127https://www.microsoft.com/ja-jp/マイクロソフトへの問い合わせhttps://support.microsoft.com/contactus検索機能は社内/社外で収集元を指定できるため、正確性・信頼性の確認も容易だ。本来の業務に集中する時間を捻出Copilotの日常業務サポート生成AIネイティブの時代へ法務にも必要不可欠な“能力”に日本マイクロソフト株式会社〒108-0075東京都港区港南2-16-3品川グランドセントラルタワー 「Copilotの活用法に正解はありません。自分で試し、他の人のうまい使い方を知り、自分にぴったりの方法を見つけ出すことが必要です」(土井弁護士)。 中には、生成AIにさまざまな情報を入力することに抵抗がある人もいるかもしれない。しかし、Copilotであれば情報セキュリティへの配慮は万全だ。Microsoft 365のセキュリティ基盤上で動作しているため、Copilotに入力したプロンプトやアウトプットは強固なセキュリティシステムに守られている。また、それらが基盤モデルの学習に使用されることもないため、Web検索の結果やCopilotを使用する他社のアウトプットに反映される等によって漏洩することはない。コミュニケーションや雑務に分類される業務に要する時間を削減し、法務本来の作業や創造性の高い業務に集中する時間を捻出することにも貢献している。 その活用法は人によってそれぞれ異なるが、中島弁護士は外出先でのメール返信に活用している。 「出先でのスマートフォンを使った返信の作成には手間がかかっていましたが、Outlook上でCopilotに返信の作成を指示すれば文案が表示されます。その後は修正指示を繰り返したり、部分的に修正したりするだけで簡単に返信できます。レスポンスが早くなり、移動時間中にメールの返信を済ませられるので、時間にゆとりが生まれました」(中島弁護士)。 さまざまなAI法務サービスが登場し、弁護士の業務がAIに置き換えられるという言説も飛び交う昨今だが、同社の4名は実際に使用したからこそ、AIは脅威ではなく、今後法務部や弁護士が使いこなすべきツールだと実感しているという。 「“Copilot(副操縦士)”の名が表すように、AIはあくまでアシスタントで、主体は自分自身です。ヒューマンレビューは不可欠であるため、法律の専門家である自分たちが生成AIに置き換えられるとは感じません」(小川弁護士)。 小川弁護士は大量のコミュニケーション履歴の把握にCopilotを大いに活用する。 「私は子育て中なので、夕方の5時から8時はPCから離れがちになります。その間に社内チャットで交わされていた内容をCopilotにまとめさせることで、迅速に内容を把握することができます。当社はグローバル企業なので、寝ている間に海外からの問い合わせやチャットの履歴が積み上がっていることもあるのですが、その場合も同様の指示で、時間を節約できています」(小川弁護士)。 幅広い場面で効率を高められるツールだけに、Copilotをうまく活用するコツはこうしたユースケースを利用者同士で共有することだという。 一方で、法務部員や弁護士が脅威と感じるべきは、今後台頭する生成AIネイティブの若手だろうと中島弁護士は指摘する。 「これから業界に入る若手は、生成AIを自然に使いこなし、膨大な情報を活用しながら実務をキャッチアップしていきます。おそらく能力が高い人であればベテランの持つ知識をあっという間に吸収してしまうでしょう。現在業務に携わる私たちが脅威を感じるとしたら、これらの若手人材です。生成AIを使いこなす若手に置き換えられてしまわないように、ベテランの方にこそ、“生成AIを当たり前に活用する感覚”を法務に不可欠な“能力”と捉えていただきたいと思います」(中島弁護士)。明だったりして、必要な情報が得られません。その場合は、どの情報ソースが公式で信頼性が高いのかをCopilotで調査したうえで、日本についてであれば“個人情報保護委員会のQ&Aとガイドラインに基づいて回答して”と指示すれば、指定した参照元のみから抽出した情報を得ることができます」(土井弁護士)。 Copilotの威力が発揮されるのは法務に関連する業務だけではない。企業に所属する以上避けては通れない日常の
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