Lawyers Guide 2025
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法務部門から生まれた、地に足のついた法務業務システム一部の契約審査のリードタイムをほぼゼロにし、ビジネスを推進リコージャパン株式会社 山中 雄一朗 氏 ・ 稲葉 洋 氏132企業の契約における相談から管理までを一元化するクラウドサービス「RICOH Contract Workflow Service(以下「RICOH CWS」)」。同サービスは、株式会社リコー法務部門の業務改善システムとして生まれ、2016年に他社向けサービスとしてリリースされた。以降、法務の実態に即したサービスとして多くの支持を受け続ける同サービスの現状と今後の展開とは。開発と販売・導入支援の責任者であるお二方にお話をうかがった。 「RICOH CWS」は、契約における“相談・レビュー”プロセスを標準化し、法務部門の業務効率を向上させるシステムだ。加えて“契約の決裁”“締結” “契約履行”といった契約プロセス全体も一元管理する。 「業務効率化が始まった1998年前図表2 RICOH CWSの簡易審査機能の効果頃はリコーの海外進出と業績拡大が進み始めた時期で、法務部門の業務量が急激に増加していました。そこで、契約業務の効率化を図るために、問い合わせ窓口の一本化やナレッジを継承するシステム導入が必要でした」と語るのは、リコージャパン株式会社デジタルサービス企画本部でRICOH CWSのプロダクトオーナーを務める稲葉洋氏。 「依頼者はメールや電話で気軽に相談できますが、それが些細な確認であっても、法務担当者は業務を止めて対応しなければなりません。そんなときにシステムが一時回答や回答納期を担保することで、両者の作業が妨げられることなく、業務を継続することができます。そういった設定もお客様側で簡単に行えます」(稲葉氏)。 同事業部でRICOH CWSの販売部門の責任者である山中雄一朗氏は「当社のシステムは契約手続に時間のかかる非定型契約が多いお客様に導入いただだいています。これらの企業では法務への相談窓口が一本化されていますが、メール、チャット、電話といったコミュニケーションツールを使 近年のDX推進プロジェクトにおいては、システム導入における費用対効果について厳しく検討される場合も多い。この点について、RICOH CWSは契約の簡易審査を活用することで法務部門の業務量を減らすだけでなく、一部の契約審査のリードタイムがほぼゼロとなり、事業部側の負担も軽減し、ビジネスの拡大に貢献できることも導入企業に喜ばれているポイントだ。 「詳しい審査が必須ではない低リスクの契約については自動回答で対応することで、工事や生産などの実行プ企業法務の契約審査ナレッジを最大限に引き出す契約ライフサイクル管理とは

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