尾池 悠子 弁護士Yuko Oike要な場合でも、より実効性のある形で最後まで支援できる体制が整いました」(池田弁護士)。日本では独禁法・消費者法・情報法分野のトラブル解決は規制官庁に委ねられることが多い。しかし、これらの機関のリソースは限られており、必ず解決に至るとは限らない。「選択肢の一つとして、企業自身による訴訟を含むトラブル解決も模索する必要がある」と池田弁護士・染谷弁護士は考えているという。欧米では独禁法・消費者法分野での民事訴訟の活用が進んでおり、今後日本での普及を見込み、同事務所は訴訟対応力の強化に至った。 新たに加入した竹蓋春香弁護士は東京法務局の訴訟検事、総務省行政不服審査会の専門官として行政訴訟や行政への不服申立てなど、国を当事者とする紛争に国の代理人として携わってきた。「行政側にいた頃は、幅広い案件に対応するジェネラリスト的な役割を求められました。さまざまな分野の行政紛争を見てきた経験から、行政側が重視するポイントや訴訟における事実認定のポイントなどをアドバイスとして活かしていければと考えています」(竹蓋弁護士)。 当局対応・処分後の対応を問わず、一気通貫で強みを持つブティック事務所は貴重な存在だ。また、竹蓋弁護士は「訴訟分野強化により広がった選択肢を活用してほしい」と語る。「行政や民間に対する紛争対応能力を前提として、今後はさまざまな選択肢がご提案できます。裁判までを想定した、より幅広い観点で課題解決を捉えていただけると思います」(竹蓋弁護士)。 尾池悠子弁護士は東京地裁の知財部において特25池田・染谷法律事務所の取扱い分野▶所属弁護士等弁護士(出向者含む)22名(2024年12月現在)▶沿革2018年10月1日設立、2022年5月大阪オフィス(弁護士法人池田・染谷法律事務所の従たる事務所)開設、2023年5月東京オフィス移転。2025年5月名古屋オフィス開設予定15年京都大学法科大学院修了。17~20年さいたま地方裁判所裁判官。20~23年福島地方裁判所郡山支部裁判官。23~24年東京地方裁判所(知的財産部)裁判官。24年弁護士登録、池田・染谷法律事務所入所。第一東京弁護士会所属。許権侵害や不正競争をはじめ幅広い知的財産権に関する事件を数多く取り扱った元裁判官だ。「裁判官時代に培った証拠や事実の認定のスキルを、違反行為の認定を行う監督省庁対応に活かしていきたいですし、知財部で不正競争の分野も多く取り扱っていたため、独禁法・競争法と親和性があると考えています」(尾池弁護士)。 法人同士の大型の訴訟を多数経験したことは平時の助言にも活きているという。「事後的な訴訟だけでなく、事前の差止めなども裁判官の感覚を活かして適切に実施できます。競争力強化の面でもぜひご活用いただければと考えています」(尾池弁護士)。DATA
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