Lawyers Guide 企業がえらぶ、法務重要課題 2024
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Q&Aションなど問題を複合的に考慮しながら、法的論点の検討を重ねる必要があります。著作権はその“数あるトピックのうちの一つ”という位置づけですね」(大石弁護士)。 現在の日本や世界のAIに関する議論は、不確かな点が多いことを踏まえたうえで、一定の考え方が示されたものといえる。 「AI活用によるビジネスの模索は、当初は獣道を進むようなものです。既存の規制やガイドラインを踏まえるだけでは必ずしも十分ではありません。想定される事業設計を取りまとめたうえで、その都度弁護士をはじめとする外部専門家に質問・相談することが望ましいと思います。先端的に取り組んでいる企業では、AI規制に対応する専門的な組織体制を整え、リスクを低減しつつベネフィットを最大化できるよう検討を進めています」(大石弁護士)。40議論・検討が進む規制多業種で模索する活用法 深層学習や機械学習の手法を駆使してデジタルコンテンツを自動で生成するAIをビジネスに活用する機運は日々高まっている。日本ではガイドラインが策定され、各国もAIについての法規制の整備に向けた議論が進む。 「広く知られる画像生成のほかにも、空き駐車場を見つけるサービスや消費者の適正な服のサイズを提案するサービスなど、AIの活用はIT・エンタメなど知的財産に関心の高い企業のみならず、さまざまな業種で検討が広がっています。このため、それぞれの使用方法について個別の論点があり、ご相談も多岐にわたっています」と語るのは、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の大石裕太弁護士(パートナー)だ。大石弁護士は知財訴訟をはじめ、無形財産やデータ技術分野、法と最先端技術が交錯する案件に関する法的アドバイスなどをこれまで手がけてきた。 「AI技術自体は今後も発展が見込まれるため、それを活用したサービスに対してどのような課題があるかは、技術とビジネスが具体化してみなければわかりません。ビジネスを展開する分野の規制、AIが生み出すバイアスやハレー著作権が認められる条件と留意すべき生成AIの著作権侵害 生成AIによる成果物の著作物性については、文化審議会が2024年3月に「AIと著作権に関する考え方について」知的財産読者からの質問に答える!生成AIの著作権ビジネスのための基礎とグローバルの動向アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業大石裕太

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