Lawyers Guide 2025
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M&Aとデジタル規制のグローバル対応で大きな成果フランクフルト&デュッセルドルフ事務所グローバル規制対応の要アジア系事務所初のブリュッセル事務所ドミニク・クルーゼ ドイツ弁護士Dominik Kruse進に伴うグローバルでのデータ保護法への対応案件や不正アクセスに関する案件も多数経験しました。これらの案件はグローバルに対応する必要がありますので、ドイツを含めた当事務所のネットワークを最大に活かして対応してきています。手元では、2025年9月施行のData Actや2025年2月より段階的に施行されるAI Actに関する案件が増えてきており、今後施行日に向けてさらに増えていくと考えています。GDPR案件も爆発的に増えてきており、欧州のデジタル規制の分野においては、“当事務所が最も信頼できる”というステータスを確立できたと思います。さらにブリュッセル事務所、ロンドン事務所が開所すれば、その他の規制分野においても同様の成果が得られるでしょう」(石川弁護士)。 2025年に開所を予定するブリュッセル事務所。アジアの法律事務所として同都市初進出となるが、その果たすべき役割と抱負を藤井弁護士は次のように語っている。 「ブリュッセル事務所は、グローバルを俯瞰した戦略的法務を実践していくうえで非常に重要だと思っています。欧州では、気候変動対策やデジタル規制などグローバルでのサプライチェーンやデータの移転などに影響を与える規制が増えてきています。データ関連は個人情報保護中心から産業データ保護に拡大傾向があり、競争法に加え、より積極的なデジタル政策・規制(Data Act、DMA、DSA、サイバーセキュリティ等)が予測されます。ブリュッセルはその震源地。EUは、EU産業の保護(守り)を重視し始めており、公表情報以外の背景や動機・石川 智也 弁護士Noriya Ishikawa拠点のキャパシティが倍増するでしょう」(ドミニクドイツ弁護士)。 2020年に3名体制からスタートしたフランクフルト&デュッセルドルフ事務所。言うまでもなく、西村あさひは日本においては最も著名な法律事務所であるが、欧州の法曹界から見ると日本はニッチな市場であるため、“ドイ題であった。州企業の東南アジアへの事業進出についての助言など会社の欧州でのM&Aがあります。これは売手がベトナ所のグローバルネットワークがあるからこそ可能な案件で フランクフルト&デュッセルドルフ事務所を立ち上げてみて、たとえば現地子会社のGDPR対応、不正アクセ施する仕事も増えたと石川弁護士は述懐している。56パートナー/フランクフルト&デュッセルドルフ事務所共同代表。11年ドイツ連邦共和国弁護士登録。日本企業のコーポレートおよびクロスボーダーM&A案件のほか、欧州企業の東南アジア(特にインドネシア、タイ、ベトナム)への事業進出についても助言を行う。国際経験に富み、新興市場と成熟市場との異文化間の取引決定においても独自の洞察を提供している。 クリフォードチャンス(デュッセルドルフ、ニューヨーク)、ファイザー株式会社(ニューヨーク)の企業内弁護士として数多くのクロスボーダー案件に関与。パートナー/フランクフルト&デュッセルドルフ事務所共同代表。06年弁護士登録(第一東京弁護士会)。17年ニューヨーク州弁護士登録。欧州でのM&A、現地拠点のGDPR対応、サプライチェーンDD対応、EU法・欧州各国規制法調査等、日系企業の欧州進出を幅広く支援。特にデジタル分野に明るく、グローバルでのプライバシーガバナンス・AIガバナンスの体制構築や各国データ保護監督当局への報告を要する大規模なサイバーアタック事案への対応等を数多く手がける。ラクティスを有しているので、4拠点が協働することで各ツでそのブランドをいかに確立していくか”が当時の課 「ドイツにおけるプレゼンスを上げるため、日本企業のコーポレートおよびクロスボーダーM&A案件のほか、欧も行ってきました。一例を挙げると、三菱マテリアル株式ムの企業でしたので、日本、ベトナム、ドイツという当事務あると思います」(ドミニクドイツ弁護士)。ス・ランサムウェアの案件や不祥事調査など、ドイツにいなければ対応困難な案件を日本の本社に代わって実 「ドイツ国内だけではなく複数国をまたいだクロスボーダー案件の数が増えました。これは、“日本・東南アジア・ドイツ”というグローバル展開の成果です。また、DXの推

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