訴訟経験に裏付けされた専門性が多くの人を救う債権回収、倒産手続
“クライアントの最善の利益の実現”を理念として掲げる潮見坂綜合法律事務所。22名の規模ながら、国内外の訴訟、知財・IT、M&A、事業再生、人事労務などの幅広い分野において、紛争解決から予防法務まで国内外の企業法務を中心としてさまざまな案件を広く取り扱うことに同事務所の特色を見出すことができる。
債権回収、倒産手続を専門領域とする河西一実弁護士。通常この分野を専門とする弁護士は、債権者・債務者のいずれかの側を得意とする。しかし、河西弁護士は、双方を数多く手がけてきた。「クライアントが求めているものをしっかり把握したうえで、一番よい結果を求めていきます。たとえば、債権回収の場面でも、M&Aを用いたり、知的財産権から回収したりもします」(河西弁護士)。
同事務所の強みの一つは、専門分野を有する弁護士が当該案件に対応するために最適のチームを組成し、徹底した合議を行うことである。債権回収においても、M&Aや知的財産権に強い弁護士とともに多角的な視野からクライアントの利益の最大化を図っていくべく河西弁護士を中心として検討が重ねられている。
また、倒産を手がける弁護士は訴訟経験が乏しいことが多いが、在籍するすべての弁護士が紛争解決業務を取り扱っている同事務所の河西弁護士だからこそ、倒産局面においても訴訟実務を踏まえて一気通貫で語ることができる。これは、クライアントにとって高い価値があることだろう。
河西弁護士が債権回収、倒産手続を専門領域とする理由、それは結果として関係する多くの人を救うことにつながるからだ。「経営が悪化した企業に対する事業再生・倒産手続は、そこで働く従業員一人ひとりの人生を左右するものです。それゆえ、携わる案件に対して、弁護士としてどれだけ時間をかけたか、どれだけ真剣に案件に向き合い、悩んだかが問われます。倒産の場合、社長は個人財産を失うことが多いのですが、判断が早ければ従業員の雇用を守り、取引先の経営を保つこともできる。後から振り返って、“よい判断だった”と言っていただけることが一番嬉しいですね」(河西弁護士)。
社外役員としての活動が弁護士の実務力を伸ばす 不正調査は“粒度”を勘案して対応
役員責任を中心としたコーポレート・ガバナンス分野に精通する笠野さち子弁護士は、プライム市場上場2社、スタンダード市場上場1社の社外役員を務めている。「社外役員として会社の中に直接入り、意思決定に参加すること、また、経営者の悩みを“法律相談”ではなく同じボードのメンバーとして聞けることは、弁護士業務には極めて有意義です。自分自身で体験し悩むことで、たとえば、役員責任の助言や相談の依頼を受けたときに、法律論だけではなく、顧客、投資家、従業員といったステークホルダーがそれぞれどう判断するかという視点も加えてサポートすることができるからです」(笠野弁護士)。
同事務所には、笠野弁護士のほかにも社外役員を務めている弁護士が複数在籍している。経営に必要となる知見について適宜情報交換しながらその資質を高めあっているという。
笠野弁護士のもう一つの専門分野は、企業会計をはじめとした不正調査対応だ。笠野弁護士は「調査報告書を作成する要諦は、報告書を読むステークホルダーは誰かを考え、その納得を得ること。また、決まった期限の中で、調査の濃淡を不正調査に長けたメンバーで判断し、機能的に適切なボリュームで実施することです」と語る。
「不正調査にはかなりの費用がかかります。1年かけて何百人もの弁護士を使って調査することが、本当にステークホルダーのためになるのか。経営者の不正が疑われるのか、従業員レベルの不正なのか、顧客の生命・身体に影響する問題なのか――などの観点から調査の粒度を考えるべきです」(笠野弁護士)。
コンテンツの権利を“創り、活用し、守る” グローバルビジネスに貢献するエンタメローヤー
日本のコンテンツ産業の輸出額の規模は4.5兆円で、半導体産業4.9兆円、鉄鋼産業4.1兆円と同程度のいわば巨大産業だ。資源に乏しい日本において、“無”から生み出すことができる魅力的な産業ともいえる。「最近、世界の映画業界では、“SHOGUN 将軍”や“ゴジラ”が注目され、また、東宝株式会社の米子会社は、スタジオジブリ作品の北米における配給権を取得している米国の映画配給会社GKIDS, INC.を完全子会社化します。また、配信業界では、Netflix、Amazon、Hulu、Disney、ソニーと数多の企業が、オリジナルコンテンツを制作して競い合っています。勝つためには、よりよいコンテンツを“創り、活用し、守る”ことが大切。弁護士は、いずれの場面でもビジネスに直接貢献することができます」(藤本知哉弁護士)。
日本のコンテンツも、ハリウッド映画のように、グローバル市場で強く展開することができる力をもっている。その交渉・契約こそエンタメローヤーの醍醐味だが、まだまだそれができる弁護士は日本には少ないと藤本弁護士は語る。藤本弁護士は、大手法律事務所で長年エンタメ案件に携わり、海外事務所でも同分野の一端に触れた後、ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社でコンテンツ・ビジネスを間近で体感し、同事務所に入所するというバックグラウンドと専門性を有している。
エンタメローヤーには、契約、知的財産、ファイナンス、人事労務、M&A、紛争解決など広い法分野の知識が必須となる。一方、生成AIやメタバースなど、次々と現れる新しい技術への対応も求められる。さらに、藤本弁護士は「業界常識・業界相場の理解とキャッチアップが極めて重要だ」と示唆する。この点、多様なバックグラウンドと最先端の専門知識を有する同事務所の30~40代の弁護士たちによる合議が効いてくるという。「やりたいことをチームの力で実現できる、最適な事務所環境になっていると思います」(藤本弁護士)。
藤本 知哉
弁護士
Tomoya Fujimoto
99年京都大学法学部卒業。00年弁護士登録(第一東京弁護士会)、TMI総合法律事務所入所。01年森綜合法律事務所(現:森・濱田松本法律事務所)入所。12年ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社Assistant Regional Counsel/International Compliance Officer就任。13年ブロードキャスト・サテライト・ディズニー株式会社取締役就任。18年潮見坂綜合法律事務所入所。
笠野 さち子
弁護士
Sachiko Kasano
00年京都大学法学部卒業。01年弁護士登録(第二東京弁護士会)、三宅坂総合法律事務所入所。11年三宅坂総合法律事務所パートナー就任。16年霞門綜合法律事務所(現・潮見坂綜合法律事務所)開設。
河西 一実
弁護士
Kazumi Kasai
08年中央大学法科大学院修了。09年弁護士登録(第二東京弁護士会)、三宅坂総合法律事務所入所。16年霞門綜合法律事務所(現:潮見坂綜合法律事務所)入所。
著 者:君嶋由紀子・藤本知哉[著]
出版社:中央経済社
価 格:3,080円(税込)
著 者:第二東京弁護士会倒産法研究会[編]
(共著者として、河西一実が執筆に参加)
出版社:一般社団法人金融財政事情研究会
価 格:5,500円(税込)
著 者:吉羽真一郎[編集代表]
(共著者として、高橋元弘・河西一実・碓井允揮も執筆に参加)
出版社:日本加除出版株式会社
価 格:3,190円(税込)