2025年1月 - Business & Law(ビジネスアンドロー)

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第1週

明けましておめでとうございます。長いお休みが嬉しいです(公開されるのは多分2月半ばぐらいで、その頃には年末年始に戻りたくなっているでしょう)。

第2週

年始最初のミーティングは、お客さまをオフィスにお迎えしてのものになりました。Paul HastingsのOlga Belosludova弁護士注1です。Olgaさん、12月下旬にLinkedIn上で私にコンタクトして下さって、その勢いでお会いすることになったのですが、プロフィールを拝見すると色々発信をされたり本を書かれたりと多方面にご活躍の模様。お話していてとても楽しかったです。3月からはアメリカのオフィスで働かれるそうで、日米の架け橋になりたいと仰っていました。
最初、LinkedInで面談のリクエストを頂いたときはちょっとびっくりしましたが、こんな感じで自らきっかけを作って外に出て自分の糧になるかもしれないものを探しに行く、その貪欲さは見習わないといけないと思いました。緊張感のある良い年明けになったなと思ってます。Olgaさん、ありがとうございました。そして、アメリカでの生活が充実した素敵なものになりますように。

第3週

メルカリでは半期に一度、メルカリのValues注2を体現している方を表彰するというイベントがあります。各Valueごとに賞が設定されており、今週はその受賞者を決定する会議がありました。

この賞の中で、法務やガバナンスといったチームにとって業務の性質上一番難易度が高いのがGo Bold賞なのですが、今回のGo Bold賞は当Legal & Governance DivisionのYukaさん注3が受賞することになりました。Yukaさんの所属するNew Reg, Tech and Regionsの生成AI・LLM利活用に関する取り組みは過去のこの日記(10月11月)でも取り上げましたが、自ら未知の分野に飛び込んで生成AIサービスを使った社内発信や業務遂行に努めるというGo Boldさに加え、利活用ガイドラインを改定したり生成AIサービス利用のワークショップ・ハッカソンを企画・運営したりするなど、Division内外にわたってメルカリの多くの方々のGo Boldなチャレンジを後押しして下さった、というのが受賞の理由です。

当Divisionは今四半期も生成AI・自動化ツールを武器とすることを目標に掲げています。取り組みを一過性のもので終わらせないよう、メンバーの身体に馴染むぐらいになるまでしつこく唱え続けるつもりなので、Yukaさんにはこれからもみんなを引っ張り続けてほしいと考えています。

第4週

アンダーソン・毛利・友常法律事務所の小島諒万弁護士注4がパートナーに就任されたお祝いの席に呼んでいただきました。小島弁護士、私の前職(Google)に出向されていた頃にご一緒したのですが、仕事は早くて丁寧、コミュニケーションもソフトでわかりやすい話をされる、と素晴らしい方です。今後ますますお忙しくなるでしょうが、末長くお付き合いさせていただきたいなと思っています。改めて、おめでとうございます。

私がご一緒したときにはもう既に小島弁護士は成長(?)されていたのですが、何年も前に当時の上司から「良い法務部員は(外部の)弁護士を育てるもんだ」というような話を伺ったのを思い出しました。確かに、「この人はすごいな」と思わせる方と仕事でご一緒すると自分が成長していくのを感じますし、それは法務部員も弁護士も同じでしょう。それだけでなく、法務部員は何より会社の目的を達成するために活動するので、外部の事務所にいても会社の状況や自分が社内で担当するプロジェクトをすぐに理解してくれたり、弁護士費用のマネージメントについて率直に意見交換できたりする弁護士を見つけ、関係を構築するのが重要です。そういう関係は一朝一夕でできるものではないので、その上司は「育てる」という表現を使われたのでしょう。

今のポジションに就いてから個別のプロジェクトについて外部の弁護士と議論することは少なくなりましたが、今年はもうちょっと現場の議論に参加して社内のメンバーと法律事務所の弁護士がどういうやり取りをしているか把握出るるようにしようと思います。そのうえで、メルカリと事務所がどう連携するのがお互いにとってやりやすいか、効果的か、考えることができれば。

 第5週

Business and Law主催の第2回 B&L CIRCLE 2025注5に参加しました。第3部の懇親会が多くの参加者でものすごく賑やかだったのに圧倒されましたが、その前に座談会形式で実施された第1部・第2部でパネリストの方々がお話されていたことも印象的でした。

法務やコンプライアンスの組織が担うことを期待される機能が年々変化・拡大していく一方でリソースは限られている、その中で何に注力するか、関連する部署とどう連携していくか、頭の中で同じようなことを考えてはいても、ほかの方の声で聞くとまた違った刺激を受けることになるので、こうした機会は積極的に活かしていこうと考えています。Business and Lawの上條さん、お招きいただきありがとうございました。

→この連載を「まとめて読む」

 

[注]
  1. ポールヘイスティングス法律事務所・外国法共同事業「弁護士等プロフィール」Olga Belosludova弁護士[]
  2. mercari careers[]
  3. 「全社員が安心してAI活用するために。メルカリグループが目指す、AIガバナンスのあり方とは」[]
  4. アンダーソン・毛利・友常法律事務所「弁護士等」小島諒万弁護士[]
  5. 第2回 B&L CIRCLE 2025【豪華ゲストが登壇】 企業法務×弁護士 立食ネットワーキングカンファレンス(特別講演付き)[]

菊池 知彦

株式会社メルカリ 執行役員 CLO

01年株式会社小松製作所入社。その後、日産自動車株式会社、三菱商事株式会社にて主に海外法務を担当。18年グーグル合同会社入社。シニアカウンセルとして個人情報保護法・電気通信事業法コンプライアンス、クラウドサービスに関する契約案件に従事。23年メルカリ参画。米国ニューヨーク州弁護士。

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