国内外企業からの厚い信頼 どこまでも寄り添う“伴走力”
企業法務の総合法律事務所として、その規模を着実に拡大させ、地歩を固めてきたT&K法律事務所。設立時から、国内外を問わずグローバルなビジネス環境に置かれる企業が抱える法務の諸課題に対し、クライアントに寄り添い、まさに頼れるパートナーとして最適な解決策を提供する姿勢が高く評価されてきた。
2025年11月に設立9年を迎えたが、多くの企業から寄せられる期待に応え、厚い信頼を集める好循環が続いている。創立メンバーの一人である片岡良平弁護士は、これまでの歩みを振り返りつつ、将来を見据えて次のように語る。
「当事務所の弁護士は、パートナーをはじめ、クライアントのために皆で一丸となって最高の仕事をしようという理念を共有しています。所属弁護士が個々に優秀であっても、バラバラに互いを牽制しているようでは、力の発揮は難しいと思います。当事務所ではワンチームでクライアントのために何が最適なのかを粘り強く考え、協力して最善の結果を出そうとする姿勢が文化として根づいています。それにより、成果物の質を高めるシナジー効果の発揮のみならず、何よりも各クライアントの事情や想いに事務所全体でまっすぐに向き合えることが、上場、非上場の別を問わず、多くの企業から信頼を寄せていただける理由の一つだと思います」(片岡弁護士)。

片岡 良平 弁護士
「当事務所では、直近ですと、特にコーポレート、不正調査・危機管理、税務、競争法、国際紛争の分野の強化がますます進んでいます。各分野に卓越した経験・最先端の知見を有する元裁判官や元検事、元金融庁長官をはじめとする官公庁OB・OG、法学者が顧問・シニアカウンセルとして在籍し、それらの方々とも議論を積み重ねることで、紛争や不祥事の発生時から平時のリーガルサービスに至るまで、法務に携わる皆様に“解決型・提案型”のサポートを提供してまいります」(山本卓典弁護士)。

山本 卓典 弁護士
激動の中にある資本市場 紛争局面も見据えて複雑な利害関係を読み解く
コーポレートガバナンスの“形式から実質化へ”、企業と投資家の“対話(エンゲージメント)の促進”という観点から、金融庁は企業に対し有価証券報告書提出時期の早期化の検討を求めている。こうした企業から投資家に向けた積極的な情報開示の要請は今後も強まっていく、と葛西悠吾弁護士は分析する。
アクティビストによる日本株投資も引き続き活発だ。2025年6月の総会では株主提案も過去最多を記録した。葛西弁護士は、開示要請等に応えながら、株主等のステークホルダーとの対話によって企業価値向上を目指す上場会社もある一方、経営の自由度を高めることこそが企業価値向上に繋がるとして、株式公開買付け(TOB)や経営陣による買収(MBO)等を通じ、非公開化を目指すニーズも高まっている、と続ける。
「ステークホルダーとの関係性は、上場会社ごとに千差万別であり、多くの場合、複数の利害関係が複雑に絡み合っています。そこで、TOBやMBO等の場面では、会社を取り巻く状況を正確に把握したうえで、ステークホルダーの反応を多角的な視点から入念に分析しておくことが、ディールの成功のみならず、紛争局面をも見据えた最善の対応を導くために不可欠といえます」(葛西弁護士)。
特に、非公開化の場面では、買収者である経営陣等と一般株主との間に株価の評価に関する構造的な利益相反の問題もありうることから、時としてこれらの対立関係が強まり、裁判所における専門的な紛争に至る例も珍しくない。
「チームで徹底的な議論を重ねて、個別の事案ごとにまったく異なる難解な利害関係を解きほぐし、クライアントの立場を明快に主張していくことが、紋切り型ではなく正確な事実認定に基づく司法判断の獲得に繋がります」(葛西弁護士)。

葛西 悠吾 弁護士
不祥事案件への優れた対応力 深い分析と確かな助言を提供
近年、著名な企業が設置した第三者委員会に関する報道が連日行われるなど、企業等の不祥事の内容だけではなく、その対応の仕方への注目度がさらに高まっている。不祥事は、株主等のステークホルダーに多大な影響を与えるため、社会的影響も大きく、企業等の命運を握る事案も少なくない。
また、2020年の法改正(2022年施行)により、一定数以上の労働者を常時使用する事業者に、公益通報へ対応する体制の整備が義務づけられるなど、公益通報者保護法の制定・改正が進められてきたこともあり、公益通報を端緒とした不祥事の発覚も増えている、と瀬川哲弘弁護士は指摘する。
「公益通報を端緒とする不祥事対応では、状況の理解と迅速な対応が必要であるとともに、公益通報者が特定されないよう、あらかじめ、誰に、何を、どこまで聞いてよいかをリスト化してからヒアリングを行うなどの、緻密な情報管理が求められます」(瀬川弁護士)。

瀬川 哲弘 弁護士
同事務所は、上場企業をはじめ、大手金融機関や公的機関等における多種多様な不祥事事案に対応してきた実績があり、これらには公益通報を端緒としたものも含まれる。こうした事案においては、調査委員会等における主導的役割を担うなど、着実に経験を積み重ね、大規模案件にも対応できる体制を構築している。
「豊富な経験を活用しつつ、さまざまなバックグラウンドを持つ所内の顧問・シニアカウンセルや、所外の大学教授・弁護士との議論も行うなど、あらゆる事案で実践的かつ本質的なアプローチから各支援を行うチームアップ環境を整えています」(溜慶太弁護士)。

溜 慶太 弁護士
また、調査だけではなく、企業側の顧問弁護士や代理人として、平時におけるリスクの洗い出しやコンプライアンス体制の整備、不祥事が発生した場合の社内体制・開示・通報者への対応のサポート、再発防止策の検討やフォローアップ、監督官庁や監査法人を含む関係各所との調整、不正行為者への損害賠償請求等の紛争対応など、不祥事対応・危機管理における総合的な支援に取り組んでいることも同事務所の特徴といえよう。
税務訴訟のカギは“私法上の法律関係”の分析
経営判断を支える法務アドバイスには税務面の考慮が不可欠だ。企業間取引、投資、組織再編行為等の企業活動は、法令や監督官庁の規制に反しない限り、その実行方法には多くの選択肢がある。どの方法を採用するかを検討するうえで、それに伴う税効果を無視することはできない、と島崎伸夫弁護士は指摘する。
「新規ビジネスや、税務上の取扱いが確立していない取引等を行うにあたっては、過去の類似事例の検証や国税庁通達を解釈することで、税効果の見通しやリスクを法的な観点から分析します。この法的分析が税務を踏まえた経営判断を行ううえで極めて重要ですが、企業の財務部門と法務部門で十分な協働がされていないケースが散見されます」(島崎弁護士)。
また、税務調査対応も企業にとっては大切なポイントだ。税務当局(国税局や税務署の調査官)による税務調査の過程において見解の相違が生じた場合、調査官との間で、関係する税法とその解釈通達を巡る意見交換が行われることが多い。それでも相違点が埋まらないときは、裁判所において決着を見ることとなる。裁判所において課税処分が取り消される事例は、税法や通達の解釈・適用の誤りを理由とするものもあるが、課税の前提となる私法上の法律関係の誤りを理由とするものも多く、税務調査対応や、それに先立つタックスプランニングにおいて、この点にも着目することが大切だ、と島崎弁護士は分析する。
「裁判所においては、税務当局との相違点が民法上・商法上のどのような行為を前提としているのかを検討し、その基礎となる事実認定・証拠の評価を重視して判断します。したがって、税務上のリスクについて、裁判例の傾向を分析・検討しながら、クライアントの主張がより通りやすいプランを選択することが、税務訴訟も見据えたアドバイスの要諦といえるでしょう」(島崎弁護士)。

島崎 伸夫 弁護士
最新の法改正と公取委対応 実務を理解した“建設的な対話”
独占禁止法、下請法といったいわゆる競争法分野は年々重要性を増しつつある。その背景には、公正取引委員会等から排除措置命令や勧告を受け、公表されるなどといったペナルティを受けた場合、企業の信用の毀損、事業への影響が甚大であること、この分野における法改正とそれに伴う規制当局の運用実務の変化が速いこと、さらには、海外企業が日本に進出する場合、日本における競争法規制を十分に理解せず、適切な対応をしないまま事業展開してしまう例も少なくないことが挙げられる、と田畑早紀弁護士は分析する。
「企業結合の届出審査、事前相談や課徴金減免(リニエンシー)申請といった従来の業務に加え、個別の違反事件審査において、公正取引委員会等との間で実務を理解し建設的な対話を行うことができる弁護士が必要な時代であるといえるでしょう」(田畑弁護士)。
さらに、下請法改正により2026年1月1日付けで中小受託取引適正化法(取適法)が施行され、対象となる取引の定義に新たに従業員数基準が追加されたほか、協議を適切に行わない代金額の決定の禁止、運送委託の対象取引への追加、勧告対象の拡大など、実務に直結する複数の重要な改正が行われていることにも留意が必要だ、と田畑弁護士は警鐘を鳴らす。
「近年、公正取引委員会による勧告数は増加し、従前の下請代金の減額に対するものから、金型等無償保管、受領拒否、不当な給付内容の変更・やり直しなど、幅広い禁止行為を対象として勧告が行われるようになっており、各企業では短期間で法改正に対する喫緊の対応が求められています」(田畑弁護士)。
また、2024年11月施行の特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス法)については、その存在は認知されているものの規制内容の理解は十分に進んでおらず、施行から2025年9月までの指導件数は400件を超え、既に勧告事例も複数出ている。
「規制当局が積極的に執行を行っている姿勢が見受けられ、引き続き指導・勧告件数の増加が見込まれることから、正しい理解の下、適切な対応を行っていく必要があります」(田畑弁護士)。

田畑 早紀 弁護士
国際的案件での紛争解決条項 執行を見据えた手続や場所の選択
近年、クロスボーダーのM&Aや企業間取引は、企業規模を問わず増加傾向にある。同事務所においても、その取扱い案件の3~4割を海外案件が占めている。また、海外における裁判、仲裁その他の裁判外紛争解決手続(ADR)を含む紛争処理手続においては、日本以上にオンライン化が進んでいる。そのため自国にいながら大半の手続を進めることが可能だ。すなわち、原告(申立人)側にとって、国外の紛争処理機関に申立てを行う際のハードルは低くなってきているといえよう。そこで、日本企業としても、クロスボーダー取引にあたっては、将来的な紛争解決手段について以前に増して慎重な検討が必要となっている、と津田雄己弁護士は分析する。
「クロスボーダー取引における契約では、準拠法および管轄をどこにするか、慎重な検討が必要になります。従来型の考え方では、日本の裁判所が最善であり、それが難しければ第三国の裁判所または仲裁とすべきという、手続実施機関へのアクセスの良し悪しのみで決めてしまいがちです。しかし、ディールを契約どおりワークさせる、または被った損害を回復させるには、判決や仲裁判断の執行の容易性という観点からの検討も重要です」(津田弁護士)。
たとえば日本の裁判所で原告として勝訴しても、当該判決をもって中国で強制執行することは判決執行の相互保証等の観点から難しい。また、訴状の送達の観点では、日本の裁判所で外国企業に訴訟提起する場合、訴状の送達に長期間を要し、訴状や証拠を相手方の言語に翻訳しなければならないなどの課題もある。つまり、外国企業を相手方として、海外の財産に対する執行を確保する必要が高いのであれば、日本の裁判所ではなく、あえて中立的な第三国での仲裁や、更には相手方の国・地域の裁判所や仲裁を選択するという一歩踏み込んだ判断も検討すべき、と津田弁護士は例を挙げる。
また、海外での紛争解決手続は、日本の裁判所と比較して短期間に主張や人証を含む証拠の提出等を要求されることも少なくない。「日本の裁判手続と同様であるという思い込みは禁物であり、判決等に至るまでの手続について、訴訟・仲裁の初期段階で整理をし、十分な想像力をもって、万が一にも抜けがないように対応することが必要です」(津田弁護士)。
この点、訴訟代理人となる外国の弁護士との意思疎通が重要な課題となるが、同事務所では、国・地域の別を問わず訴訟に強みを持つ世界各地の法律事務所との連携を可能としている。企業の重要な権益がかかっている国際的な紛争の局面で、外国弁護士と協働でクライアントを力強くサポートする体制があるのは、同事務所に国内外の企業が厚い信頼を寄せる理由の一つである。

津田 雄己 弁護士
片岡 良平
弁護士
Ryohei Kataoka
02年早稲田大学法学部卒業。04年弁護士登録(第一東京弁護士会)。04~16年長島・大野・常松法律事務所。09~10年三菱商事株式会社法務部出向。11年Duke University School of Law卒業(LL.M.)。11~12年Amarchand & Mangaldas & Suresh a Shroff & Co(デリー)(現 Shardul Amarchand Mangaldas & Co)出向。12~13年インド三菱商事会社出向。16年T&K法律事務所入所。
山本 卓典
弁護士
Takunori Yamamoto
08年東京大学法学部卒業。10年東京大学大学院法学政治学研究科法曹養成専攻修了。11年弁護士登録(第一東京弁護士会)。11~22年中川・山川法律事務所。17~19年特定非営利活動法人ビュー・コミュニケーションズ監事。22年T&K法律事務所入所。24年より第一東京弁護士会国際業務委員会委員長。
葛西 悠吾
弁護士
Yugo Kasai
14年京都大学法学部卒業。16年京都大学大学院法学研究科法曹養成専攻修了。17年弁護士登録(第二東京弁護士会)。18~19年小島国際法律事務所。19~22年OMM法律事務所。22年T&K法律事務所入所。24年CFE(Certified Fraud Examiner:公認不正検査士)資格取得。25年一種証券外務員資格取得。25年神戸大学大学院法学研究科法学政治学専攻博士課程後期課程修了・博士号(法学)取得。
瀬川 哲弘
弁護士
Tetsuhiro Segawa
12年東京大学法学部卒業。14年東京大学大学院法学政治学研究科法曹養成専攻修了。15年弁護士登録(東京弁護士会)。15~17年本杉法律事務所。16~19年東京弁護士会民事介入暴力対策特別委員会。17年T&K法律事務所入所。
溜 慶太
弁護士
Keita Tamari
18年一橋大学法学部卒業。20年東京大学大学院法学政治学研究科法曹養成専攻修了。22年弁護士登録(第一東京弁護士会)、T&K法律事務所入所。
島崎 伸夫
弁護士
Nobuo Shimazaki
02年慶應義塾大学法学部法律学科卒業。03年弁護士登録(第一東京弁護士会)。03~09年長島・大野・常松法律事務所。09~11年法務省東京法務局訟務部 部付。11~13年公正取引委員会官房審決訟務室室長補佐。13~15年国税庁東京国税局調査第一部国際調査審理官。15~19年LM法律事務所。15年より税務大学校講師。19~23年TF法律事務所。19~22年信州大学非常勤講師。22年より信州大学特任教授。23年より日野市非常勤職員。23年T&K法律事務所入所。
田畑 早紀
弁護士
Saki Tabata
15年千葉大学法経学部法学科卒業。17年早稲田大学大学院法務研究科法務専攻修了。19年弁護士登録(第二東京弁護士会)。19~21年佐藤総合法律事務所。21年T&K法律事務所入所。
津田 雄己
弁護士
Yuki Tsuda
03年京都大学法学部卒業。04年弁護士登録(第一東京弁護士会)。04~12年長島・大野・常松法律事務所。09~10年Widyawan & Partners(ジャカルタ)出向。11年University of Southern California卒業(LL.M. with Entertainment Law Certificate)。13~19年Assegaf Hamzah & Partners(ジャカルタ)Rajah & Tann Asiaジャパンデスク。14年ニューヨーク州弁護士登録。14~22年JETROジャカルタ事務所法務専門家。16~18年Al Azhar大学(ジャカルタ)非常勤講師(Investment Law, Project Finance)。16年T&K法律事務所入所。