第1週
たまたまですが、今週は筑波大・ペンシルバニア大とロースクール同期との会食が続きました。皆さんお会いするたびちょっとずつ境遇やポジションが変わったり(私も転職してますけど)、ご結婚されていたりお子さまが生まれていたりと、毎回会ってお話するのが楽しみです。
第2週
消費生活アドバイザー試験の2次試験を受けてきました。試験の話が続くと資格マニアかと思われそうですが、別に転職したい訳ではないので、受験のための勉強が目的です。試験向けのテキストって短期間で概要をつかめる(正確には、つかんだ気になることができる、かもしれません)ので。
今回は消費者保護に関する法律の勉強が主な目的だったのですが、いわゆる消費者問題についても勉強したかったので国民生活センターが発行している『2025年版くらしの豆知識』を読みました。これがとても面白かったです。デジタル社会における消費者トラブルの事例など、多くのテーマについて簡潔に説明されており、どういう問題が現実に発生しているのか改めて認識する好い機会となりました。
一つ気になったのは、まだ試験のテキストにはカスタマーハラスメントは出てこないんですよね。検索してみると厚生労働省や消費者庁のウェブサイトに消費者教育の課題として挙げられているのを見かけたので、取り上げられるのは時間の問題かもしれませんが、互いをリスペクトしながら意見を伝えるというのは消費者保護の観点からも役立つものだと思っています。
第3週
株式会社LegalOn Technologies主催のイベント「LegalOn Cloud Presents LegalOn Conference 2024」注1に登壇させていただきました。私が参加したセッションのテーマは「事業成長の原動力としての法務」で、同社の法務開発・シニアマネージャー軸丸様をモデレーターとして、株式会社メドレーの今仲様、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社の西蔭様とご一緒しました。やはり長く法務の責任者をされているお二人のお話は実績に裏打ちされた迫力があり、登壇慣れしていない私はセッション中に危うく聴講側にまわってしまうところでした。
セッションの準備をする中で事業推進における法務の役割や現状について振り返って考えたのですが、その時に改めて思ったこととして、法務は(当たり前なんですが)法務単独で機能しているわけではないな、と。ビジネス・プロダクトの意図や背景を把握し事実を確認するには1線との円滑なコミュニケーションが欠かせない、契約書を書こうにもその前提としてどういうリスクシナリオが考えられるかは他の2線部署との議論を積み重ねる必要がある。法務に限らず2線部署が事業成長の原動力となるためにはこうした関連チームとの接続を如何に滑らかにするかが重要かと思います。メルカリでは現在新規事業・サービスを検討するうえでCorporate Risk Management teamが1線に伴走しながらその接続役を担ってくれていますが、動きの早いメルカリにおいてはますます貢献が期待されるだろうなと考えています。
第4週
久しぶりに新型コロナウィルスに感染しました。4年ぶり2度目?かな。甲子園出場ではないからまったく嬉しくないです。頭痛がひどくなった日は休暇を取り、症状が治まってからはオンラインで仕事しました。前回罹患したときは立つのも寝るのも苦しかったのでそれに比べればマシだったのですが、やはりしんどいですね。インフルエンザのシーズンでもありますし、これを読まれている皆さまもどうぞお気をつけください。
私がいきなり数日寝込んでも幸いメルカリのLegal and Governance Divisionはびくともしない(あるいは気付いてももらえない?かも笑)のですが、それはまずはDivision内のマネージャー陣がしっかりしているからです。だからといって安穏としていられるわけではなく、そのマネージャー陣が安心して休みを取ることができるようにしなければならない、そのためには何ができるだろうかと思います。採用や育成によって人材の層を厚くする、業務の属人化を防ぐべくマニュアルを作ったり情報の共有を徹底したりする、などなど。良い機会なので、今度Division内で「急に休まないといけなくなったときに心置きなく休めるか? Noであれば、何が足りないのか?」という問いを投げかけてみようかと思います。
第5週
暦の巡り合わせのお陰で長い休み(9連休)の始まりです。例年私の実家(兵庫県)に帰省していましたが今年は両親が海外旅行とのことなので、ジョギング・積ん読の本・ドラクエ3(HD-2D版)の3本柱で休暇に臨みます。社会復帰できるかどうかは来年考えるとして。
まだ読んでもいないのにご紹介するのも変ですが、多少なりとも本稿に関連する範囲では以下の本を読む予定です。
・ 岡瑞起・橋本康弘『AI時代の質問力 プロンプトリテラシー 「問い」と「指示」が生成AIの可能性を最大限に引き出す』(翔泳社、2024)
・ リスクモンスターデータ工場『取引先リスク管理Q&A〔第2版〕』(商事法務、2022)
・ 日本版リーガルオペレーションズ研究会『戦略のための戦術―CORE8 日本の法務部門の場合』(商事法務、2024)
ではでは、皆さまにとって、2025年が素敵な年になりますように。
→この連載を「まとめて読む」
菊池 知彦
株式会社メルカリ 執行役員 CLO
01年株式会社小松製作所入社。その後、日産自動車株式会社、三菱商事株式会社にて主に海外法務を担当。18年グーグル合同会社入社。シニアカウンセルとして個人情報保護法・電気通信事業法コンプライアンス、クラウドサービスに関する契約案件に従事。23年メルカリ参画。米国ニューヨーク州弁護士。