【TEL】03-6823-1310 【FAX】03-6823-1312


代表弁護士の所属弁護士会:東京弁護士会

所属弁護士等:弁護士3名(2024年1月現在)

沿革:2020年1月設立

木下 和博

弁護士
Kazuhiro Kinoshita

03年弁護士登録(東京弁護士会)。新人時代から企業の危機管理や第三者委員会での調査案件等を担当するとともに、多くの訴訟に関わる。コンプライアンス体制の構築や個人情報保護法関連の助言等を得意としながらも、企業不祥事に際しては企業側代理人として顧客・マスコミ対応等の前線に立って指揮にあたる。20年「アジャイルプラス法律事務所」設立、同事務所代表就任。リスクマネジメント全般に強みを発揮するほか、個人情報関連ビジネスの助言等、ビジネス構築にあたってのコンサルティング業務にも注力。

大橋 さやか

弁護士
Sayaka Ohashi

04年弁護士登録(第二東京弁護士会)、アンダーソン・毛利・友常法律事務所入所。人事労務を中心に、訴訟、社内調査、コンプライアンス、組織再編など企業法務全般に携わる。20年アジャイルプラス法律事務所に参画。企業法務に加え、人事労務を核とする一般民事事件全般のほか、強みとする語学力を生かし、渉外家事事件、難民案件など外国人関連案件に幅広く携わる。同時通訳・翻訳家としても活動。

徐 英教

弁護士
Yeonggyo Seo

18年弁護士登録(第二東京弁護士会)、東京神谷町綜合法律事務所入所。日本・韓国間の渉外法務を中心に、リスクマネジメントや規約の制定、債権回収など企業活動の核となる業務に従事。21年アジャイルプラス法律事務所に参画。金融機関側の案件を多く取り扱った経験から、債権回収や保全手続が強み。現在は、環境法分野にも力を入れている。