Lawyers Guide 企業がえらぶ、法務重要課題 2024
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池田氏 Disclosure Scheduleを添付して、その後クロージングまでにアップデートをする場合があるかと思いますが、ここに地域差などはありますか。石田弁護士 米国の方が、サイニング後もDisclosure Scheduleによって表明保証の内容をアップデートすることが許容されるケースが比較的多いように思います。これにはM&Aのクロージングのメカニズムや考え方の違いの影響があると思います。欧州や英国は、“契約を締結した時点(厳密にはLocked Box Date)で買主側に会社の実質的なリスクが移るべき”という思想に基づく、いわゆる“Locked Box方式”がとられることが多いですが、他方、米国型は、“Completion Accounts(Closing Adjustment)”という、“クロージング時に会社のリスクが移り、買収価格もクロージング後に調整する”という考え方です。ただし、たとえば英国では近年Completion Accountも増え始めており、こういった各国のトレンドをタイムリーに把握できるのが、米国、英国だけではなく世界中に拠点を有するグローバルファームである当事務所の強みかもしれません。54地域によって思想が異なるM&Aのフレームワーク池田氏 当社、双日株式会社は総合商社として幅広くビジネスを行っており、私はエネルギーや資源部門のM&Aやプロジェクト開発、トレーディング取引等々に関与しています。投資先は米国、EU、アジアパシフィック、中東などさまざまなのですが、地域により契約交渉の前提となるフレームワークやプラクティスが異なります。特に株式取得契約の基本的な条項にも多くのバリエーションがあり、ドラフティングの作業にも影響を及ぼすため、地域ごとの違い等を教えていただきたく思っています。石田弁護士 一般的に、米国のM&Aの契約では買主有利な条項が多いのですが、欧州では逆であり、その思想の違いが各条項に表れています。たとえば米国の実務では、売主として表明保証違反の責任を負いたくない事項については、SPA(株式譲渡契約書)に添付するDisclosure Scheduleに明記することが一般的です。他方、欧州の実務では、Disclosure Letterに明記されていなかったとしても、VDR(バーチャルデータルーム)等の他の形で開示されている場合には、表明保証の対象外であると整理されることがよくあります。また英国では、Disclosure Letterとして、種々の開示事項についてSPAとは別に都度交付されることも多いです。M&A対談アーンアウト条項の活用状況と利用の際の注意点双日株式会社池田順一海外M&Aの基本と最新動向ローカルの習慣を反映した契約実務のトレンドディーエルエイ・パイパー東京パートナーシップ外国法共同事業法律事務所石田雅彦

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