LAW FOR ALLを矜持として“ワンストップ”で企業と並走
弁護士法人プロテクトスタンスは、2014年に設立され、比較的若いメンバーを擁する事務所ながら、日本国内に8拠点、台湾に1拠点を構え、180社以上の顧問契約を抱える。これまでに取り扱ってきた顧問先の事業規模は東証プライム上場企業からスタートアップと幅広い。中でも、上場を目指す企業に対するコンプライアンス・ガバナンス体制構築や内部通報窓口の整備など、上場審査にまつわる相談が多いという。
「最先端を行く企業は、弁護士に対して、フットワークの軽さ、レスポンスの速さを求めます。そこにマッチするサービスを提供するよう心がけています」と、代表を務める五十部紀英弁護士は語る。
不動産からインターネット関連、医療法人など手がける業種も多岐にわたるが、「“LAW FOR ALL”が当事務所のビジョンです。“すべてのクライアントに対して、質の高くわかりやすい法律サービスと満足を提供する”という意味を込めています」と話すのは堀向良介弁護士。“助けを求めるすべてのクライアントに対して、適切なサービスを提供したい”という思いが、企業法務に限らず“必要ならば何でも受け止める”という守備範囲の広さとして表れているのも特筆すべきポイントだろう。
プロテクトスタンスグループには弁護士以外にも、公認会計士や税理士、社会保険労務士、弁理士、司法書士、行政書士といった、専門性の高い士業も在籍している。
「クライアントのニーズをワンストップサービスで受け止め、満足していただくことが目的です。私自身が“弁護士法人だけでなく、税理士法人や社労士法人を運営し、幅広いサービスを一つの事務所で提供できたら”と考えたことが、この便利な組織を作るきっかけとなりました。たとえば、別の税理士事務所との“提携”となると、相手も“先生”ですしお互い遠慮してしまいがちですが、グループ法人であれば、“すぐに会議をして検討する”といった臨機応変な動きも可能です」(五十部弁護士)。
同事務所がさらにユニークなのは、これらの別士業の役割を弁護士自身も兼務していることだ。ファイナンシャル・プランニング技能士やM&Aシニアエキスパート、事業承継シニアエキスパートの資格を持ち、通知弁護士として税理士業務をも行っている堀向弁護士は「法律家としての税法の解釈と、“対税務署”という観点からの方策を知る税理士の解釈がずれることがあります。問題が発生したときに、異なった資格の視点から多角的に見られるのは、独りよがりではない、安定的な厚みのある解釈ができ、お客様へのよりよいソリューションの提供に直結します」と、そのメリットを説明する。五十部弁護士も税理士、行政書士、社会保険労務士、弁理士を兼ねるほか、専門的なIPO支援サービスを提供するコンサルティング会社の代表取締役を務めるなど、企業活動のさまざまな領域にウイングを広げている。これも“LAW FOR ALL”の表れといえる。
根本原因にメスを入れる紛争解決力と経営者視点で導く“一歩先”の助言を
同事務所が掲げるもう一つのモットーが“法律の一歩先へ”である。「法律がまだ追いついていない分野、先進の事業、ドローンなど新しい概念が必要なもの、医療法務など精緻化が必要な分野などに、果敢に法的サービスを提供したい、常にチャレンジし続けたいというメッセージです」と堀向弁護士。“表面上の解決ではなく、紛争の根本にある原因や問題にメスを入れ、解決していきたい”という決意表明でもあるという。
「“顧客が一番求めているのは何だろう”と、クライアントとの密なコミュニケーションの中から汲み取ることを大切にしています」(堀向弁護士)。
“法律の一歩先へ”の代表的な例として、専門的なIPO支援サービスの提供が挙げられる。五十部弁護士は自らコンサルティング会社も経営しており、上場を目指す企業に対する法的な視点はもちろん、ビジネス感覚も兼ね備えたアドバイスに定評がある。スタートアップ企業では、アイディアが固まって初めて弁護士に相談したところ、“その新規事業は違法だからできない”という企業にとって不本意な結論となってしまうケースもある。こうした事態を回避するため、日々の緊密なやり取りからアンテナを張っている。「私たちは普段、顧問弁護士として雑談のような形でご相談を受けていることから、事業の構想段階から関与しているようなお付き合いが多いですね。お客様からも“堅苦しさがなく相談しやすい”と言っていただいています」(五十部弁護士)。
社外取締役や社外監査役も多数務める五十部弁護士は、その経験から広く多角的な視野を養っているのも武器の一つだ。「役員は企業経営に携わるので、“これは下手をすると紛争につながるのでは”と、予防法務的観点から経営を見ることもできますし、その会社に根ざす問題を発見することも可能です」(五十部弁護士)。社外取締役などで得た法務上の知見を、今度は顧問弁護士の業務にも活かしていく。
このように“さまざまなニーズに応える”という理念を、あらゆる経験と体制を駆使して実現している同事務所。台湾事務所を拠点とした海外法人からの依頼も増加しており、今後は北米への進出も視野に入れ、渉外法務の強化・拡大を通じてさらなる“先”を目指す。
五十部 紀英
代表弁護士
Toshihide Isobe
05年上智大学文学部卒業。07年中央大学法科大学院修了。08年弁護士登録。都内法律事務所を経て、12年前身となる個人事務所を設立。14年弁護士法人として法人化し、17年税理士法人、18年行政書士法人、スポーツマネジメント会社、社会保険労務士法人、19年弁理士法人、23年コンサルティング会社をそれぞれ設立し、代表に就任。
堀向 良介
パートナー弁護士
Ryosuke Horimukai
12年青山学院大学法学部卒業。14年早稲田大学法科大学院修了。16年弁護士登録(第一東京弁護士会)。16年弁護士法人プロテクトスタンス入所。同年福岡事務所所長。18年税理士業務開始通知(福岡国税局管轄区域)。19年パートナー就任、東京事務所勤務。20年税理士業務開始通知(東京国税局管轄区域)。