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設立当初から先端課題に対応 高まるコーポレート・企業再編の専門性

2025年に設立10年目を迎えた山下総合法律事務所は、その中心的業務であるコーポレート・企業再編分野において、専門性を一段と深化させている。近年のコーポレートガバナンス改革、特に資本効率向上への強い要請は、株式持合いの解消やアクティビストの活動活発化を促し、企業のM&A・組織再編や資本政策の選択および実行に大きな影響を及ぼしている。「市場がダイナミックに動く中、M&Aや資本取引を成功に導くには、多様なステークホルダーの利害を正しく見極め、法的課題を予見したうえで戦略を構築する能力と知見が不可欠です」(山下聖志代表弁護士)。
法務に求められる役割も高度化・複雑化しており、同事務所の弁護士たちは、次のような先端的な法務課題に的確に対応し実績を重ねている。

特別委員会対応のロジックは先行事例の的確な分析が肝要

親子上場の解消やMBOによる非公開化の増加を背景に、取引条件の公正性や手続の適正に対する株主の視線は厳格化の一途をたどる。東京証券取引所の企業行動規範の見直しは、MBO等における特別委員会の意見の取得と開示を義務化し、特別委員会において検討すべき論点および開示事項について明示した。「改正規範は、特別委員会の議論の過程において、従来以上に一般株主の視線を意識することを求めています。実務の蓄積を土台とし、より厳密化されたルールにどう対応するかが重要です」と黒澤水里弁護士は解説する。
「実例が少ない中、先行事例を的確に分析し、対象会社や委員の方々の判断をサポートすることはもちろん、対象会社に求められる、取引条件に係る十分で合理的な検討・交渉の過程や結果について、株主に対して説得力をもって説明できるよう、開示を前提とした議論の再構成と言語化の支援も我々の責務です」(黒澤弁護士)。
山下弁護士は、特別委員会対応に限らず論点が多い案件では、類似事例や応用可能なロジックをいかに迅速に探し出せるかが、議論の質を左右するため、黒澤弁護士の非常に高いリサーチ能力がチームでも支えになっているという。「精緻に調査した土台に基づき迅速にクライアントへ的確な見解を示すことができます」(山下弁護士)。

山下 聖志 弁護士

規制が絡む提携・資本取引を複数の選択肢を示してリード

上場会社間の業務提携や資本取引は、会社法、金商法、上場規程等が複雑に交錯する領域だ。ディール上の目的や資本の論理を深く理解したうえで広範な法的知識を駆使した対応が求められる。「株式の割当てや大株主からの譲渡が絡む場合、意図せず規制に抵触するリスクが増します。未公表の重要事実や決算発表のタイミングも織り込んだ緻密なスケジュールやスキーム設計が不可欠です」と指摘するのは桑原広太郎弁護士だ。
「ディール着地の方向性について、経営陣の意向変更等により、当初想定し得なかった法的問題が顕在化することも少なくありません。目前の法的論点だけでなく、常に案件の推移や背景を頭に入れ、影響を想定するよう心がけています。複数の法規制を俯瞰し、リスクを予見して先回りした助言や選択肢の提示を行うことが重要と感じます」(桑原弁護士)。
クライアントの社内の状況や経営陣の意向などをよく想定し、丁寧に軌道修正を行うセンスは、桑原弁護士の強みだと山下弁護士も語る。「クライアントの目的を柔軟に汲み取り、より良い方向への提案を行った結果、その後のディールでの早期からの相談につながっています」(山下弁護士)。

クリーンチーム運用の勘所は現業への深い理解がカギ

企業の“選択と集中”に伴う事業再編により、同業他社間のM&Aは増加傾向にある。買収検討段階における競争事業者間の機微な情報交換は、競争法違反のリスクを内包するため、センシティブ情報を扱うクリーンチーム組成の重要性を高めている。「クリーンチームの必要性は、情報交換が開始される案件の初期段階で検討すべきです。合法・違法の明確な線引きが困難な領域であるため、両社の商品・役務の代替性や具体的な競争関係を精査し、法的リスクの程度を的確に見極める必要があります」と桑原弁護士は語る。
「しかし、その事業の知識がなければディールや対象会社の評価ができないというジレンマも存在します。“これは絶対にダメです”という一線を明確にしたうえで、必要性の程度に応じた代替案や運用ルールを提案し、現実的な落としどころを見つけることも、案件を前に進めるためには重要です」(桑原弁護士)。

桑原 広太郎 弁護士

“前例がないこと”にも最適解 クライアントの意向を現実に

同事務所は2024年、上場を見据える未上場会社において、創業者の議決権を維持しつつ株式報酬を付与するというニーズに対し、種類株式を活用するスキームの検討をする特殊案件を取り扱った。「経営陣の意図する企業価値向上施策と一般株主の利益保護が課題で、2010年前後にあった議決権種類株式の上場についての論点を株式報酬の文脈で検討し直すものでした」(黒澤弁護士)。

黒澤 水里 弁護士

この方法はストックオプション発行が制限される等の固有の制約下で、クライアントの目的を達成するための最適解といえた。「企業法務の新しい案件・スキームは、ほぼ常に従来の事例を発展させ、あるいはその課題を解決するためのものです。そのため、前例がないことを理由に選択肢を狭めるのではなく、従来のスキームの知識経験を踏まえて、現行の法制度や市場環境下での実行可能性を徹底的に再検証し、最適なソリューションを追求することが私たちの基本姿勢です」(山下弁護士)。

→『LAWYERS GUIDE 2026』を「まとめて読む」
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 DATA 

ウェブサイトhttps://www.y-lawoffice.com/

所在地・連絡先
〒104-0031 東京都中央区京橋2-7-14 ビュレックス京橋7階
【TEL】03-6268-9511 【FAX】03-6268-9512


所属弁護士等:弁護士16名、外国弁護士1名(2026年1月現在)

代表弁護士の所属弁護士会:東京弁護士会

沿革:2016年8月千代田区平河町にて弁護士1名(山下)で開業。2018年事務所拡張のため、京橋へ移転。2021年パートナーシップ制度導入。現在弁護士等17名、秘書・経理11名

山下 聖志

弁護士
Seiji Yamashita

98年東京大学法学部卒業。02年弁護士登録(東京弁護士会)、05~07年国内大手証券会社法務部門出向。10年ミシガン大学ロースクール(LL.M.)修了。11年ニューヨーク州弁護士登録。16年山下総合法律事務所設立。21年代表パートナー就任。

桑原 広太郎

弁護士
Kotaro Kuwabara

17年東京大学法学部卒業。18年東京大学法科大学院中退(司法試験合格のため)。19年弁護士登録(第二東京弁護士会)、アンダーソン・毛利・友常法律事務所入所。22年山下総合法律事務所入所。

黒澤 水里

弁護士
Misato Kurosawa

18年東京大学法学部卒業。21年東京大学法科大学院修了。22年弁護士登録(東京弁護士会)、山下総合法律事務所入所。