クライアントのチャレンジに伴走する精神で欧州でのさらなる展開に向けて越元 瑞樹 弁護士Mizuki Koshimoto籍していましたが、2014年~2016年は同ファームのブリュッセルオフィスで勤務していましたので、ブリュッセルについては土地勘もあります。私はEUと英国の競争法を専門としていますが、これまで取り組んできた競争法の案件に加えて、日系企業を含む多くのグローバル企業のビジネスに大きな影響を与えているEUのレギュレーションについてもサポートを提供していく予定です」(工藤弁護士)。 ブリュッセルオフィスでは、ロンドンやパリのオフィスと密に連携し、クライアントからのEUレベルでの問い合わせに応えるとともに、必要に応じて既存のネットワークを活かし、EU加盟国レベルでのリーガルニーズにも応えていく予定だという。その意味で、ブリュッセルオフィスは、今後、TMIが欧州でのクライアントの活動をリーガルの観点から支援する際に、それを統括する役割も担うことになると、工藤弁護士は語る。 「EUは世界最大級の経済圏として、その動向がグローバルなビジネスに大きな影響を与える存在です。その意味でも、日系企業にとっては、EU法の規制やその最新動向のフォローが不可欠となります。そしてここ、ブリュッセルはEUの立法の中心である欧州議会、行政の中心である欧州委員会の所在地であることから、当地には立法過程に関与するコンサルタント等の専門家が多く存在しています。ブリュッセルオフィスでは、現地の弁護士やコンサルタント等の専門家と積極的に交流し、そのネットワークを最大限に活かして、いち早くEU法の最新動向をキャッチし、クライアントへ情報発信を図りたいと思っています。近年、TMIでは大型のM&A案件に関与する機会が格段に増えており、EUやEU加盟国の企業結合規制への対応をサポートする機会も増えています。特に、企業結合規制との関係では、複雑な内容を伴うM&A取引に関してタイトなスケジュールで当局との対応を進めることが求められます。そうした中にあって工藤 明弘 弁護士Akihiro Kudo 締め括りに、竹内弁護士はシリコンバレーオフィスの展望 2024年、TMIはブリュッセルにオフィスを開設した。欧州各拠点においてクライアントのニーズに応じたリーガルサー 私はTMIへの入所前に英国のグローバルファームに在4897年慶應義塾大学法学部卒業。05年弁護士登録(第二東京弁護士会)、米系法律事務所入所。10年ニューヨーク大学ロースクール修士課程修了(LL.M.)。13~15年株式会社三菱UFJ銀行勤務。15年TMI総合法律事務所入所。国際金融取引、プロジェクトファイナンス、インフラ、再生可能エネルギー(太陽光、洋上風力等)への投資の実務を専門として、ファイナンス分野に幅広く従事。97年慶應義塾大学法学部卒業。06年弁護士登録(第一東京弁護士会)、英系法律事務所入所。同事務所ロンドンオフィス、ブリュッセルオフィスでの執務を経て、14年英国弁護士(ソリシタ)登録。17年King’s College London Post Graduate Diploma修了。20年TMI総合法律事務所入所、ロンドンオフィスでの執務を開始。競争法分野を専門とするとともに、英国法、EU法等のアドバイスに幅広く従事。ていますが、米国と日本の両拠点においてさらに体制を拡充して、この拡大するニーズに対応していきたいと考えています」(佐藤弁理士)。について次のように語る。 「法律家がひしめき、さまざまな法律事務所がしのぎを削る米国において、“日本の法律事務所のブランチで対応できることには限界があるのではないか”と思われる方もいらっしゃるかもしれません。確かに海外展開はチャレンジングであると思いますが、私たちは、どの日本の法律事務所にも、そしてどの米国法律事務所にも提供できない価値を提供できていると自負しています。ここはシリコンバレーです。私たち自身が、あたかも起業家のごとくチャレンジを重ねていく。そのような道を、同じようにスタートアップ業界でチャレンジしている皆さんと歩んでいけるのであれば、これほど素晴らしいことはありません。これからも、クライアントの皆さんと一緒に、チャレンジしていける事務所でありたいと思っています」(竹内弁護士)。では、ロンドン、パリに続く拠点となる。ロンドンとブリュッセルのオフィスを兼務する工藤明弘弁護士は次のように語る。 「欧州でTMIは既にロンドンとパリに拠点を有しており、ビスを提供しています。具体的には、ロンドンオフィスでは主に英国法案件、パリオフィスでは主にフランス語案件やアフリカ案件に関する業務に従事しています。
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