本プログラムは、現役ロースクール生や司法試験受験生を対象とする五つの法律事務所共催による合同インターンシップ・プログラムだ。インターン先はいずれも、特定の専門分野に強みを持ち、案件に応じて知見を提供・共有し合いながら大手法律事務所と伍していく少数精鋭の“ブティック事務所”。生の法律実務に接しながら、多様化する弁護士資格者としてのキャリアパスを具体的に描くことのできる同プログラムの魅力を、各事務所の弁護士から座談会形式で解説いただいた。

実施の経緯や特徴

——まず、実施の経緯や他の法律事務所が開催するインターンシップと比べた特徴について教えてください。

池田毅弁護士　後輩の育成に強い情熱のある気心の知れた弁護士同士が意気投合して2021年より始まった試みです。大手法律事務所などのインターンシップは採用活動と直結することが一般的ですが、本プログラムは、事務所での実務経験を糧として、幅広いキャリアやライフスタイルのあり方を学んでいただくことを主目的としています。学生のみなさんは就職先の情報やイメージが大手に偏りがちだと思いますが、本プログラムを通して、得意分野を極めたメンバーがパートナー・アソシエイトを分かたず協同して高付加価値を創造するブティック系事務所のよさを十分ご理解いただけると思います。

米山岳弁護士　5事務所の中から希望に従って三つのプログラムを選択する方式をとっています。また、実案件を題材として取り扱いますので、例えば、顧客企業とのミーティングに同席したり、実際に交渉・締結する契約書のレビューにも取り組んでいただく機会もあります。また、インターン全体を見渡すために5事務所共通のプログラムを設け、弁護士としてのキャリアパスを幅広く議論できる機会も用意しました。

——ブティック事務所特有の多様性を肌で感じられるのも本プログラムの大きな魅力ですね。

米山岳弁護士　当事務所の所属弁護士は大手や外資の法律事務所出身者が多く、大手とブティック系事務所の長短を熟知していることから、有益なインサイトがご提供できているのではないかと思います。また当事務所の場合は事業会社やPE出身者等バックグラウンドやキャリアパスが多様であり、ともすれば単線的・同質的な大手法律事務所に比べて、多様な視点をお見せできているのではないかと思います。

飯島歩弁護士　少数精鋭のチームワークにより、リーズナブルなフィーで最高水準のクオリティのサービスを提供する。これが、合同インターンシップ・プログラム参加事務所の共通の理念だと思います。所内で弁護士と会話をすれば、経験の違いはあっても、精度に“バラツキ”がなく、全員が粒の揃った議論をしていることが感じられると思います。当事務所では、弁護士のほか、経験豊富な弁理士とも時間を共にすることができ、インターン生にとって刺激あふれる出会いとなるはずです。2022年のプログラムでは、業務時間後には肩の力を抜き、食事をしながら気さくに意見を交わすこともできました。

久保光太郎弁護士　弁護士の働き方の多様性という点では、リモートワークが標準となり、働く場所や住む場所を変えながらメンバーがワンチームで仕事することが容易になりました。ワーケーションとプライベートを上手に組み合わせた生活環境も定着してきています。また、中長期的なキャリアパスの観点でも自由度は上昇しています。昔は大手（企業法務）か独立（主として一般民事）に絞られていたところ、現在はインハウス弁護士や官公庁勤務など多くの選択肢が拡がっており、また、国内外の往来も活発化しています。ブティック系事務所もぜひキャリアパスの候補の一つに加えていただければ嬉しく思います。

2023年の開催に向けて

——本プログラムは2023年も開催予定とのことですが、どのような学生の参加を希望しますか。

永井栄一弁護士　「何が何でも大組織のプラットフォームの中で仕事をしたい」という方には合わないかもしれませんが、組織を大きく成長させる過程に加わることに興味・気概がある方にとっては非常におもしろいインターンシップとなるでしょう。加えて、「大手事務所以外を知る機会もなく、何となく大手志向ではあるが、違う考え方や働き方があるのではないか」と少しでも疑問に感じる方であれば、何かしら気付きを得るチャンスになるものと期待します。顧客企業へのアプローチ方法や提供するリーガル・サービスの内容を工夫し、大手法律事務所の品質を少数精鋭で提供している法律事務所に関心を持っていただける多くの方の参加をお待ちしています。

→『RECRUIT GUIDE 2023』を「まとめて読む」

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