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クライアントがビジネスで実現したいことは何か

「ビジネスで成し遂げたいこと、我々はそれを実現するためのルートを法的観点に基づいて構築するエンジニアです。単なる法解釈の範疇を超えて“いかに(How)目的を達成するか”という実現過程までを射程に入れたエンジニアリングを提供しているのです」――木下和博弁護士の第一歩は、“クライアントが本質的に何を(What)実現したいのか”をとことん追求するところから始まる。
「たとえば、新たなネットワークサービスの立ち上げの際、その“立ち上げ”のみに意識が向いてしまっているクライアントも少なくありません。しかし、その根幹には、“新たなネットワークサービスによって利用者の生活をより便利にしたい”という目的があるはずです。まずそこに改めて気づいてもらい、それを実現するために想定されうる課題をともに洗い出し、知恵を寄せ合って併走しながら解決していくことが我々の役割です。当事務所の弁護士は、従来のセオリーに新しい視点を加えてアレンジする柔軟性を常に念頭に置きながら、クライアントが実現したい価値を具体化するための対話を重視しています」(木下弁護士)。
同事務所に所属する3名の弁護士は、木下弁護士の危機管理分野やパーソナルデータを活用した事業創出に加え、大橋さやか弁護士の労働・渉外分野、徐英教弁護士の環境法・韓国渉外分野と、それぞれが強みを持つ。スタートアップや中小企業から大企業まで、業種もさまざまであるが、共通してビジネススキームを構築するために、クライアントの経営のベースにある“What”をよく理解し、冷静に目的達成に向かう“How”を発信し続けている。

“炎上に正義など関係ない”――価値観の変化を捉えた“今”の最適解を提供

近年、カスハラ対策の必要性が増しているなど、ますます複雑化する顧客対応の分野において、SNSが企業活動に与える影響は年々大きくなり、クライアントの相談もSNSに関するものが増えているという。
「SNSで目立つ“炎上”は決して対岸の火事でなく、いつ当事者になるかわかりませんし、その被害は甚大です。しかし、炎上の構造を正しく理解できている弁護士や企業は少なく、対応を誤ったせいでさらなる炎上を招いてしまう事態も見受けられます。世の中の“正しい”の定義が変化していることに気づかなければなりません」(木下弁護士)。
木下弁護士は“今”にアジャストした最適解を常に提供できるよう、アンテナを張る。
「炎上の根本にあるのは“自己肯定感を高めたい”という人々の欲求、しかも、厄介なのは、そのうちの大半は自社と何の利害関係もない第三者(オーディエンス)であるということです。たとえば、ある企業で不祥事が発生した際、まず影響力を持った情報発信者(インフルエンサー)が批判し、それに追随するオーディエンスが増えていくのが炎上の一つのパターンですが、このオーディエンスはインフルエンサーが発信した価値観に共感する自分に陶酔し、自身が発信したメッセージに“いいね”とさらに追随するフォロワーが増えることで自己肯定感を高めるために行動しているので、本当は不祥事を起こした企業側の事情にはそれほど興味はありません。そこを理解せずに自社の正当性を力説したところで何の意味もなく、逆に“言い訳ばかりで見苦しい”とさらに炎上してしまいます。炎上には慌てて火消しを図るのではなく、鎮火後の冷静な検証に堪えうるエビデンスの収集と保存に努め、炎上が収まるのをじっと待つべきです。オーディエンスは自己肯定感さえ得られれば自ずと去っていくからです。また炎上は、企業の正当性とは無関係に、オーディエンスが抱く企業イメージと乖離があることで発生します。そのため、炎上の予防には、オーディエンスが自社に抱いているイメージを常に意識して行動を選択することが大切です。“自社がどうありたいか”ではなく、“何を期待されているか”を考え、そのイメージに反するような情報を不用意に発信しないよう注意しなければなりません」(木下弁護士)。
さらに木下弁護士は「近年のカスタマーハラスメントの構造も、自己肯定感を得ることが主たる目的という点において似ている」と付言し、構造がわかれば対応策も自ずと導けると指摘する。

木下 和博 弁護士

時には緩く、時には厳しく 契約のよい“塩梅”を模索

社会環境の変化が激しく、物事を判断する際のエビデンスが見つけづらくなった今、法律を拠り所とする傾向が強まっている。法律と経済、人々の価値観が融合し、社会構造が日ごとに姿を変えていることを理解したうえでのアドバイスはAIには難しいという。
「あるビジネスで契約書を締結する際、禁止事項を明記するのは一般的ですが、それを守らせることは容易ではありません。あらゆる場面を想定して事細かに禁止事項を並べ、がんじがらめにしても、逆効果となる場合もあります。そのようなときには、“契約の拘束力をあえて弱める”という方法も効果的です。アライアンスにおいて自社に優位性があるのであれば、いつでも契約を破棄できるよう緩く設定することが相手方にとってプレッシャーとなりえます。このような“塩梅”を柔軟に判断できることが弁護士の強みであり、我々が最も得意とするところです。大手法律事務所と同等の知の蓄積とブティック型法律事務所の機動力を併せ持ちながら、今後もクライアントと共に悩み、課題を解決していきます」(木下弁護士)。

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 DATA 

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所在地・連絡先
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【TEL】03-6823-1310 【FAX】03-6823-1312


所属弁護士等:弁護士3名(2025年12月現在)

沿革:2020年1月設立

木下 和博

弁護士
Kazuhiro Kinoshita

03年弁護士登録(東京弁護士会)、八重洲総合法律事務所入所。06年東京フレックス法律事務所入所。09年同事務所パートナー弁護士。20年アジャイルプラス法律事務所設立、同事務所代表。