連絡先福本 洋一 弁護士れるかです。適法か否かという観点ではなく、顧客を含めた社会から“情報を勝手に利用された”と受け取られないように、自己情報のコントロールに対して配慮した仕組みを考えなければなりません。このように新たなサービスの設計時にELSI対応の観点から取り組む企業も既に多く、“このデータ利用は時流に適合していますか”とご相談いただく事例も多いですね」(福本弁護士)。福本 洋一Yoichi Fukumoto99年同志社大学法学部卒業。02年同志社大学大学院法学研究科前期課程修了。03年弁護士登録(大阪弁護士会)、第一法律事務所入所。システム監査技術者。日本システム監査人協会理事。「2025年日本国際博覧会入場券販売関連システムサービス提供業務委託」事業予定者選定委員会委員。著書に『「個人データ」ビジネス利用の極意』(商事法務、2021年)ほか。大阪事務所 〒530-0005 大阪府大阪市北区中之島2-2-7 中之島セントラルタワー24階 TEL:06-6227-1951(代表)東京事務所 〒100-0006 東京都千代田区有楽町1-7-1 有楽町電気ビル南館6階 TEL:03-5252-7022(代表)URL:http://www.daiichi-law.jp/上田 悠人 弁護士方で、インフルエンサーによる発信がステルスマーケティング等として炎上させないための対処や発信内容の管理が現場では問題となっており、それらに関する契約等も重要になっています。インフルエンサーについては、広告と感想の境界が曖昧である点が問題視されており、企業が発信内容に関与するPRについては、広告として景表法で規制される場合があり、広告規制の枠組みに準じて契約で対応すべき点が大きく変わっています」(上田弁護士)。「情報の分野において法務の果たす役割はもはや“適法か違法か”の確認にとどまらなくなりました。リスク管理においては、法規制、枠組みを参考に“いかに社会に受け入れてもらえるように取り組むか”という視点が重要になっています。その点では、弁護士の活用の面でも、法的課題に限らず、ELSIへの取り組みの強化などについてもご相談いただきたいと思っています」(福本弁護士)。上田 悠人Hisato Ueda11年京都大学法学部卒業。14年同大学大学院修了。15年弁護士登録(大阪弁護士会)、第一法律事務所入所。情報法案件のほか、コンプライアンス関連のアドバイスやセミナーを実施。共著に『Q&A 会社のトラブル解決の手引』(新日本法規出版、2021年)がある。35法務の役割は“法令順守”から“法的手段による良いサービスの創造”へ「若年層は、商品を購入する際にオンライン検索して自分で商品を探すよりも、SNS等でフォローするユーザが薦める商品を購入する傾向があります。この時流の中では、インフルエンサーを活用した“プッシュ型”のマーケティングが有効です。要は、オンライン上の情報は信用できず、広告にも誰が発信しているかというソースの信用性が重要となっているのです。一Profile
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