スペイン - Business & Law(ビジネスアンドロー)

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はじめに

欧州主要国の中でも、スペインは日本をはじめとする外国からの自国へのインバウンド投資を幅広くかつ積極的に受け入れてきました。自動車産業や通信インフラといった伝統的な産業への投資のほか、近年は太陽光発電事業を筆頭とした再生エネルギー産業・グリーン分野への戦略的な投資や先端的な技術・テクノロジーを強みとするスタートアップへの外資の関心も高まっています。2021年のスペインへの対内直接投資は前年比23.1%増の234億9000万ユーロを記録しており注1、また、同国はウクライナ危機に端を発した欧州でのエネルギー・コストの高騰の影響が小さかったことも追い風となり、スペイン市場における投資機会への注目は高まっています。

スペインでは、国際的に外資規制の見直しがトレンドとなった近年に至るまで、国防関連事業等の限定的な分野への投資を除き、外国の投資家によるインバウンド投資は基本的に制限されていませんでした。近年、スペインでの外資規制の整備が進められ、①スペイン国内への外国からの投資は原則自由であることを一般原則としつつ、②スペインの国益保護を目的として、一定の類型のインバウンド投資については、当局の事前承認が条件とされました。
さらに、2023年7月4日には外資規制に関する新たな政令が成立し、2023年9月1日に施行されました。スペインへの投資を検討する(日本企業を含む)外国投資家にとってもスペインにおける外資規制の動向は重要な関心事となっています。そこで、諸外国における外資による投資・買収規制について解説する本連載の第5回として、本稿では、スペインにおける外資規制(以下、「スペインFDI規制」といいます)について解説します。

スペインFDI規制の枠組みと近時の改正

従来のスペインFDI規制は、主に、①「資本の移動および対外経済取引を規制する法体系およびマネー・ローンダリングを防止するための一定の措置に関する法律(Ley 19/2003 de 4 de julio sobre régimen jurídico de los movimientos de capitales y de las transacciones económicas con el exterior y sobre determinadas medidas de prevención del blanqueo de capitales.)」(以下、「スペイン外資規制法」といいます)および②「対外投資に関する1999年4月23日付勅令第664/1999号(Real Decreto 664/1999, de 23 de abril, sobre inversiones exteriores)」により構成されていましたが、上記のとおり、2023年7月4日にはスペインFDI規制に関する新政令である「外国投資に関する2023年7月4日付勅令第571/2023号(Real Decreto 571/2023, de 4 de julio, sobre inversiones exteriores.)」(以下、「本新政令」といいます)が成立し、2023年9月1日に施行されました(本新政令の成立により、上記の対外投資に関する1999年4月23日付勅令第664/1999号は廃止されました)。

本新政令は、スペイン外資規制法が定める外国からのインバウンド投資に関するルールを明確化するものですが、成立前から管轄当局であるスペイン産業貿易観光省(Ministerio de Industria, Comercio y Turismo)のウェブサイト上でその草稿(ドラフト)が公表されており、かかる草稿は本新政令の成立前からスペイン外資規制法の解釈に際して実務上広く参照され、一種のガイドラインとしての役割を果たしていました。

図表1 本新政令によるスペインFDI規制の改正点の概要

旧ルール

新ルール

投資額が100万ユーロ以下の投資は事前承認不要(いわゆる「デ・ミニミス免除制度」が存在)。

投資額が100万ユーロ以下の投資であっても事前承認が必要となりうる(デ・ミニミス免除制度の廃止)。

投資額が100万ユーロ超500万ユーロ未満の投資は簡易審査の対象(投資額が500万ユーロ以上の投資は通常審査)。

通常審査に一本化され、投資額を問わず通常審査の対象となりうる。

通常審査の審査期間は最大で6か月

通常審査の審査期間は最大で3か月

「外国投資家」に該当性につき問題となる「実質的な所有関係」の範囲が不明確。

投資ファンドに関しては資産運用会社が「実質的な所有者」にあたることが明確化。

グループ内再編や増資の場合の特別ルールは存在しない。

グループ内再編や一定の増資については事前承認が不要であることが明確化。

事前承認の免除類型はデ・ミニミス免除制度のみ。

デ・ミニミス免除制度は廃止され、新たな免除類型を設定(一会計年度の売上高が500万ユーロ以下の法人への投資、極めて短期間の投資など)。

承認された投資を実行可能な期間に関するルールなし。

承認された投資は、承認の際に明示された実行期間または承認後6か月以内に実行する必要がある。

事前承認が必要となる取引

スペインFDI規制上、スペイン企業に対する、①「外国投資家」による、②一定の規模の投資で、③投資対象が事前審査業種に該当する場合その他所定の場合には、管轄当局による事前審査と承認を得たうえで実行する必要があります注2。かかる事前承認を必要とする投資につき、事前承認を得ずに行った場合には、事後的に当該投資が管轄当局により無効とされる可能性もある点には留意が必要です注3

「外国投資家」の範囲

スペインFDI規制上、事前承認が必要となる投資の投資家(以下、「外国投資家」といいます)は以下の者とされています。

① 欧州連合(EU)および欧州自由貿易連合(EFTA)加盟国以外の国の居住者

② ①の者に「実質的に所有」されているEU加盟国またはEFTA加盟国の居住者

「外国投資家」の範囲を画定する際には、②の「実質的な所有関係」が、(日本の対内直接投資規制と同様に)間接的な支配関係も影響することに注意をする必要があります。すなわち、「実質的な所有関係」は、

(ⅰ) ①の外国投資家(法人の場合)が最終的にEU加盟国またはEFTA加盟国の居住者の資本金または議決権の25%以上を直接的または間接的に所有または支配している場合

(ⅱ) ①の外国投資家がEU加盟国またはEFTA加盟国の居住者に対する「支配権」(下記を参照)を直接的または間接的に行使している場合

のいずれかに認められ、これらのEU加盟国またはEFTA加盟国の居住者も「外国投資家」に該当することとなります。
このため、たとえば、スペイン企業(A社)が別のスペイン企業(B社)の100%子会社である場合に、親会社であるB社の議決権の25%以上をEUおよびEFTA加盟国以外の居住者(上記①の外国投資家)が保有している場合には、A社およびB社のいずれも「外国投資家」(上記②の類型)に該当することになります。

事前承認を要する外国投資の規模

旧ルールのもとでは、外国投資家によるスペイン企業への投資がすべて事前審査の対象になるわけではなく、一定の規模(支配の程度と投資額)以上の限定的な投資についてのみ、事前審査の要否が問題となっていました。具体的には、外国投資家による以下の基準を満たす投資がスペインFDI規制上の事前審査の対象となります。

【支配に関する基準】

① スペイン法人の10%以上の資本を保有することとなる投資、または

② スペイン法人の支配権の全部または一部を取得することとなる投資

【投資額に関する基準(「デ・ミニミス免除制度」)】

スペイン法人に対する投資額が100万ユーロ超の投資(なお、投資額が500万ユーロ未満の場合には簡易審査手続の適用あり)

特に、支配に関する基準について、「支配権(control)」の有無は、スペイン競争法(Ley 15/2007, de 3 de julio, de Defensa de la Competencia)において、スペイン競争当局に対する企業結合届出が必要とされる「企業結合」の判断基準と同じ基準(EU企業結合規制(EU Merger Regulation)における基準と類似)で判断することとされています。このため、取得する株式数や議決権数だけでなく、取締役派遣の有無や契約上の影響力をはじめとするさまざまな要素を考慮したうえで総合的に判断され、また、対象会社であるスペイン法人の支配権を単独で取得する場合のほか、(合弁事業のように)第三者と共同して支配権を取得する場合(Joint Control)も含まれ得ます。
なお、新ルールのもとでは、支配に関する基準は維持されたものの、投資額に関する基準(デ・ミニミス免除制度)は廃止されました。このため、投資額が100万ユーロ以下であっても事前審査が必要となりうる点に注意が必要です。

「事前審査業種」の範囲

旧ルールでは、外国投資家による一定の規模(上記参照)の投資であっても、すべてがスペインFDI規制上の事前審査を要するわけではなく、

① 投資先が一定の戦略的分野(以下、「事前審査業種」といいます)を営んでいる場合(下記(1)を参照)、または

② (投資先が事前審査業種を営んでいないとしても)外国投資家による一定の投資類型に該当する場合(下記(2)を参照)

に事前審査が必要とされていました。この点、本新政令では、これらの類型に該当するかについての判断指針を定め、旧ルールを維持しつつもその明確化を図っています注4

なお、産業貿易観光省は、検討されている投資がスペインFDI規制上の事前承認を必要とするか(事前審査業種の該当性を含みます)についての事前照会に応じています。実際に、産業貿易観光省の年次報告によれば、2020年には334件注5、2021年には231件注6、2022年には174件注7の事前照会がなされています。本新政令では事前照会の手続についてのルールの具体化が図られ、たとえば、「事前照会制度が非公開で行われること」や「事前照会制度の利用者が十分な情報提供をしない場合には照会が撤回されたものとみなされること」、「十分な情報提供がなされた場合には30営業日以内に回答がなされる必要があること」などが明文化されました注8

(1) 事前審査業種

管轄当局による事前承認が必要となる戦略的分野(事前審査業種)は、社会秩序、国防、治安および公衆衛生に大きく影響すると考えられる以下の分野とされています。上記のとおり、本新政令は投資先の事業が事前審査業種に該当するかを検討する際の指針となる規定を設けているところ注9、旧ルール下においても、同政令は草稿段階から実務上参照価値のある資料とされてきました。

① 重要インフラ分野(エネルギー、輸送、水、健康、通信、メディア、データ処理もしくは保存、航空宇宙、防衛、選挙または金融のインフラまたは機密施設、およびこれらのインフラ・施設の使用のために重要な不動産等)

② 重要技術およびデュアルユース技術分野(民生用および軍用双方に利用できる技術)、産業指導および訓練のための主要技術分野、ならびにスペインが特に関心を持つプログラムおよびプロジェクトのもとで開発された技術分野(電気通信、人工知能、ロボット工学、半導体、サイバーセキュリティ、航空宇宙、防衛、エネルギー貯蔵、量子技術および原子力技術、ナノテクノロジー、バイオテクノロジー、先端材料、先端製造システム等)

③ エネルギーの供給をはじめとする重要資材等の調達分野(原材料供給や食料安全保障に関連するものを含む)

④ 機密情報(個人情報へのアクセスおよび管理を含む)へのアクセスを伴う分野

⑤ メディア分野

外国の投資家によるインバウンド投資を原則として受け入れる姿勢のスペインFDI規制においては、ほかの一部の国・地域と異なり、外国投資家による投資を一切認めない分野や業種は定められていません。そのため、事前審査業種に該当する場合には管轄当局による審査を受け、投資実行前に承認を受ける必要があるものの、いかなる分野や業種についても外国投資家がスペイン法人への投資を通じてスペイン市場に参入する機会が留保されている点に特徴があります。

(2) 事前審査の対象となる投資類型

投資先であるスペイン法人が事前審査業種のいずれも営んでいない場合でも、下記のいずれかに該当する投資類型に関しては事前審査の対象となります。

① 外国投資家が、第三国の政府、公共団体、軍隊等によって直接的または間接的に支配されている場合注10

② 外国投資家が、スペイン以外のEUまたはEFTA加盟国の治安、公共秩序、公衆衛生に影響を及ぼす分野に投資しまたは参入している場合注11

③ 外国投資家が、スペインの治安、公序良俗、公衆衛生に影響を与える犯罪行為や違法行為を行う深刻な危険性がある場合

本新政令では、上記の①から③までに該当するか否かについての指針となる規定も設けられました注12。具体的には、①については第三国の政府等からの直接または間接の出資等の有無が考慮されること、②についてはEUにとって戦略的に重要な産業や技術に対する外国企業による投資に関して加盟国間での連携強化と情報共有を図る欧州議会・理事会規則第2019/452号に基づき提供された情報が考慮されること、および③については、マネー・ローンダリング、環境、租税または情報保護等の分野で過去3年間に行政上または司法上の制裁を受けたことがあるかどうかが考慮されることが挙げられます。

事前承認制度の免除類型

本新政令による新ルールでは、事前承認を必要としない例外の範囲が拡充されました。上記のとおり、旧ルールのもとでは「投資額が100万ユーロ以下である場合に事前承認を必要としない」とするルール(デ・ミニミス免除制度)のみが認められていたのに対し、新ルールのもとではデ・ミニミス免除制度は廃止されたうえで以下の免除類型が新設されました注13

・ グループ企業間の組織再編

・ 既にスペイン法人の株式・持分を10%超保有している外国投資家による同一のスペイン法人への追加出資であって、支配権の移転を伴わないもの

・ エネルギー分野に関する投資で国防上の懸念を生じさせない一定の投資

・ 前会計年度における売上高が500万ユーロ以下であるスペイン法人への投資(ただし、当該スペイン法人がスペインの国益にかかわる技術開発等をしている場合を除く)

・ 不動産への投資(ただし、重要インフラやエッセンシャルサービスの提供の用に供されるものを除く)

・ 極めて短期間の投資であり、外国投資家が投資先の経営等に影響を及ぼさない投資

もっとも、上記のとおり、これらの免除類型においては適用除外(結果として、事前承認が必要となるケース)も定められていることから、今後の管轄当局による免除制度の運用や実務動向が注目されます。

事前審査の手続

概要

事前承認を要する外国投資家によるスペイン法人に対する投資については、管轄当局である産業貿易観光省への承認申請が必要となります(事前承認を要する投資について、かかる承認を得ずに実行された取引は事後的に無効とされる可能性があります注14)。
産業貿易観光省が発表するスペインFDI規制に関する年次報告書(2022年度)によれば、2022年に提出された事前承認申請の数は98件(2021年との比較で27%増)であり、審査結果が確認できた案件の状況は以下のとおりです。

・ 承認(無条件):63件

・ 承認(条件付き):9件

・ 却下(事前承認制度の対象外):10件

・ 不承認:1件

この点、産業貿易観光省の年次報告書注15によれば、2020年と2021年に行われた事前承認申請はすべて承認されており(そのうち条件つきで承認されたものは、2020年は3.6%、2021年は12.5%)、スペインにおけるインバウンド投資の受入れに対する積極的な姿勢がうかがえます。

管轄当局に対する承認申請と事前審査

(1) 承認申請

外国投資家による産業貿易観光省に対する承認申請により、事前審査手続が開始します。具体的には、産業貿易観光省所定の承認申請書のフォーム注16に、以下の各事項をはじめとする必要事項を記載し、産業貿易観光省のウェブサイトから電磁的方法により提出することができます注17

・ 外国投資家の情報

・ 投資先(スペイン法人)の情報

・ 投資額

・ 投資実行の予定日

・ 投資の動機・背景

・ 投資額の調達元・調達方法

・ 投資実行後の対象会社の事業継続を確保するための資金状況の説明

・ (資本の100%未満の買収である場合には)支配権を確保する方法

なお、産業貿易観光省への事前承認申請とともに、(必要に応じて)欧州委員会への届出書(下記Vを参照)もあわせて提出する必要がある点は留意が必要です。

事前審査と承認判断

事前承認申請がされ、事前承認が必要な投資であると判断された場合には審査へと進みますが、審査手続に関するルールは本新政令の施行により変更されました。旧ルールでは下記のとおり取引額に応じて通常審査と簡易審査とに分かれ、いずれの場合も、基本的には非公開で審査が行われました。このため、審査段階において、事前承認申請書の記載内容をはじめとする届出情報や審査の経過が一般に開示・公表されることはありませんでした(ただし、産業貿易観光省に提出する事前承認申請書の内容は(必要に応じて)欧州委員会の管轄規制当局に共有されることとされています)。

① 通常審査手続

・ 投資額が500万ユーロ以上のスペイン法人に対する投資が対象。

・ 審査期間は最大6か月間(当該審査期間内に承認がされない場合は、承認がなされなかったものとみなされる)。ただし、実務上、4~5か月間で決定がされるのが一般的。

・ 産業貿易観光省が決定案を提示し、閣僚理事会(Consejo de Ministros)が最終的に決定を行う。

② 簡易審査手続

・ 投資額が100万ユーロ以上500万ユーロ未満のスペイン法人に対する投資が対象。

・ 審査期間は通常30日程度。

・ 産業貿易観光省が決定を行う。

通常審査の場合には産業貿易観光省が提示した決定案に基づき閣僚理事会が、簡易審査の場合には産業貿易観光省が最終的な承認・不承認の判断を行います。いずれの場合にも、承認に際して管轄当局が条件を付したり、是正措置(たとえば投資先における特定の事業活動の分離等)を講じるように命じたりする裁量も与えられています注18
これに対し、本新政令による新ルールでは、取引額を問わず旧制度における通常審査(上記①)により審査されますが、審査期間の上限は3か月に短縮されました。また、旧ルールでは承認された投資を実行するタイミングについての定めはありませんでしたが、新ルールでは承認の際に明示された実行期間またはかかる期間の明示がない時は承認時から6か月以内に投資を実行する必要があります(ただし、期間の延長を求めることは可能)注19

手続違反に対する罰則等

スペインFDI規制が要請する事前承認手続の違反は罰則の対象となります。
具体的には、外国投資家がスペインFDI規制上必要な事前承認を得ずにスペイン法人に対する投資を実行した場合や承認に付された条件に違反した場合には、3万ユーロ以上投資額以下の罰金が科される可能性があります。また、かかる違反がなされた場合には、管轄当局から当該外国投資家に対する警告や(当該違反および罰則の適用に関する)公表もなされる可能性もあります。

EUとの連携

上記のとおり、EUにおいては、欧州議会・理事会規則第2019/452号により、EUに対する外国からの投資の審査に関する加盟国間の協力体制が構築されています。かかる協力体制に基づき、スペインへの投資をする外国投資家は、産業貿易観光省への承認申請に伴い、スペイン政府が欧州委員会に対してスペインへの投資の内容を報告できるように情報提供する必要もあります。
一方で、実務上、他のEU加盟国への投資に関連して提供された情報がスペインFDI規制上の審査手続において考慮されることがあります。

おわりに

スペインFDI規制も国際情勢の影響もあり、近時大小の改正が繰り返されていますが、直近の本新政令は、事前審査を要しない例外の範囲を拡充するなど、外国投資家にとって好意的なルール変更もあったほか、従前のスペインFDI規制の合理化と明確化を図る観点からも外国投資家の一助になるともいえ、本新政令のもとでの新ルールにおける実務動向は注目に値するとともに、今後もスペインFDI規制の発展が期待されます。

日本企業としては、外資規制に精通したリーガル・カウンセルの協力を得つつ、慎重にスペインFDI規制の対応を検討する必要はありますが、新ルールにおいても、日本企業にとってスペインは投資機会として引き続き有力な市場であり続けるものと思われます。

→この連載を「まとめて読む」

[注]
  1. 日本貿易振興機構海外調査部・マドリード事務所「世界貿易投資動向シリーズ スペイン」(2022年12月5日)中の産業貿易観光省(Ministerio de Industria, Comercio y Turismo)による調査を参照。[]
  2. スペイン外資規制法7条の2および本新政令11条。[]
  3. スペイン外資規制法7条の2および本新政令11条。[]
  4. 本新政令15条および16条。[]
  5. スペイン産業貿易観光省による年次報告書「2020 EN CIFRAS」の1頁。[]
  6. スペイン産業貿易観光省による年次報告書「2021 EN CIFRAS」の1頁。[]
  7. スペイン産業貿易観光省による年次報告書「EL CONTROL DE INVERSIONES EN ESPAÑA EN 2022」の9頁。[]
  8. 本新政令9条。[]
  9. 本新政令15条。[]
  10. EU域外の国・地域の政府系投資ファンドや国営企業等による投資について幅広く規制対象とする趣旨とされています。[]
  11. 特にEUまたはEFTA加盟国における上記の戦略的分野である事前審査業種への投資等が想定されています。[]
  12. 本新政令16条。[]
  13. 本新政令14条および17条。[]
  14. スペイン外資規制法7条の2および本新政令11条。[]
  15. 2020年について前掲注5、2021年については前掲注6の資料をそれぞれ参照。[]
  16. 産業貿易観光省所定のフォームは同省のホームページで取得可能であり、英語での記載も可能とされています(2023年10月時点)。[]
  17. https://comercio.gob.es/InversionesExteriores/Paginas/control-inversiones.aspx(2023年10月時点)。[]
  18. 本新政令11条。[]
  19. 本新政令11条。[]

金子 涼一

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 パートナー弁護士・ニューヨーク州弁護士(ブリュッセル・オフィス共同代表(予定))

2008年東京大学法学部卒業、2010年東京大学法科大学院卒業。2011年弁護士登録、2012年アンダーソン・毛利・友常法律事務所入所。2017年米国カリフォルニア大学バークレー校ロースクール卒業(LL.M.)。2017年~2018年英国(ロンドン)のSlaughter and May法律事務所、2018年~2019年スペイン(マドリード)のUría Menéndez法律事務所にて執務。2019年ニューヨーク州弁護士登録。M&A(企業買収、組織再編、資本業務提携、ジョイント・ベンチャー等)やスタートアップ・新規事業投資を中心に企業法務全般を幅広く取り扱う。特に、クロスボーダー案件と各国競争法当局の対応につき、英国・欧州の大手法律事務所(M&A部門・競争法部門)での実務経験を活かし、戦略的・実務的な助言を行う。Inter Asia Pacific Bar Associationなどグローバルなイベント・メディアでの講演・執筆も多数。

西山 洋祐

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 アソシエイト弁護士・ニューヨーク州弁護士

2012年東京大学法学部卒業、2014年東京大学法科大学院卒業。2015年弁護士登録、アンダーソン・毛利・友常 法律事務所入所。2020年米国シカゴ大学ロースクール卒業(LL.M.)、同年7月から2年間メキシコ(メキシコシティおよびケレタロ)のBasham, Ringe y Correa, S.C.法律事務所にて執務。2022年ニューヨーク州弁護士登録。弁護士登録以降、広く国際法務に携わる。スペイン語が堪能であり、メキシコの法律および実務に通じているほか、スペインやメキシコ以外の中南米に関する案件も多く取り扱う。