大手事務所から独立開業 高品質なサービスを身近に
2025年、西村あさひ(西村あさひ法律事務所・外国法共同事業および弁護士法人西村あさひ法律事務所)のパートナー弁護士を17年務め、弁護士法人西村あさひ法律事務所福岡事務所(以下「福岡オフィス」)代表でもあった尾崎恒康弁護士が独立し、尾崎経営法律事務所を設立した。検察官・行政官としての経験を基盤に、危機管理やコンプライアンス・ガバナンス分野で実績を積んできた尾崎弁護士は、大手事務所で培った高品質なリーガルサービスを、個人事務所ならではの機動力とリーズナブルな価格で提供する。
検察庁時代は、背任・横領、贈収賄、脱税、入札談合など、企業犯罪・ホワイトカラー犯罪の捜査・公判を多く手がけ、法務省では訟務検事として国家政策の根幹に関わる重要な行政訴訟で国側指定代理人を務めた。弁護士転身後は、不適切会計、カルテル、不正競争、インサイダー取引、背任・横領など、組織不正から役員・従業員の個人不正まで、危機管理案件を数多手がけた。福岡オフィスでは、2013年7月の開設以来、主として九州・中国地方における企業・団体に対し、危機管理対応に限らず、日常的な法律相談から当該企業の命運を左右する重大案件に至るまで、事業活動に関わるビジネス法務全般をサポートしてきた。
独立の経緯について、尾崎弁護士は「福岡オフィスの立ち上げで赴任し、11年あまり代表を務めました。コロナ禍を経て、再び成長軌道に乗ってきたことを受け、“今後の発展は後進の優秀な弁護士らに委ねるのがよい”と考えるに至り、このタイミングで、新たな挑戦をすべく、独立し東京に戻ることとしました」と説明する。
個人だからこその柔軟さ 連携で多様な案件に対応
同事務所は東京・丸の内にオフィスを構える。その立地は、クライアント本社へのアクセスの容易さのほか、独立後も親交が続く九州・中国地方のクライアントが東京出張の際に立ち寄りやすいこと、全国津々浦々の案件に機動性をもって対応している尾崎弁護士自身の利便性なども考慮して決めたという。
2026年1月現在、所属は尾崎弁護士のみ。その背景について尾崎弁護士は「将来の最適な形態を模索するにあたり、まずは身軽な形でスタートしました。今後については相談状況や案件の推移等に応じ、人員増強や他事務所との連携も柔軟に検討します」と話す。
提供するサービスに関しては、“大手法律事務所に依頼するほどではないが専門性が高く信頼できる弁護士の助言を得たい”という企業のニーズを強く感じており、積極的に対応していきたいという。「ご相談いただくのは、コンプライアンス関連が大半です。多くのマンパワーや費用をかけるほどではないものの、対応を誤れば事態が悪化しかねないリスクを孕む事案は、特に私の専門性や機動力を活かせると考えています」。
企業・団体が調査委員会の設置を公表する事案はいまだ枚挙に暇がなく、企業不祥事は後を絶たない。また、当初は“小規模な調査案件”と思われていたものが実は複雑な事案であるケースも少なくないという。尾崎弁護士は、調査のみならず、株主・取引先・消費者などのステークホルダーや当局・メディアへの各対応、関係者の責任追及、再発防止策の構築など、初動から事案収束に至るまで、豊富な知見・経験を有し、一気通貫で実践的なサポートが可能だ。「初動で適切な判断ができれば、その後の対応や事案収束がスムーズです。外部の弁護士や法律事務所とのコネクションも築いており、大規模あるいは複雑な危機管理案件などの場合でも、速やかに最適なチームを組成します」。
連携に際しては案件の内容・性質を重視する。相談分野を限定しない姿勢も明確だ。「訴訟紛争、M&A、労務、知財、税務などさまざまなビジネス法務を扱ってきた経験から、ご相談いただく分野を危機管理案件に限定する必要はありません。もちろん、案件の性質等に応じて、その分野に強みを持つ弁護士らの協力が必要な場合はありますので、これらの専門家と協働すべきと判断した場合には、適切に連携しつつ対応します」。

尾崎 恒康 弁護士
ホームロイヤーとして企業・経営者に寄り添いたい
独立を機に、尾崎弁護士が強化したいと考えている取り組みの一つが顧問業務だ。「前職では、コンフリクトの問題もあり、顧問契約の獲得には抑制的にならざるを得ない面がありましたが、これからは、クライアントとの強固な信頼関係のもと、日常的に生じるさまざまな事業活動上の法的問題の解決を継続的にサポートする業務にも一層注力したいと考えています。何か困ったときに気軽に電話やメールで相談できる、企業や団体の“ホームドクター”のような存在として、頼られる“ホームロイヤー”の役割を果たしたいですね」。
経営者個人の相談相手としての役割にも関心を寄せているという。「経営者の皆様は、経営の舵取りの過程で日々さまざまな問題に直面し、判断に悩まれることも少なくないと思います。そういったときに頼りになる身近な相談相手として、経営者個人に寄り添う経営法務アドバイザーのような役割も果たしたいとも考えており、そのようなご依頼も歓迎しています」。
尾崎 恒康
弁護士
Tsuneyasu Ozaki
94年東京大学法学部卒業。96年検事任官。99~00年東京地方検察庁特別捜査部。03~04年法務省大臣官房訟務部門行政訟務課付。04~05年総務省行政管理局企画調整課行政手続室課長補佐。05年検事退官、弁護士登録、西村ときわ法律事務所(現 西村あさひ法律事務所・外国法共同事業)入所。08年パートナー就任。13~24年弁護士法人西村あさひ法律事務所福岡事務所代表。14年~東ソー株式会社社外監査役。19~23年セルソース株式会社社外監査役、23年~同社社外取締役(監査等委員)。25年尾崎経営法律事務所開設、同年~株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイド社外取締役(監査等委員)、株式会社Workthy社外監査役。東京弁護士会所属。