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契約書作成・審査用のAIといえば、いまやリーガルテックの代名詞にもなりつつあり、法という“知”とプログラマーの“血”のにじむような開発努力の結晶である。
今回はGVA TECH株式会社の提供するサービス「GVA assist」の卓越した機能と快進撃の秘密を、同社の事業責任者である康潤碩(カンユンソ)弁護士に聞いた。 

ユーザー企業各社の事業特性に合わせて自社基準にカスタマイズ 高度なカスタマイズ性と万全のセキュリティで大手企業が導入

「契約審査AIの多くは、開発ベンダーによって作成された標準的な基準に基づき、審査対象の契約書を比較してリスクになる可能性を洗い出す手法をとっています。GVA assistの特長は、ベンダー基準だけでなく、ユーザー企業が持つひな型や事業特性に応じて各社で自由自在にカスタマイズできる点にあります」(康弁護士)。

まず基本動作として、審査対象の契約書を開いてGVA assistを起動し、比較するプレイブック(契約審査のノウハウ集)を選択すると、当該契約類型において重要な単語単位や条文単位での“不足”や、存在すると問題になりうる“リスク単語”を検知し、同時に修正案である条文例・譲歩案が表示される(図表1)。しかし、自社取引の特性や取引上の商慣習等によって、追加・削除すべき条項や、取るべきリスク、権利義務の範囲はさまざまだ。

図表1 業務委託契約の審査画面(ひな型に照らした“不足”“リスク”用語の検知)

「例えば、相手方に対する契約不適合責任の規定を検討する場合には、当該商材の性質に応じて適切な措置を契約上で幅広く担保する必要があるでしょう。また、契約類型が同じあっても、自社の立場に応じて交渉・合意すべき内容も大きく変わります(図表2)。GVA assistは自社のひな型をベースにして条文の抜け漏れチェックができるだけでなく、不足単語やリスク単語といった自社の基準をユーザー企業各社にて設定することができます。また、自社取引を加味した修正例や譲歩案、交渉コメントをストック・設定して、対応するリスク情報が検知された場合にこれを提示させることもできます。これによりユーザー企業の事業特性を加味しつつ、事業現場の状況・要望も反映させた自社専用のアウトプットをもって、法務部内の誰もが均一的なクオリティで契約審査ができるようになります。ベンダー基準についてもGVA法律事務所との連携によって日文・英文にも対応するだけでなく、契約書業務におけるバイブルである『契約書作成の実務と書式〔第2版〕』(阿部・井窪・片山法律事務所編、有斐閣、2019)のひな型など実用性の高い内容が初めから搭載されています。ひな型の搭載数は、契約書や社内規程等を合算して400種類以上と豊富であり、普段あまり契約審査やドラフト作成をすることがない類型の案件が来たときにも安心してご利用いただけます。また、“及び・および”“書面・文書”等の書面上で定義された文言の表記ゆれや、条項の挿入・削除によって生じるほかの条項番号ずれといった形式面もワンクリックでチェックし統一することも可能です。その他、大手企業の方から評価いただくポイントとしては、審査対象の契約書はAI学習ばかりか保存すらされない仕組みとなっているため、情報流出のリスクがかなり低いこともあります」(康弁護士)。

図表2 業務委託契約の審査画面(受託者側で類型設定してリスク・修正条項を提示)

総合すると、GVA assistは、契約審査、ドラフト作成に始まり、表記揺れや条番号ずれといった形式チェックまで、契約審査業務における“読む負担”“直す負担”“仕上げる負担”“ゼロから作る負担”を解決してくれるツールだ。また、法務部門の課題の一つであるナレッジマネジメントにも使われているとのこと。

「GVA assistは、ユーザー企業の法務部門におけるナレッジマネジメントや業務効率化という側面でも大きく貢献できます。法務部門はOJTなどを通じて“体で覚える”ことが一般的で職人的な風土もあり、主戦力の社員の退職・異動等を機にノウハウの継承が課題化するケースがあります。重要な自社のノウハウを、審査の過程でGVA assistを使ってタイムリーに、そして簡単に蓄積していくことで、人員体制の変更による影響を低減させるとともに、ノウハウをリアルタイムに関係者間で共有することが可能です。これにより、新人や中途採用者もいち早く自社における契約審査のポイントを理解できるようになるため、上席者の教育業務も効率化できます。既に、大手企業を中心に300社以上に活用いただいており、契約審査では“3割~4割程度の効率化ができた”とのご回答が最も多く、導入効果について嬉しい声を頂戴しています」(康弁護士)。

サービス導入前の顧客課題の把握と導入後の充実したカスタマー・サポート

AIが契約審査をできるわけではない。AIが人の目を助けアシストすることで、人による契約審査のアウトプットの品質がさらに磨かれる。

「人の目視は“あるべきなのにないもの”を発見することが苦手であり、この点はAI・システムが得意とする領域です。例えば、特殊な業界における研究開発契約など、“業界独自の規定や基準”が多い複雑な内容の契約書であっても、その独自の基準をセットしたGVA assistを通し、人の目で補完すればさらに優れた契約審査を実現できます。このようにAIと人が協力することで、よりよい契約審査を行うことができますが、GVA assistのようなAIツールを導入する上で大事なことは“自社の課題を明確に言語化し、課題にあったツールなのかをしっかりと検証し導入すること”、そして“導入によって新たに生じた課題に目を背けずに検証と解決のサイクルを回していくこと”です。比較検討をする際に機能比較表を作る企業も多いのですが、“機能数で選んだら結局使いこなせなかった”“この機能では自社の課題を解決できなかった”といった声をお聞きすることも少なくありません。GVA TECHでは、課題をしっかりとヒアリングし、課題にあったGVA assistの使い方をご提案します。導入後も弁護士や元企業法務担当者などが、現状の契約審査フローのヒアリングや各社にあったカスタマイズの仕方をご提案し、ユーザー企業のオンボーディングを支援し、日々伴走しています。リーガルテックを初めて導入する企業も多いと思いますので、心配なことがあると思いますが、まずはお気軽にお問い合わせください」(康弁護士)。

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 DATA 

ウェブサイトhttps://gvatech.co.jp/

所在地・連絡先
〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷5-15-6 GVAフレンズ
【TEL】03-6274-8620(代表)【E-mail】assist@gvatech.co.jp(担当:塚田・泰道)


沿革:2017年1月に“法務格差を解消する”をビジョンに創業。リーガルテックサービスGVAシリーズの提供を通じて、この課題解決を目指す。

康 潤碩 氏

Yunsok Kang
GVA TECH株式会社 取締役 Chief Legal Officer
弁護士