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公正取引委員会を動かし公正な取引を実現する

公正取引委員会(以下「公取委」)と聞くと、身構えてしまう企業もあるだろう。独占禁止法は違法と適法の境目が分かりにくいといわれることがあり、違法行為を行うことを意図していなかったのに不意打ち調査を受けるということもしばしばである。しかし、平山法律事務所の平山賢太郎弁護士は公取委や独占禁止法を恐れることなく、逆に、ビジネスを拡大するための攻めのツールとしても活用してきた。

「公取委の立入検査を受けたクライアントに対して審査対応をアドバイスすることはもちろん多くあります。しかし、クライアントの取引先や競合他社の独占禁止法違反行為を公取委に申告して立入検査を開始させることもあります。これは簡単なことではありませんが、法律家としての第一歩を踏み出したときから一貫して独占禁止法案件に携わり、弁護士と公取委職員の双方の立場から案件に接してきた経験を活かして、通常であれば想定しがたい成果をあげてきました」。

平山弁護士のクライアントは総合電機メーカー、精密機械・電子部品、自動車部品、食品、金属製品、医療機器、消費財といった各種業界のメーカーから、都市銀行、クレジットカード会社、電力会社、小売プラットフォーム運営業者、さらには業界団体や法律事務所まで幅広く、ある業種の案件での経験が次に別の業種の案件で活きるという好循環が続いているという。

公取委勤務による知見を活かす

平山弁護士は公取委に審査専門官として3年間勤務し、国際規模のカルテルなど多くの人々の記憶に残る重要な案件に取り組み、多くの知見を得た。

「立入検査、事情聴取、命令案の作成、代理人弁護士との協議などを担当し、独占禁止法専門弁護士と頻繁に接することによって、弁護士の事件への取り組み方が実にさまざまであることを学びました。この学びと経験から、クライアントに提供できるアドバイスの選択肢が広がり、さらに、イノベーティブな戦略の提案へとつながっています。案件を他の独占禁止法専門弁護士と共同で受任することも多くありますが、独占禁止法に対する想いや事件に取り組む姿勢をお互いによく知っていますので、スムーズに案件に着手して戦略を立案できます」。

平山弁護士は、案件対応を通じて公取委の活動を肌で感じ、クライアントへの助言に活かしてきた。

「取引先や同業他社の独占禁止法違反行為を公取委に申告する場合には、戦略を固めた上で持ち込まなければなかなかうまくはいきません。公取委への被害申告や裁判所への訴え提起という重大な決断をしたクライアントの覚悟に応え、経験と知見に基づいて成功へ近付けていくことが私の役割です。実際に、さまざまな案件を良い結果に導いてきた自負があります」。

「また、新しいビジネススキームを検討する際には、リスクの内容と程度を具体的に説明するよう心がけており、クライアントから信頼いただいて長期間にわたる関係を築いています」。

クライアントの疑問に耳を傾け新たな独占禁止法論点を提起する

平山弁護士が手がける案件は上場企業から中小企業のものまで幅広いが、クライアントの規模や法務部の陣容に関係なく、“公取委の事件の筋の見立ては何かおかしい”という、ビジネスの観点からのクライアントの率直な疑問が、それまで注目されていなかった新しい独占禁止法論点を生むものだという。この“気付き”に基づいて公取委と議論していくことに、独占禁止法弁護士としてのやりがいを感じている。

「さまざまな立入検査案件に携わってきましたが、いつでも、受任後直ちにクライアントの事業部門の方から直接にお話を伺い、ビジネスの観点から事案を理解し整理するよう努めています。そして、そこから得られた気付きに基づいて、必要に応じて経済分析の専門家や法学研究者と連携し、主張や対応戦略を構築してきました。こうして生み出され、議論された新たな独占禁止法論点は、審査終了後には研究者の評釈で取り上げていただき、独占禁止法分野の専門家に広く共有され、将来の案件における道標になっています。
公取委審査への対応に経済分析の専門家が関与することはこれまでほとんどありませんでした。しかし、経済分析は、我々弁護士の主張をデータの裏付けを伴った説得的なものにしてくれますので、必要に応じて積極的に活用し新しい案件対応スタイルを追求しています」。

そのような専門家を速やかに発見してチームを組むことは簡単でないが、研究会などに足を運び、また案件をともに担当したり公開シンポジウムを共催したりすることによって、ネットワークを広げ、共通理解を深め、協働の方法を確立してきた。また、独立開業したことによって、知的財産法・訴訟など専門分野に長けた他事務所の弁護士と案件の特徴に応じたチームを組みやすくなり、チームプレーが好循環を生んでいるという。

独占禁止法研究者としての知見を弁護士実務に活かす

平山弁護士は、弁護士実務において活躍を続けるかたわら、研究・教育にも携わり、2018年には九州大学法学部の独占禁止法専攻の准教授に着任した。公取委の競争政策研究センター客員研究員として、公取委幹部職員との共同研究も続けている。

「日弁連ワーキンググループ委員、第二東京弁護士会経済法研究会副代表幹事や経済産業省研究会委員として会合に参加し、知識を日々アップデートしています。今後は、実務家の視点にさらに研究者の知見を加えることによって、一歩踏み込んだアドバイスができるよう取り組んでいきます」。

→『LAWYERS GUIDE 2022』を「まとめて読む」
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 DATA 

ウェブサイトhttp://hirayamalawoffices.com/

所在地・連絡先
〒103-0028 東京都中央区八重洲1-4-16 東京建物八重洲ビル3階+OURS内
【TEL】03-6823-5318 


所属弁護士等:弁護士1名(2021年12月現在)

沿革:2018年8月開設

平山 賢太郎 氏

弁護士
Kentaro Hirayama

01年東京大学法学部卒業。02年弁護士登録(第二東京弁護士会)。07~10年公正取引委員会事務総局(審査局審査専門官)。10年Slaughter and May法律事務所(英国)競争法グループ出向。18年九州大学法学部准教授(経済法)。このほか、東京大学、名古屋大学、一橋大学、筑波大学等のロースクールなどの講師を歴任してきた。Chambers Asiaに、独占禁止法分野(日本)を代表する弁護士の一人として10年連続掲載されている。

『ケースブック独占禁止法〔第4版〕』

著 者:金井貴嗣・川濵昇・泉水文雄[編著]、河谷清文・瀬領真悟・武田邦宣・中川寛子・平山賢太郎・宮井雅明[著]
出版社:弘文堂
価 格:4,730円(税込)

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