伝統的法律顧問として金融機関等の法務をサポート
「クライアントとの長期的な信頼関係を基礎に、各人がモラルをもって最良のリーガルサービスを提供する」―この理念を共有するメンバーによって設立された島田法律事務所は、2025年に設立15周年を迎える。
メーカー、商社、電力会社等、多種多様なクライアントの依頼案件を継続的に取り扱う同事務所だが、中でも金融機関からの信頼は厚い。
「メガバンクや地域金融機関に加え、信託銀行、証券会社、保険会社等、多くの金融機関の顧問を務めさせていただいています。もっとも、ファイナンスや金融規制法のような、文字どおりの“金融法務”ばかり手がけているわけではありません。株主総会への臨席や取締役会運営へのアドバイス等、ガバナンス周りのご依頼もあれば、不祥事対応・不正調査といった危機管理案件、あるいは人事部門からの労務関係のご相談もあります。顧客等との訴訟やADRで代理人を務めることも多く、顧問先が直面する法的問題には、分野・規模を問わずに広く対応しています」。こう説明するのは、複数の金融機関への出向経験もある川島亜記弁護士。“伝統的法律顧問”としての性質を色濃く残す同事務所だけに、特定分野に限定されず、ジェネラリスト的に顧問先の法務全般をサポートするという意味では、金融機関も他業種の企業も変わらないということのようだ。
そうは言っても、金融機関には規制当局との関係等もあり、独特の慣行やカルチャーがあるが、同事務所はそうしたことも熟知している。
「私もそうですが、若手のうちに金融機関の法務部門に出向している者が多く、社内の業務を直接体験したうえで、日々のご相談をお受けしていますので、金融機関の実情に応じた現実的なアドバイスができているのではないかと思います」(川島弁護士)。
専門性に裏打ちされた実効性あるソリューション
ジェネラリストを志向する島田法律事務所ではあるが、所属弁護士の各人はさまざまな経験に基づく専門性も有している。特定任期付職員として3年間、金融庁検査局で金融行政に携わった山嵜亘弁護士もその一人だ。
「当事務所には、金融庁のほか、公正取引委員会や東京国税局で任期付公務員として勤務した者もいますし、元裁判官や元検察官、少しユニークなところでは警察庁の出身者もいます。海外留学も多数の弁護士が経験していますが、皆行き先は欧米というわけでは必ずしもなく、東南アジアに行った者もおり、各人が自身の専門性を獲得しています。クライアントが弁護士に求めるのはやはり専門的なアドバイスですから、ジェネラリストとして守備範囲を広くしつつも、“この分野であれば誰より詳しい”という専門分野は一つ二つ、持たなければならないということを各人が意識しています」(山嵜弁護士)。
こうした多士済々のメンバーが集う同事務所であるが、その共通するマインドは、“クライアントに対して実効性のあるソリューションを提供する”ということにある。
「なまじ専門知識があると、リスクばかりが目につき、ともすれば“評論家”的なコメントに終始してしまいがちですが、クライアントはあくまで“ビジネスを進めるためにどうすればよいか”という悩みを解決したくて相談に来られます。ですから、リスクを的確に発見・分析するのは当然ですが、そのリスクをどのように回避し、あるいは低減するかについての“答え”まで示すことが、我々に求められる役割だと理解しています」(山嵜弁護士)。
新ビジネスの法律問題にも対応
クライアントのビジネスを法務面でサポートするうえでは、近時の急速な技術革新・デジタル化に伴って発生する最新の法律問題への対応も欠かせない。経済産業省商務情報政策局でデータ・AIやデジタルプラットフォームビジネスに関わる政策立案に携わった安平武彦弁護士は次のように語る。
「近時、金融機関でもデジタル社会の発展や業務範囲の拡大に伴い、新たな技術やビジネスに挑戦しようとしており、その関係でのご相談は急増しています。ただ、“新ビジネスの法律問題”と言っても、“伝統的な法律論について積み重ねてきた経験とクライアントのビジネスに対する深い理解をもとに実効的なソリューションを提供する”という点で、我々のすべきことは基本的に変わらないようにも思っています」(安平弁護士)。
大学発AIベンチャーの社外役員も務める安平弁護士は、自らの業務経験を活かし、スタートアップ企業等の新規顧客の開拓を進めている。伝統的な法律問題について培ってきた知見と、これを基礎とする最新の法律問題への対応、いわば“伝統的かつ先進的”なリーガルサービスを提供していること―それが島田法律事務所の強みと言えよう。
川島 亜記
弁護士
Aki Kawashima
03年東北大学法学部卒業。05年弁護士登録(第一東京弁護士会)、岩田合同法律事務所入所。10年島田法律事務所入所。メガバンクのほか、外国銀行、信託銀行への出向経験も有する。専門商社(上場)の社外役員としても活躍。
山嵜 亘
弁護士
Wataru Yamazaki
06年東京大学法学部卒業。07年弁護士登録(第一東京弁護士会)、岩田合同法律事務所入所。11年島田法律事務所入所。金融庁検査局にて特定任期付公務員としての勤務経験を有する。
安平 武彦
弁護士
Takehiko Yasuhira
05年慶應義塾大学法学部卒業。08年東京大学法科大学院卒業。09年弁護士登録(第一東京弁護士会)、岩田合同法律事務所入所。11年島田法律事務所入所。経済産業省・内閣官房で特定任期付公務員等としての勤務経験を有する。経済産業省等の研究会の有識者委員も務める。
著 者:島田邦雄[編著]、筬島裕斗志・大久保由美・吉野彰・瀧本文浩・木村和也・高田祐史・福谷賢典[著]
出版社:商事法務
価 格:5,940円(税込)
著 者:筬島裕斗志・島田邦雄・木村和也[編著]、冨岡孝幸・吉野彰・瀧本文浩[著]
出版社:商事法務
価 格:5,940円(税込)
著 者:島田法律事務所[編]、福谷賢典・山嵜亘・安平武彦・菊池眞由美・土屋奈都美・吉田みずき[著]
出版社:一般社団法人金融財政事情研究会
価 格:1,980円(税込)