© Business & Law LLC.

ログイン

紛争解決の最前線で時代の要請に応え続ける

桃尾・松尾・難波法律事務所には、設立当初から紛争解決の最前線で積み重ねてきた実績がある。朝倉亮太弁護士は、「ビジネス環境の複雑化に伴い、企業間で発生する紛争の類型もまた変わりつつあります」と前置きしたうえで、近年の傾向を次のように概観する。
「裁判所は以前からシステム開発紛争や建築紛争といった特定の類型の訴訟を“専門訴訟”と位置づけ、審理体制の整備や研究を進めていたのですが、この10年から20年で、裁判所側の知見も蓄積され、整理されてきたように思われます。それに伴い、代理人の弁護士に求められる水準も格段に上がっているように感じます」(朝倉弁護士)。
同事務所は株主代表訴訟やシステム開発紛争など、高度な専門性が必要な分野にも数多く携わってきた。それはまさに、時代の要請に応え続けてきた証といえるだろう。
「当事務所の特徴の一つに、基本的に所属弁護士全員が訴訟経験を積んでいることが挙げられます。“取引法務”と“紛争対応”の双方を経験してこそ、弁護士としての真価が磨かれる、というのが当事務所の揺るぎない哲学です。所属弁護士たちは“ジェネラリストかつスペシャリストであること”を目指し、会社法や独占禁止法をはじめ、企業法務分野の幅広い類型・規模の紛争対応のみならず、各自の得意分野をも極めるべく日々研鑽を続けていますので、難易度の高い案件にも対応できる体制が整っています。訴訟案件ごとに最適なメンバーを柔軟に編成し、中規模事務所ならではの機動力を活かした迅速な対応が可能なことも、当事務所の強みの一つです」(朝倉弁護士)。

“もし揉めたら”の視点が最善のアドバイスを生み出す

訴訟経験は、法律相談・意見書作成や契約書作成・レビューといった平時の業務にも活かされていると、田中翔弁護士と朝倉弁護士は口を揃える。
「たとえば契約交渉では、“訴訟になった場合に裁判所はこの文言をどう解釈するか”という見通しを踏まえて文言の修正を行うことがあります。そのような“裁判官の視点”は、実際に法廷に立ち、裁判官の思考プロセスを肌で感じる経験を積んでこそ養われるものです。当事務所では、すべての弁護士が“こんなときに揉める”という感覚を身につけているため、契約交渉の場面でも、より実践的で説得力のあるアドバイスが可能になります」(田中弁護士)。
「契約書作成の場面でも、“この表現では後でトラブルになりやすい”と具体的に指摘できるのは、実際に数多くの紛争解決に当たってきたからこそです。揉めに揉めた最悪のケースを数多く経験しているので、“たとえ訴訟になっても、この条項を入れておけば十分に戦えますよ”と、自信を持ってアドバイスできるのです」(朝倉弁護士)。
もちろん、契約は常に交渉と妥協の産物だ。双方が知恵を絞り、練り上げた契約書でさえ、あえて曖昧な表現を残さざるを得ないこともある。
「紛争を完全に防ぐことは不可能です。そのため契約書作成においては二つの視点が必要になります。“できる限り紛争にならないよう明確に書くこと”と、“紛争が起きたときに被害を広げないための文言を忍ばせておくこと”です。“訴訟になった際にこのような主張ができるよう、条項にこの一言を加えておきましょう”といった具合です。たとえ紛争が起きたとしても有利な主張が可能になる、そんな工夫が契約上の“保険”になるのです」(田中弁護士)。
最悪の事態を知り尽くしているからこそ、平時に最善の備えができる。訴訟経験に裏打ちされた価値の提供が、依頼者への実効的なアドバイスを支えている。

法文化の違いを乗り越え海外本社の意思決定に寄与

クロスボーダー案件への卓越した対応力も、同事務所の特色の一つだ。日本企業の外国における紛争と外国企業の日本における紛争、いずれについても豊富な経験を持ち合わせている。
「所属弁護士は、基本的に全員が海外のロースクールで学んだ経験があります。加えて、現地の法律事務所で勤務した経験を有する弁護士も多くいます。そのため、語学力はもちろん、日本法と、グローバルなビジネスでベースとされている英米法の根本的な違いや、その背景にある文化、ビジネス慣習を身につけており、それが国際紛争における交渉や戦略立案の場面で大きな強みになっています」と語る田中弁護士自身、国際仲裁を含む英語での紛争実務を得意とし、数多く扱っている。
日本子会社で発生したトラブルを外国企業の本社が判断する際にも、日本の訴訟実務の特殊性を正しく伝えることが不可欠となる。クロスボーダー案件の機微に通じた朝倉弁護士は最近の事例を引いて、次のように説明する。
「損害額だけを見れば訴訟に踏み切っても採算がとれる規模のトラブルであっても、訴訟は時間も費用もかかるため、会社にとってそれが最善策とは限りません。海外本社がベストな意思決定を下すためには、正確な情報提供が不可欠です。しかし、日本の民事訴訟制度は、英米法系のそれとは大きく異なるため、単に法律用語を英語に直訳しても、その本質は伝わりません。当事務所の弁護士は海外の法文化や思考のフレームワークを熟知しているため、日本の法実務の特性や、訴訟に踏み切った場合のメリット・デメリットを、依頼者の言語感覚に合わせて的確に伝えることができます。もちろん、戦うべきときは断固として戦いますが、“訴訟提起の見極め”という紛争化以前の戦略構築も、私たちの重要な役割です」(朝倉弁護士)。

朝倉 亮太 弁護士

INTERLAWのネットワークを駆使 国際紛争を統括する“司令塔”の役割

日本企業が海外で訴訟に巻き込まれることは、今や珍しくない。米国のような訴訟大国での手続は非常に複雑で、費用も膨大になりがちだ。さらに、国際カルテル等でグローバルビジネスを展開する日本企業が摘発されると、米国やEUのみならず、アジア、南米、中東といった世界中の国々で訴訟を提起される事態にもなりかねない。そのような多国籍にまたがる紛争では、信頼できる現地の法律事務所の選定がカギとなる。
「当事務所は、INTERLAW(全世界で150以上の都市のローファームが参加する国際的なネットワーク)に加盟している唯一の日本の法律事務所です。そのコネクションによって、世界各国のレベルの高い法律事務所とのスピーディな連携が可能です。もちろん、現地弁護士を紹介して終わりではなく、現地弁護士とのやり取りは基本的に当事務所が担当しています。私たちは海外事務所で働いた経験から、彼らの思考や仕事の進め方を心得ていますので、海外事務所に任せきりにして法外な費用が発生しないよう弁護士報酬を適切に管理したり、日本本社の意向を正確に伝えたり、訴訟で使える材料を提供したりと、本社と現地事務所の間のブリッジ役を担っています。現地弁護士と共同で相手方代理人との和解交渉に臨むこともあります」(田中弁護士)。
複数国にまたがる複雑な紛争案件では、各国の法律事務所を統括し、戦略全体を俯瞰しながら訴訟全体をコントロールしていく、いわば“司令塔”の役割を果たすこともあるという。紛争という一大事に直面する日本企業にとって、まさに心強い味方となるだろう。

国際仲裁を視野に紛争解決手段の戦略的な選択を支える

国際仲裁は多くの企業にとって“費用が高い”“何をやっているのかわからない”といったイメージが先行し、敷居の高さは否めない。手続や判断が非公開であることも、多くの企業が“ブラックボックス”と感じる一因になっている。そんな専門性の高い国際仲裁の分野でも、同事務所は長年の経験と実績を誇り、豊富な知見とノウハウを蓄積している。
「国際仲裁における日本の法律事務所の関わり方は、外資系法律事務所がメインの代理人となり、そのサポート役として、日本法に関わる論点について意見を述べるというケースが一般的ですが、当事務所は、代理人として案件全体を主導できる経験を持つほか、仲裁人を務める弁護士も所属しており、その意味で“稀有な存在”といえるかもしれません」(朝倉弁護士)。
「日本企業が当事者となった国際仲裁で、外資系法律事務所を起用せず、当事務所のみで代理することもあります。その場合、英語での尋問を含め、仲裁手続全体を当事務所がワンストップで対応することになるので、日本企業にとっては“コミュニケーションが日本語で完結する”“複雑な戦略やニュアンスをストレスなく共有できる”といったメリットがあります。また、海外の法律事務所と日本の法律事務所を両方起用する場合に比べ、費用を抑えることができるというメリットもあります。
仲裁は、その言葉の日常的な用法から想起される“和解”とは異なり、より“裁判”に近い制度ですが、手続の進め方は日本の民事訴訟とも大きく異なる面があります。たとえば、日本の裁判所はしばしば和解を促してくれますが、一般的に国際仲裁の仲裁廷にはそうした介入は期待できません。そのため、当事者がより戦略的にアクションを起こしていく必要があります。契約書の紛争解決条項の作成・交渉に当たっても、当事務所は国際仲裁のメリット・デメリットを知り尽くしているため、その情報を正確に依頼者に伝え、訴訟など複数の選択肢と比較しながら最適な紛争解決の道筋をご提示できます」(田中弁護士)。

田中 翔 弁護士

国内外からの紹介は“信頼”の証

企業法務の世界では、“信頼できる法律事務所”としての評価が、同業者間の紹介という形で現れるときがある。
ある企業の取締役に対して株主代表訴訟が提起された場合、当該企業の顧問弁護士は利益相反(コンフリクト)のため被告取締役の代理人となることはできない。とはいえ、大事な依頼者のために、信頼できる法律事務所を紹介したい――そんな場面で、桃尾・松尾・難波法律事務所の名が挙がるケースは、決して珍しいことではないという。朝倉弁護士は次のように説明する。
「コンフリクトが生じた結果、他の法律事務所から訴訟案件をご紹介いただくことは珍しくありません。典型的なのは株主代表訴訟のほか、大企業同士の紛争ですね。大手事務所は複数の大企業の案件を継続的に受任していることが多いため、この種の紛争を受任できない場合も多く、そのような場面で当事務所をご紹介いただき、ご依頼いただくことがあります」(朝倉弁護士)。
海外の法律事務所からの紹介案件もたびたび舞い込むと話すのは田中弁護士だ。
「海外事務所の依頼者である外国企業が日本企業に対して訴訟を起こす際などにもご紹介いただいています。当事務所には海外法律事務所との強固なコネクションや、各弁護士が留学・現地での勤務経験を通じて培ったネットワークがあるため、ありがたいことに海外事務所の間でも、“紛争案件の実績が豊富で、英語対応もできる日本の事務所”として一定の評価をいただいています」(田中弁護士)。

依頼者の立場で考え経営判断を全力でサポート

“依頼者のために最善を尽くす”を信条に掲げている同事務所。では、真の意味で“最善を尽くす”とは、何を意味するのか。仮に、弁護士が法的視点から“最善”だと考える解決策と、依頼者がビジネス上の判断として望む方策が食い違った場合、どのようなサポートが最善といえるのだろうか――その問いに朝倉弁護士は「そもそも、“何が最善なのか”という定義自体が、我々と依頼者では異なる可能性が大いにあります」と指摘する。
「弁護士が法的な視点から判断した見立て、たとえば“この案件ではこのような法的論点があり、それぞれこのようなリスクがある”という見解は、企業の意思決定においては、あくまで一つの要素に過ぎないはずです。企業には、法務部以外にもさまざまな部門があり、経営陣はそれらすべての要素を総合的に判断して意思決定を下します。我々外部の弁護士の意見は、経営陣が意思決定を下すための材料の一つに過ぎません。ですから、我々弁護士にとっての“最善”と経営者にとっての“最善”とがイコールとは限らない。彼らの意思決定には、我々には窺い知れない、ビジネス上の合理性が必ずあり、その判断は尊重されるべきです」(朝倉弁護士)。
「“何が最善か”を決めるのは、最終的に依頼者自身です。もちろんその前提となる法的な見通しやリスクについては専門家として正確な材料を提供しますし、明らかに違法な判断であればそれを正すのが弁護士の責務です。そのうえで依頼者が下した判断であれば、それを全力でバックアップすることが私たちの役目です」(田中弁護士)。
依頼者の判断の裏にあるビジネス上の要請を汲み取り、その意図を理解したうえで尊重する。そして、その決断がもたらす結果を最良のものにするために、持てる知識と経験のすべてを注ぎ込む。それは単に依頼された業務をこなすのとは次元の違う関わり方だ。依頼者への深い共感と敬意に基づいた姿勢が、桃尾・松尾・難波法律事務所を単なる“法律専門家集団”の枠を超え、“かけがえのないパートナー”へと昇華させている。

→『LAWYERS GUIDE 2026』を「まとめて読む」
→ 他の事務所を読む

 DATA 

ウェブサイトhttps://www.mmn-law.gr.jp/

所在地・連絡先
〒102-0083 東京都千代田区麹町4-1 麹町ダイヤモンドビル
【TEL】03-3288-2080(代表) 【FAX】03-3288-2081
【E-mail】mmn@mmn-law.gr.jp


所属弁護士等:弁護士56名、アドバイザー1名、外国法弁護士3名(2025年12月現在)

沿革:1989年4月に、現在のネーミングパートナーである3名の弁護士を中心に発足。以後、「依頼者のために最善を尽くす」という設立の精神の下、中規模企業法務事務所として堅調に拡大・発展し、大規模化が進む弁護士業界において、中規模事務所として独立した地位を保っている

朝倉 亮太

弁護士
Ryota Asakura

13年東京大学法学部卒業。15年弁護士登録(第一東京弁護士会)。16年桃尾・松尾・難波法律事務所入所。19年パナソニック株式会社出向。22年米国カリフォルニア大学バークレー校ロースクール卒業。22~23年ニューヨーク州Winston & Strawn LLP勤務。23年ニューヨーク州弁護士登録。田中弁護士らと共に「紛争対応実務の勘所―法務担当者のための実践ガイド」と題する記事をNBLにて連載中(NBL1285号~)。

田中 翔

弁護士
Sho Tanaka

12年東京大学法学部卒業。15年弁護士登録(東京弁護士会)。17年桃尾・松尾・難波法律事務所入所。21年米国カリフォルニア大学バークレー校ロースクール卒業。21~22年ワシントンD.C. Wilson Sonsini Goodrich & Rosati P.C. 勤務。22年ニューヨーク州弁護士登録。朝倉弁護士らと共に「紛争対応実務の勘所―法務担当者のための実践ガイド」と題する記事をNBLにて連載中(NBL1285号~)。

『生成AIの法律実務』

著 者:松尾剛行[著]
出版社:弘文堂
価 格:5,500円(税込)

『実務の落とし穴がわかる! IT・AI法務のゴールデンルール30』

著 者:松尾剛行[著]
出版社:学陽書房
価 格:3,740円(税込)