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豊富な支援実績が導く課題解決のヒント

グローバル内部通報制度はいまや“導入有無”ではなく、“いかに実効性高く運用するか”というフェーズに入っている。海外子会社への浸透や、各国の個人情報保護規制との整合性確保など、企業ごとに課題は千差万別だ。
こうした課題に対して、弁護士法人GIT法律事務所が即座に解決策を提示できる背景には、圧倒的な事例の蓄積がある。同分野の第一人者として知られる西垣建剛弁護士は、早くからグローバル内部通報制度の重要性を説き、普及と実務定着を牽引してきた。国内上場企業を中心に約40社の制度構築を手がけ、導入支援だけでなく、運用上の課題や不正調査まで見据えた助言を行う。
そんな西垣弁護士が、最近の実務上の変化として挙げるのが、“生成AIを使用した通報”の増加だ。
「生成AIによって作成された通報は、文章としては整っていても、事案の核心となる事実関係や通報者の問題意識が十分に表現されていない傾向があります。通報者が生成AIを使いこなしていないので、文章の量の割には内容が薄く、何が本当の論点なのかを把握するまでに時間を要し、調査の初動対応に支障が生じるおそれがあります」(西垣弁護士)。
今後、同様の通報が多くなることが予想されるため、担当者には、通報者との対話を通じて事案の本質を把握し、適切な対応につなげていく能力が一層求められると西垣弁護士は注意を促す。
企業の悩みは、通報が多すぎるケースばかりではない。海外子会社からの通報が皆無に近いと嘆く企業に対して西垣弁護士は、「内部通報制度の存在を周知するだけでなく、従業員が日常業務の中で自然にアクセスできる導線を設計することが重要です。たとえば“通報窓口のQRコード付きカード”の配布は、海外現場で実際に効果を上げている施策の一つです」と助言する。
さらに、通報内容には個人情報が含まれることが多く、各国のデータ保護法制や越境移転規制への対応が問題となる。
「法律上は個別同意をとるという選択肢がありますが、海外拠点の従業員数が多い場合、全員からの同意取得は現実的ではありません。当事務所では、法的リスクを適切に管理しながら制度が機能する方策をサポートしています」(西垣弁護士)。
また、個人的な不満や人間関係のトラブルに起因する通報が繰り返し寄せられ、対応に悩む企業も少なくない。
「通報者に対して、安易に“通報するな”と回答することは避けるべきです。通報者と受付対応者の間でトラブルが発生し、事態が一層こじれるおそれがあります。一方で、すべての通報を同じレベルで調査する必要はありません。内容を整理し、調査対象外と判断した場合には、その旨を簡潔に伝えることが重要です。仮に、対応が長期化した場合には、受付担当者が疲弊しないよう、外部弁護士にコミュニケーション対応を引き継ぐことも有効です。第三者が介在することで、対応の客観性や公平性を確保しやすくなります」(西垣弁護士)。

西垣 建剛 弁護士

国際仲裁の戦略的な活用をサポート “Cost Effective”の秘訣とは

同事務所が注力しているもう一つの分野が、国際仲裁だ。同事務所は費用対効果を重視した“Cost Effective”なサービスを提供している。20年以上クロスボーダー案件や国際紛争に携わり、ICC(国際仲裁裁判所)やLCIA(ロンドン国際仲裁裁判所)などで、数多くの国際仲裁・調停案件を手がけてきたジョエル・グリアー外国法事務弁護士は、「案件の規模や性質に応じて手続を選択すれば、必ずしも訴訟より高額になるとは限りません。ニューヨーク条約により大半の主要国で仲裁判断を強制執行できるため、適切に活用すれば有力な紛争解決手段となります」と強調する。
「国際仲裁には、制度自体にコストを抑えるしくみが組み込まれており、その一つが“迅速仲裁手続”です。小規模な紛争であれば、半年程度かつ低価格で解決できます。また、勝訴すれば、弁護士費用を敗訴側に請求できることも大きなメリットです。さらに当事務所では、固定報酬と成功報酬を組み合わせた代替料金体系も導入しており、企業が費用を予測しやすいサービス提供が可能です」(グリアー外国法事務弁護士)。
紛争発生後だけでなく、契約締結時の仲裁条項の設計も重要な論点だ。グリアー外国法事務弁護士は、「仲裁条項はできるだけシンプルに記載すべきです」と指摘する。
「複雑な条項を盛り込み過ぎると、“そもそも仲裁合意は有効なのか”という新たな争点を生みかねません。まずは主要な仲裁機関のモデル条項をベースに検討することをお勧めします」(グリアー外国法事務弁護士)。

ジョエル・グリアー 外国法事務弁護士

透明性が問われる製薬・医療機器業界のコンプライアンス

世界有数の製薬・バイオテクノロジー企業で法務部長を務めた経験を持つアンドリュー・マリオット外国弁護士は、近年、ヘルスケア分野を取り巻く規制環境が厳格化していると指摘する。
「製薬・医療機器メーカーにとって、医師との会食費の金額は適切か、講演会の謝礼はいくらが妥当かといった論点は日常的に発生します。重要なのは、社内では適切だと考えていても、規制当局や第三者から見たときに合理的な説明ができるかどうかです」(マリオット外国弁護士)。
特に問題となりやすいのが、医師とのコンサルティング契約やアドバイザリーボードの運用である。契約書が存在していても、成果物が残されていない、会社として活用実績を説明できない場合には、販売促進や利益供与を疑われるリスクが生じる。
「契約書の有無よりも、その契約に実態が伴っていることの方が重要です。なぜその契約が必要だったのか、どのような成果が生まれ、それが実際に活用されたのか。こうした点を明確にしておくことが、後の調査局面で大きな違いとして現れます」(マリオット外国弁護士)。

アンドリュー・マリオット 外国弁護士

近年は内部通報を契機に問題が発覚するケースも増えており、規制当局や社会の目も厳しさを増している。そのため、同事務所では社内規程の全面的な見直しや運用体制の整備など、問題を未然に防ぐためのコンプライアンス体制構築支援にも注力する。
国境や業界の垣根を越えてリスクが複雑化する中、求められるのは、現場で機能する危機管理体制である。今夏には15名体制となる同事務所は、その国際性と実践的アプローチで、グローバルリスクの解決を支えていく。

読者からの質問(海外子会社の経営陣を対象とする不正調査のポイント)

Q 海外子会社の経営陣が不正に関与している疑いが生じた場合、不正調査ではどのような点が重要になりますか。
A 現地経営陣が調査対象となる場合、組織的な証拠隠滅のリスクがあるため、“誰が調査に協力してくれる関係者なのか”を見極めてヒアリングを実施する必要があります。ただし、ヒアリング対象者が自己保身を図り、事実と異なる説明をするケースも多々あるため、聴取だけではなく、客観的な証拠をいかに確保するかが重要です。現地法律事務所とも連携しながら、メールや取引記録などの客観的な資料の確保と分析を組み合わせ、慎重に事実関係の解明を行う必要があります。

→『LAWYERS GUIDE 企業がえらぶ、法務重要課題2026』を 「まとめて読む」
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 DATA 

所在地・連絡先
〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-6-5 丸の内北口ビルディング23F
【TEL】03-6206-3283(代表)

ウェブサイトhttps://www.giandt-law.com/

主事務所の所属弁護士会:東京弁護士会

西垣 建剛

弁護士
Kengo Nishigaki

98年東京大学法学部卒業。00年弁護士登録(東京弁護士会)、東京青山法律事務所(現 ベーカー&マッケンジー法律事務所)入所。04年ニューヨーク大学ロースクール修了(LL.M.)。05年ニューヨーク州弁護士登録。08年同事務所パートナー。20年弁護士法人GIT法律事務所設立。

ジョエル・グリアー

外国法事務弁護士
Joel Greer

85年コーネル大学卒業(B.A.)。88年プリンストン大学修了(M.A.)。00年イエール法科大学修了(J.D.)。01年Gilbert Heintz and Randolph LLP入所。03年Hughes Hubbard & Reed LLP入所。06年White & Case LLP入所。07年外国法事務弁護士登録。15年ベーカー&マッケンジー法律事務所(東京)入所。19年法律事務所ZeLo入所。24年弁護士法人GIT法律事務所入所。

アンドリュー・マリオット

外国弁護士
Andrew Marriott

99年グリフィス大学卒業(法学士LL.B./文学士B.A.)、ミンターエリソン法律事務所入所。00年豪州ニューサウスウェールズ州弁護士登録。01年ベーカー&マッケンジー法律事務所(東京)入所。05年アレン・アンド・オーヴェリー外国法共同事業法律事務所(東京)入所。09年英国(England & Wales)弁護士登録。大手製薬企業などを経て24年弁護士法人GIT法律事務所入所。

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