三浦法律事務所 - Business & Law(ビジネスアンドロー)

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依頼に応じて最適なチームを組成 クライアントの多様なニーズに応える

三浦法律事務所は2019年の設立以来、“Full Coverage & Top Qualityの実現”と“Diversity & Inclusionの実践”という揺るぎないコアバリューを掲げ、質の高いリーガルサービスの提供を追求してきた。
同事務所はこの“Full Coverage”と“Top Quality”を両立すべく案件ごとにテーラーメイドで最適な専門家チームを組成するため、クライアントニーズに沿った対応が可能となる。国内案件から国際案件まで、また、スタートアップから上場企業に至るまで、多様なクライアントのあらゆる法的ニーズに応える事務所へと成長を続けている。
同事務所の所属弁護士は、設立からわずか5年間で約30名から100名超と、3倍以上に増加した。この急成長はアジアで唯一「ALB Fast 30:Asia's Fastest Growing Firms」に4年連続で選出されていることにも表れている。同事務所の躍進を支えているのは、幅広い分野の案件に対して高品質な対応を可能にする優秀な人材である。
「法律事務所は人がすべてと言っても過言ではない」と語るのは、設立メンバーでもある緑川芳江弁護士だ。同事務所は“弁護士業務の根幹は人である”という考えに基づき、多様なバックグラウンドを持つ人材を積極的に採用している。コアバリューである“Diversity & Inclusionの実践”を推進することで、さまざまな専門性と視点から物事を捉え、よりよい解決策を導き出すことを重視している。
この点は“Full Coverage”を実現し続けるためにも重要だ。「ビジネスローに関する領域は日々変化しており、“Full Coverage”を実現し続けるためには、ビジネスの動向に敏感になり、新領域を見出してカバーしていく必要があります」(緑川弁護士)。

緑川 芳江 弁護士

国際紛争解決分野の体制を強化 日本企業の国際仲裁活用を支援

日本企業がグローバル化するにつれ、紛争リスクも増大している。国際取引だけでなく、M&A、建設プロジェクトなどをめぐる紛争は増加傾向にあり、国際紛争への対応は海外事業継続のために不可欠な要素だ。
「事業内容に応じて発生しうる紛争類型を見据えたうえで、適切な紛争解決の方法を選択し、紛争発生時には迅速な対応を行うことが重要です」と指摘する緑川弁護士は、国際紛争対応に豊富な経験を有する。国内の大手法律事務所にて、当時の日本では数少ない国際仲裁案件における日本企業の代理人を務めたことがきっかけとなり、シンガポールの大手法律事務所での勤務も含め、国際仲裁、国際訴訟、投資仲裁など数多くの紛争案件で実務経験を積んできた。三浦法律事務所設立にあたっては、クライアントが紛争に直面した際、国内訴訟であれ、海外での訴訟や国際仲裁であれ対応できるアドバイザーとなることを目指し、紛争発生前の紛争解決手段の選択から紛争発生後の交渉、海外訴訟、国際仲裁など、紛争解決におけるあらゆる場面でクライアントをサポートしている。そのような国際紛争案件の対応には、紛争解決の専門性に加えて、高い語学力と国際感覚も必要だ。
「国際紛争解決の手続では、多言語でのコミュニケーションが基本となります。また、海外の商慣習や法制度、文化の違いなどを理解したうえで紛争対応の戦略を立案する必要があります。その点、中国の法曹資格を持ち、20年近く日本で勤務する趙唯佳外国法弁護士は、両国の言語・文化・ビジネスに深く通じており、日本企業にとって心強い存在です」(緑川弁護士)。
趙外国法弁護士は、同事務所設立前、国内の大手法律事務所において幅広い中国関連案件を担当。日・英・中の3言語に堪能で、M&A案件、景品表示法対応、独占禁止法対応、知的財産、紛争解決など、中国関連であれば分野を問わずアドバイスを提供してきた。M&A案件では、日本企業の中国子会社を対象とするデューデリジェンス(以下「DD」)から契約交渉やクロージングサポートまで、プロジェクトを全体的にサポートする経験も有する。2018年に改正された中国独占禁止法への対応においては、事業者集中届出書類の作成・提出も行うなど、その知見は幅広い。三浦法律事務所に参画してからは、アジアを中心とした国際紛争案件に主に従事する。
「以前は、アジアでのクロスボーダー案件と言っても中国と日本の2国間のものが中心でした。しかし、最近は、アジアの第三国が関わるなど、当事者が多国籍企業であるケースが増えています。たとえば、日本企業のベトナム子会社がトラブルに巻き込まれた場合、日本の本社、ベトナム子会社、そして相手方の意見を調整する必要があります。なお、ベトナムの法律は中国の法律とやや似ている部分があるため、日本と中国の両国を熟知する私たちの知識や経験を存分に活かすことができると感じています」(趙外国法弁護士)。

趙 唯佳 外国法弁護士(中国)

趙外国法弁護士のように専門知識・経験、語学力、国際感覚を兼ね備えた弁護士は、国内では依然として少ないという。特に解決方法の一つである仲裁は、専門性の高さから対応できる事務所は限定的だ。
「国際仲裁は専門性の高い分野であるため、これまで対応できるのは国際的な法律事務所などに限られていました。自社の弁護士とのやり取りが英語であるため、十分な議論をしたうえで意思決定をすることが難しいという悩みを聞くこともあり、日本の法制度、商慣習、日本語を理解する日系法律事務所が日系企業を支援できるようになれば、より多くの企業が安心して国際仲裁手続に踏み出せるのではないかと考えています」(緑川弁護士)。
同事務所には国際仲裁を中心に企業合併、合弁事業、ライセンス契約、代理店契約など国際紛争案件の実績を豊富に有する小枝未優弁護士が2024年7月に参画した。小枝弁護士は国内の大手法律事務所において外国法弁護士等とチームを組成し、国際案件を多数経験。国際会議への参加、海外法律事務所とのネットワーク構築などにも尽力してきた。三浦法律事務所への参画の背景には「国際仲裁の活用をより一層促進していきたい」という願いがある。
「国際仲裁は専門性が高く、費用も高額になりがちです。費用倒れを懸念して依頼を諦めざるを得ない企業や、コンフリクトの問題で大手事務所に依頼できない企業も見てきました。そのような状況を変えたい、国際仲裁活用の裾野を広げたいという思いがありました」(小枝弁護士)。
国際紛争解決の領域については、2024年11月に国内外の法律事務所や国連で経験を積んだ田中太郎弁護士も参画し、さらに体制が強化されている。

小枝 未優 弁護士

紛争解決の戦略的な対応を支援 手続選択から費用管理までアドバイス

同事務所に持ち込まれる国際紛争案件には大規模建設プロジェクトの最中に生じた紛争、JV(ジョイントベンチャー)やM&A関連の紛争、一般的な契約をめぐる紛争などさまざまだが、紛争発生に備えて紛争解決手続が適切に選択されていない場合や手続費用がネックになる場合もある。同事務所では適切な紛争解決手段の選択段階における助言や手続費用のコントロールなど、紛争解決手続に関するあらゆる場面での支援を行っている。
手続費用については、近時注目が集まりつつある“訴訟ファンド”についても知見を有し、その活用も支援する。“訴訟ファンド”とは、訴訟や仲裁に必要な費用を立て替える第三者機関のことである。
「日本の訴訟では基本的に弁護士費用は請求できませんが、仲裁の場合には、相手方に弁護士費用なども請求できる“コストアワード”のしくみがありますので、最終的には弁護士費用も回収することが期待できます。さらに、訴訟ファンドを活用することで、仲裁手続中も手元資金を用いることなく手続を進めることができます」(緑川弁護士)。
しかし、日本においては、訴訟ファンドのしくみやメリットはそれほど知られていない。「訴訟ファンドという選択肢があることを、もっと多くの企業に知ってほしい」と語る緑川弁護士は、10年前に勤務先のシンガポールで訴訟ファンドの合法化に関する議論を目の当たりにし、日本でもいずれ活用されるようになると確信したという。「日本企業が数百億円規模の大きな紛争を抱えた場合、弁護士費用も高額になることがありますが、訴訟ファンドを活用することで、キャッシュフローを保ったまま対応することが可能です」(緑川弁護士)。
また、同事務所は、紛争発生前の予防法務や紛争発生後の対応方針の立案など戦略面のアドバイスにも力を入れており、取締役会での意思決定支援を行うこともある。「さまざまな国の弁護士と話す中で、日本では取締役会に法務部長がいない企業があるということに驚かれます。弁護士や社外取締役の立場でいろいろな企業の取締役会に参加する機会がありますが、紛争対応方針決定の場面を含め、取締役会において法務部長の視点が提供されることが当たり前になると、さらに効果的な意思決定が可能になるのではないでしょうか」(緑川弁護士)。

法務・税務・財務一体をワンストップで支援 アジア新興国に密なサポートを

日本企業が活発に進出するアジア市場には多様な文化、法制度、商慣習が混在し、多くの企業が進出・拡大における課題を抱えている。この課題に併走するため、三浦法律事務所はベトナムオフィスを設立。また、外資規制上、日本資本のオフィスを設立することができないインドネシアにおいては、「NARA Law in association with Miura & Partners」として現地法律事務所と提携し、拠点を構えている。また、今後はタイにもオフィスの設立を予定している。
「アジア市場は、日本や欧米とはまったく異なる特性を持っています。だからこそ、現地に根ざしたサポート体制が必要なのです」と語る井上諒一弁護士は、日本の大手法律事務所において中国とインドネシアの駐在経験を重ねたアジアビジネスのエキスパートだ。井上弁護士は三浦法律事務所参画後、2021年に他2名のファウンダーとともに「M&Pアジア株式会社」(以下「M&Pアジア」)を設立し、CEOを務めている。
M&Pアジアはアジア新興国に特化した総合コンサルティングファームで、日本企業のアジア新興国進出を支援するため、三浦法律事務所と協働して、法務、税務、財務、許認可、人事労務領域におけるワンストップソリューションを提供している。「駐在中に多くの日本企業が、法務、税務、財務の専門家の連携不足に悩んでいるのを目の当たりにしました。日本では3分野それぞれに専門事務所があり、企業が使い分けることが一般的ですが、アジア新興国ではこの領域が未分化で混沌としていることも多くあります。現地での“専門家のたらい回し”のような状況を避け、ワンストップでアドバイスを提供できる体制が必要だと感じていました」(井上弁護士)。
M&Pアジアはインドネシアとベトナムに拠点を構え、日本人コンサルタントと現地の弁護士、税理士、会計士などが協働している。定期的なミーティングで情報共有を行い、常に連携を取りながら、クライアントに最適なソリューションを提供する。
たとえばM&A案件では、三浦法律事務所が法務DDや契約書作成・交渉、クロージングサポートを行い、M&Pアジアが税務・財務DD、バリュエーション、Pre-PPA(プレ・パーチェス・プライス・アロケーション)を担当。そのうえで一元化してアドバイスを提供する。「法務DDで発見された問題点を、財務DDの結果と照らし合わせることで、実際には大きなリスクではないと判断できる場合もあります。3分野の知見を統合することで、初めて正確なリスク評価が可能になるのです。M&Aは企業にとって重要な戦略的意思決定です。私たちはクライアントの負担を軽減し、迅速な意思決定を支援して、クロージングまでをスムーズに進められるようにサポートします」(井上弁護士)。
三浦法律事務所とM&Pアジアは不正調査の対応も行っている。アジア新興国ではコンプライアンスの浸透がいまだ途上であるため、進出において現地企業の役職員の不正が発覚するリスクが高い。特に金銭にかかる不正が多く、横領等が発覚した場合には、法務・財務の知見が必要になる。「M&Pアジアが現地の会計士・税理士と協働し、銀行の取引明細や支払いに関する証拠収集などの会計財務調査を行ったうえで三浦法律事務所の弁護士が証拠を評価し、法的構成を組み立てます」(井上弁護士)。
このように、同事務所は高品質なリーガルサービスをワンストップで提供し、変化の激しい現代においてクライアントのビジネスを力強く支えている。今後の人員・組織の拡大等によりその体制はさらに強化していく予定だ。

井上 諒一 弁護士

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 DATA 

ウェブサイトhttps://www.miura-partners.com/

所在地・連絡先
〒100-0004 東京都千代田区大手町1-5-1 大手町ファーストスクエアイーストタワー3階
【TEL】03-6270-3500(代表)


所属弁護士等:弁護士104名(日本法弁護士95名、外国法弁護士9名)(2024年11月現在)

沿革:2019年1月設立

受賞歴:Chambers、IFLR1000、The Legal 500、asialaw等の複数の外部格付け機関から高い評価を獲得

緑川 芳江

弁護士
Yoshie Midorikawa

06年東京大学法科大学院修了。07年弁護士登録(第二東京弁護士会)。08年森・濱田松本法律事務所入所。14年Columbia Law School修了(LL.M.)。15年ニューヨーク州弁護士登録。19年三浦法律事務所設立時パートナー。一般社団法人日本商事仲裁協会、タイ仲裁センター、上海仲裁委員会仲裁人、ムンバイ国際仲裁センター理事。紛争解決分野でThe Legal 500 Asia Pacific 2024 Next Generation Partner、ALB Japan Law Awards 2024 Dispute Resolution Lawyer of the Year Finalist等に選出。

趙 唯佳

外国法弁護士(中国)
Weijia Zhao

01年上海外国語大学日本語文化経済学院卒業。その後、大手商社の中国子会社にて勤務。07年慶應義塾大学大学院法学研究科修了、中華人民共和国法律職業資格取得、森・濱田松本法律事務所入所。19年三浦法律事務所入所。著作『現地の専門家が教える海外子会社管理実務の基礎と応用――ビジネス・法務・会計・税務の観点から』(中央経済社)

小枝 未優

弁護士
Mihiro Koeda

13年一橋大学法学部卒業。15年東京大学法科大学院修了。16年弁護士登録(第二東京弁護士会)、西村あさひ法律事務所入所。18~24年環太平洋法曹協会第32回年次東京大会組織委員会。19年香港国際仲裁センター仲裁人補助者研修プログラム修了。20~24年一般社団法人日本国際紛争解決センター事務局次長、ウェブ審問等検討部会委員。24年三浦法律事務所入所。日本仲裁人協会会員。環太平洋法曹協会会員。英国仲裁人協会会員。ムンバイ国際仲裁センターYoung MCIA運営委員会委員。

井上 諒一

弁護士
Ryoichi Inoue

13年慶應義塾大学法学部卒業。14年弁護士登録(第二東京弁護士会)。15年森・濱田松本法律事務所入所。17年同北京オフィス駐在。18年同ジャカルタデスク(AKSET Law)常駐。20年三浦法律事務所入所。21年コロンビア大学ロースクール修了(LL.M.)、M&Pアジア株式会社CEO就任。

『現地の専門家が教える海外子会社管理実務の基礎と応用―ビジネス・法務・会計・税務の観点から』

著 者:井上諒一[編著]、渡邉雄太・樽田貫人・金尾成信・渥美雅之・冨田真洋・趙唯佳・坂尾佑平・井上隆志・八木謙一・藏田知彦・濱田幸子・小南祐馬・安藤秋穂[著]
出版社:中央経済社
価 格:3,080円(税込)

『手続概要と実務のポイントがわかる クロスボーダーM&Aのプロセスと法務』

著 者:村田晴香[著]
出版社:中央経済社
価 格:3,300円(税込)

『ストーリーでわかる 起業家のためのリスク&法律入門―致命的な失敗を避けるための26話』

著 者:下平将人・尾西祥平[著]
出版社:ダイヤモンド社
価 格:2,860円(税込)