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個々の能力向上と密な共有でM&Aの質とスピードの両立を

潮見坂綜合法律事務所は“クライアントの最善の利益の実現”を理念として掲げ、24名という規模ながら、国内外の訴訟、知的財産権・IT、M&A、人事労務など、大規模事務所に匹敵する幅広い分野を取り扱う。近年は、クライアントからの依頼急増に伴い、新人・中堅弁護士の採用にも力を入れ、バランスのよい世代構成を実現し、事務所の持続的な成長と拡大の基盤を構築しつつある。
同事務所の主要プラクティスの一角を担うのがM&Aだ。大規模事務所ではM&A案件を扱う場合、多くの弁護士を投入し分業的に進めるのに対し、同事務所の特徴は、少数精鋭のチームを組成し、各弁護士が最初から最後まで一気通貫で携わっていくというスタイルにある。
「複数案件を経験することで柔軟なアイデアを生み出せるようになります。また、案件の途中で紛争になることもあれば、知的財産や人事労務が絡んでくる場面もあります。その際は各専門の弁護士に相談しながら最適なスキームを描いていきます」(後藤高志弁護士)。
同事務所では、全体の質とスピードの両立を目指し、四半期に1回の頻度でM&A案件に関する情報共有の場を設定し、契約書などの書式類についても知恵を結集してアップデートしていくという。この議論と情報共有により、“案件にとって本当に必要なものは何か”という目利きが備わり、より適切な判断、効率的なアプローチが可能になると、後藤弁護士は語る。
M&Aに加え、MBOなど、上場会社の非公開化案件における特別委員やリーガルアドバイザーに指名され、難しい判断を迫られるケースも増えている。上場廃止などの場合、役員としての身分に関わることがあるため、後藤弁護士は「サプライズとならぬよう、早い段階で丁寧な説明を心がけるべきです」と指摘する。

後藤 高志 弁護士

専門性の高い係争事案を勝利に導く綿密な準備と想像力

もう一つ、同事務所が精力的に取り組んでいるのが、企業間の紛争の中でも高い専門性が求められる係争・訴訟事案(M&A、知的財産、システム開発、人事労務、独禁法、会社倒産に関する紛争など)である。
「訴訟については、各弁護士の専門性を活かして柔軟にチームを編成します。その際、留意するのは“クライアントに余計なコストをかけさせないこと”です。小回りの利く人数で、かつ、サービスの質を確保することを重視しています」(浅田登志雄弁護士)。
同事務所の入口に掲示されている各弁護士のネームプレートには、“パートナー”や“アソシエイト”といった肩書の記載はない。これは“フラットな意見交換”を掲げる同事務所の矜持の表れである。
「訴訟で重要なことは、“労を惜しまない綿密な準備”です。弁護士間での協議の時間をできうる限り多く持ち、皆でアイデアを出し合い、考え抜きながら戦略を練っていきます」(浅田弁護士)。
加えて、浅田弁護士が重視しているのが“想像力”だ。クライアントの提供資料や情報だけに頼るのではなく、さらに深掘りする姿勢が肝要となる。
「経験に基づき想像力を働かせてヒアリングすることで、クライアントに新たな気づきをもたらすことができますし、隠れていた重要な資料や情報を得られることもあります。これは訴訟だけではなく、企業不祥事に関する調査・相談事案、コンプライアンス・危機管理でも有効な手法ですね」(浅田弁護士)。
同事務所では株主代表訴訟など役職員の行為の適法性が争われる訴訟も多数受任し、社外取締役を務める弁護士も多い。同事務所の弁護士たちは、訴訟で培った手法を駆使して企業のさらなる発展に寄与している。

浅田 登志雄 弁護士

自由闊達な風土が育む次世代の発想力と多角的視座

同事務所の持続的な成長と拡大に不可欠なのが若手弁護士の成長・活躍だ。
「元裁判官、外資系事務所や特許庁での勤務経験のある弁護士など、多様なバックグラウンドのある若手が揃ってきました。皆で切磋琢磨することで、日々向上に勤しんでいます」と碓井允揮弁護士は語る。2年間の米国での留学を終えて2025年8月に同事務所に復帰した碓井弁護士は、留学での知見を活かし、海外進出のサポートにも注力している。
大手事務所では、特定の分野に従事し専門性を高めていくケースが多いが、同事務所では、若手弁護士は複数分野で案件に携わり、初年度から主任を務め、先輩弁護士と合議をしながら経験を積む。
「さまざまな分野の案件に関与して幅広い経験を積むことができましたが、分野を絞って同種案件の経験を積み重ねる形と比べると、最初のうちは成長の手応えが得にくく、悩むこともありました。しかし、蓄積が身についてくることによって、今では同世代の他の弁護士よりも多角的な視座を持てるようになっていると自負しています。たとえば、特許訴訟では、一つの明細書の一つの文言の解釈を精緻かつ徹底的に考えますが、M&Aでは会社ごとの潜在的なリーガルリスクの順位づけや調査の時間配分などのバランス感覚が大切となるなど、分野によって思考方法も異なります。また、個人情報保護の案件では、対応が後回しになりがちな分野ですので、企業ご担当者に負担感を与えないようにサポートする“進め方”の検討も重要です」(碓井弁護士)。
優秀な人財を育む源泉、それは“クライアントに最も有益な意見を出すことに最も意義がある”という考え方のもと、役職の区別や年次を問わず、積極的に異なる意見も述べることができる同事務所の自由闊達な風土にあるといえよう。

碓井 允揮 弁護士

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 DATA 

ウェブサイトhttps://www.szlaw.jp/

所在地・連絡先
〒100-0011 東京都千代田区内幸町1-2-2 日比谷ダイビル6階
【TEL】03-3596-7300(代表) 【FAX】03-3596-7330


所属弁護士等:弁護士24名(2025年12月現在)

取扱分野:国内外の訴訟、知的財産権・IT、M&A、人事労務などの幅広い分野において、紛争解決から予防法務まで国内外の企業法務を中心としてさまざまな案件を広く取り扱う。

後藤 高志

弁護士
Takashi Goto

02年司法試験合格。03年東京大学法学部卒業。04年弁護士登録(第二東京弁護士会)、森・濱田松本法律事務所入所。08年末吉綜合法律事務所(現 潮見坂綜合法律事務所)入所。

浅田 登志雄

弁護士
Toshio Asada

05年東京大学法学部卒業。06年弁護士登録(第二東京弁護士会)、三宅坂総合法律事務所入所。16年霞門綜合法律事務所(現 潮見坂綜合法律事務所)開設。

碓井 允揮

弁護士
Mitsuki Usui

16年慶應義塾大学法科大学院修了。17年弁護士登録(第二東京弁護士会)。18年潮見坂綜合法律事務所入所。24年Duke University School of Law修了(LL.M.)。24~25年Smith, Gambrell & Russell, LLP(Atlanta, New York)で執務。25年ニューヨーク州弁護士登録。

『監査等委員会設置会社のベストプラクティスQ&A』

著 者:須崎利泰・鈴木正人・三谷革司・渡邉和之[著]
出版社:商事法務
価 格:4,950円(税込)

『放送コンテンツ海外展開ハンドブック―企画、販売、契約の基礎と実践』

著 者:君嶋由紀子・藤本知哉[著]
出版社:中央経済社
価 格:3,080円(税込)

『担保の基礎と実務Q&A』

著 者:第二東京弁護士会倒産法研究会[編]
(共著者として河西一実が執筆に参加)
出版社:一般社団法人金融財政事情研究会
価 格:5,500円(税込)