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クライアントの“文脈”を把握し直面する課題を敏感に察知

野村綜合法律事務所は、2009年の設立以来、“クライアントの真の利益を追求する”という理念のもと、上場企業グループを中心に、スタートアップ企業、プライベート・エクイティ・ファンドまで幅広い業態の企業を支援してきた。同事務所は、所属弁護士数18名(2026年1月現在)という小規模の事務所であるにもかかわらず、日本経済新聞社による「企業が選ぶ「頼りがいがある法律事務所」ランキング」において、2022年、2023年に第8位、2024年に第9位、2025年に第13位に輝いている。その理由は、同事務所が、訴訟、M&A、株主総会指導、不祥事対応を柱として、多岐にわたる企業法務案件を取り扱い、単なる法務リスクの指摘にとどまらず、クライアントの事業内容や企業文化を深く理解したうえで、経営にとって真に実効性のある解を導き出すことを強みとしているからだ。
「ビジネスモデルや企業文化が違えば、最適な法的アプローチも当然変わってきます。まずはクライアントの事業や企業文化を深く理解することが、的確なアドバイスを提供するうえで最も重要だと考えています」と池原元宏弁護士が語るとおり、顧問先企業の事業や企業文化への深い理解は同事務所が最も重視していることの一つだ。

池原 元宏 弁護士/パートナー

クライアントに対する綿密なヒアリングと日々の法律相談を通じて、経営陣の考え方や事業の方向性といった“文脈”を隅々まで理解するよう努める。加茂翔太郎弁護士が語るとおり、この顧客理解の徹底は、業務特性の理解にもつながっている。
「日頃からメーカーからITベンチャー、外資系企業まで幅広いクライアントと接し、多種多様な事案を経験することで、“この業界ではこう考える”という感覚が自然と磨かれています。クライアントに対しても“このような場面でお悩みではないですか”と寄り添った助言を行うことで、さらなるご依頼につながることも少なくありません」(加茂弁護士)。
顧問関係が長期にわたるクライアントとは、さらに深い信頼関係が築かれている。賜保宏弁護士は、平時の何気ない対話から潜在的な問題を察知する重要性についてこう述べる。
「メールで簡単な質問が来ても、“この質問の裏には、問題が隠れているのではないか”と感じたら、電話で直接お尋ねしています。定期的な打ち合わせなど、さまざまな機会を設けて、事業の動きや経営上の転機を察知することを常に意識しています」(賜弁護士)。

企業紛争対応からAI・データビジネスまで幅広い分野に対応

同事務所は、少数規模ながら、長年蓄積された経験と知見をもとに、会社法、M&A、独占禁止法、労働法、クロスボーダー取引、ファイナンス、規制法対応、知財取引・知財紛争といった、多種多様な分野でハイクオリティかつスピーディなサービスを提供している。
その中で、同事務所が注力している分野の一つが訴訟だ。同事務所は、近時増加している経営権争いや営業秘密の漏洩事案といった、高度な専門性と対応力を要する訴訟においても豊富な経験と知見を有している。徹底的な事実関係の調査・整理と精緻な法律分析に加え、判例や裁判例を網羅的にリサーチし、案件ごとの最適解へと導いている。
「訴訟で問われるのは事件のごく一部に過ぎず、紛争の根本原因は長い歴史の中で形成されたことが多いため、表面的な事象を追うだけでなく、背景事情や全体像を把握することが重要です。また、対象者のヒアリングに際しては、対象者の心情に配慮しつつも、客観的な背景から逸れないよう、本質的な部分を丁寧に聴取します。紛争となる以上は当事者双方に何らかの要因があるものです。信頼関係を築いたうえで、さまざまな角度から質問を重ね、クライアント自身が気づいていない不利な事実がないか確認することも欠かせません」(賜弁護士)。
訴訟の舵取りにおいて、経済合理性は重要な判断基準の一つだが、大澤涼弁護士は、最終的な解決においてクライアントの納得感こそが真の利益につながることもあると指摘する。
「有利な和解案に思えても、クライアントが腹落ちしていなければ、紛争の火種を残す結果になりかねません。クライアントの納得感を含めた解決策の模索が前提となります」(大澤弁護士)。
マラソンにも喩えられる長い訴訟プロセスでは、ときに不利な局面に陥ることもある。「そんなときも、冷静さを失わず、粘り強く最善の道筋を探っていきます」と、賜弁護士は語る。

賜 保宏 弁護士/パートナー

また、同事務所は、AIやデータといった発展著しいビジネス領域においても、強力なサポート体制を構築している。
高性能AIの登場により、企業がAI関連の新規事業やAIの社内利用を続々と開始している。そうした企業ニーズに応え、新規事業モデルの適法性チェックから社内体制構築まで、企業のAI活用を包括的に支援していると、加茂弁護士は語る。
「AIの社内利用においては、ガイドラインや社内規程作成支援に加え、利用方法を具体的に示すセミナーを開催し、実務レベルでの理解促進を図ることが重要です。AIを活用した事業を支援する際は、事業モデルの適法性チェックを重視し、法律の趣旨に根ざした安全な活用方法を提示します」(加茂弁護士)。
先端技術を扱う新規事業のサポートは、多様な法律が交錯する場面だが、池原弁護士は、「たとえば、市場において有力な立場にある企業同士がシステムやデータの連携を行う場合、それによって生じる独占禁止法上のリスクにも注意が必要です。こうした判断には、独占禁止法に関する日々の相談や過去の同法違反事件の対応により培われた当事務所の実務的感覚が、存分に発揮されていると感じています」と語り、この分野における同事務所のサポート能力を明らかにした。

ジェネラリストが育つ豊富な機会 幅広い法分野と自由闊達な議論

同事務所では、各弁護士が、会社法、金融商品取引法、独占禁止法、労働法、民事訴訟等の企業法務における幅広い法分野に精通したうえで、それぞれ専門分野を持っている。これに加えた少数精鋭ゆえの密な連携が、迅速な対応を支えている。ジェネラリストとしてあらゆる法分野に精通することは、顧問事務所として多様なビジネスを展開する企業を支える礎となっており、そのための育成にも力を入れている。
賜弁護士は、若手弁護士の成長を加速させるためには、自主性を重んじた指導が重要だと語る。
「一方的に正解を教えるのではなく、まずは自分で徹底的にリサーチ、検討して結論を出してもらったうえで、対面で議論しながら、共に最適解を導き出していきます。若手にも“判断”の機会を豊富に与えており、たとえばクライアントに複数の提案を行う際、クライアントの事情も勘案したうえで最善策を判断し、“当事務所としてはこの案が最善と考えます”と伝えるような、踏み込んだアドバイスをすることを徹底しています」(賜弁護士)。
制度上も、同事務所では、若手の弁護士が多種多様な分野で経験を積むことができるよう、固定のチーム制は採用しておらず、案件ごとにチームを組成している。若手弁護士が十分な成長機会を得られるよう、案件の性質や規模にもよるものの、訴訟やM&Aといったプロジェクト案件では、各々の領域で専門性を有するパートナー1名とアソシエイト2~3名でチームを組成することが多く、チーム組成の際には、各弁護士の経験や年次によるバランスにも配慮している。個々の弁護士が、パートナーや年次の異なる弁護士とチームを組成し、多種多様な案件でさまざまな経験を積み重ねることで、さらにサービスの質を高めることができるしくみとなっている。
また、こうした教育方針や制度により、若手弁護士は早い段階から主体的に案件に取り組み、総合力を高めることができる。加茂弁護士は、「若手でも、立案からクライアントに対する説明まで任せてもらえますし、フォロー体制も整っているので、失敗を恐れず挑戦できる環境があります」と、その効果を実感しているという。
実際、チーム内では、若手のアソシエイトに主体的・積極的に案件に関与する機会が提供されている。訴訟であれば準備書面、M&Aであればデュー・ディリジェンス報告書や各種契約書のファーストドラフトを担当するほか、クライアントとの間では窓口役を務め、会議や報告会では説明を担当することも多い。さらに、若手のアソシエイトが、案件の一部に限らず、案件全体に主導的に関与することによって、単なる法律論のみならず、クライアントの事業や置かれた状況を踏まえて、より広い視野を持ったリーガルサービスを提供することを考える経験を積むことができる。一方で、同僚弁護士や先輩弁護士に相談しやすい雰囲気も醸成されており、若手のアソシエイトが安心して業務に取り組める環境も整っている。これにより、若手アソシエイトも早い段階から成長を期待でき、事務所全体の強化にもつながっている。
フラットな組織文化も同事務所の特徴の一つだ。
「法的な議論においては経験や年次に関わらず、いかに建設的な意見を出せるかを重視し、全員が対等な立場で活発に議論できる雰囲気があります」(池原弁護士)。
「若手からの意見や提案が歓迎される文化なので、積極的に発言できます。少人数体制なので対面での議論がしやすく、疑問が生じた際は気軽に相談できるなど、堅苦しい会議を開かなくても知見を共有できる環境です」(大澤弁護士)。

大澤 涼 弁護士

若手からの積極的な意見や提案を歓迎する文化が根づいているのは、“すべてはクライアントのために”という意識を全員が共有しているからこそだ。
「クライアントのためにどうあるべきかを常に考え、同じ方向を向いて意見を出し合う文化があります。建設的な議論ができるので、スムーズに案件を進められます」(加茂弁護士)。

加茂 翔太郎 弁護士

この自由闊達な空気が、結果として、複雑な案件にも柔軟に対応できる“総合力”を育てている。

弁護士のキャリアプラン

野村綜合法律事務所ではこれまで、同事務所でアソシエイトとして勤務した弁護士が、徐々に経験と専門性を身につけ、しっかりと準備が整った段階でパートナーに就任するという流れをとっており、今後もこの基本的な方向性に変わりはない。アソシエイトは、先に述べたように、多種多様な案件で複数のパートナーと業務を行い、また早い段階から主体的・積極的に案件に関与するため、自然と経験や専門性を身につけられるようになっており、安心してキャリアプランを思い描くことが可能だ。事務所全体としても、このようなキャリアプランを見据えて、若手の育成に取り組んでいる。
加えて、同事務所では、希望者を対象に海外留学制度が用意されているほか、クライアント企業への出向制度も存在しており、本人の意向や特性に応じて、キャリアの充実化を図る環境も整っている。

積み重ねた信頼をもとに今後の展望を描く

このように、少数精鋭を維持しながらクライアントにさまざまなサービスを提供してきた野村綜合法律事務所だが、さらに質の高いサービスをクライアントへ提供すべく、緩やかにではあるが人員の拡充と規模拡大を志向している。クライアントのニーズに合った最善・最適なサービスを提供できるよう、若手弁護士はもちろんのこと、女性弁護士や経験弁護士など、多種多様なバックグラウンドを持つ弁護士を積極的に採用する方針だ。
池原弁護士は、「一人ひとりがジェネラリストとしての能力を身につけたうえで専門性も磨くという観点から、あえて所属弁護士の数を増やさず、時間をかけて成長を促す環境を大事にしてきました」と語りつつ、「今後は多様なバックグラウンドを持つ人材を迎え入れることで、事務所の総合力をさらに高め、クライアントへの提供価値を一層向上させていくことを目指しています」と展望を示す。

→『RECRUIT GUIDE 2026』を「まとめて読む
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主な所属弁護士会:東京弁護士会

所属弁護士等:弁護士18名(2026年1月現在)

沿革:2009年6月設立

受賞歴:企業が選ぶ「頼りがいがある法律事務所」ランキング(日本経済新聞発表)第8位(2022年、2023年)、第9位(2024年)、第13位(2025年)


お問い合わせ先nomura-sogo@n-lo.jp