Lawyers Guide 2024
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8999年東京大学法学部卒業。01年弁護士登録(東京弁護士会)。森綜合法律事務所(現・森・濱田松本法律事務所)入所。07年「末吉綜合法律事務所」(現・潮見坂綜合法律事務所)開設。17~20年日本精工株式会社独立委員会委員、20~21年株式会社大塚家具社外取締役、21年~株式会社INFORICH社外監査役、22年~株式会社エージーピー社外取締役などを歴任。04年東京大学法学部卒業。06年東京大学法科大学院修了。07年弁護士登録(第二東京弁護士会)、三宅坂総合法律事務所入所。16年「霞門綜合法律事務所」(現・潮見坂綜合法律事務所)開設。07年京都大学法学部卒業。08年弁護士登録(第一東京弁護士会)、長島・大野・常松法律事務所入所。11年潮見坂綜合法律事務所入所。▶所属弁護士等弁護士23名(2023年11月現在)▶取扱分野国内外の訴訟、知的財産権・IT、M&A、人事労務などの幅広い分野において、紛争解決から予防法務まで国内外の企業法務を中心としてさまざまな案件を広く取り扱うと、あえて反対に回って意見を言う。全員が同じ方向を向かないようにしています」(阿南弁護士)。 「その目的は、たとえばある主張をするに際して、“相手方からどのような反論が来て、それにどう再反論するか”というシミュレーションのためです。これをできるだけクリアな解像度で行うためには、一人のイマジネーションでは限界がある。複数の目を通し、いろいろな人の知恵を多角的に出し合うことで、成果物が強固なものになるのです」(蓜島弁護士)。 メンバー同士が多様な視点を持ち寄って、議論を戦わせることを重視する。リーダーが方針を打ち立て、部下がそれに従って脇を固めるという、よくある構図とは違うようだ。蓜島弁護士は「上の弁護士が年次の若いパートナーにただ自説を押しつけるなら、“合議”とは呼べません」と断言する。 年次に関係なく、積極的な議論が歓迎される背景には、自由闊達な事務所の風土があると有富弁護士は述べる。「“自由闊達”と言葉で言うのは簡単ですが、当事務所ではそれが実現できている自負があります。案件に関する合議はもちろん、採用などの事務所運営に関することでも、全員が集まり、意見を出して、それを反映した意思決定がなされています。これは当事務所で昔から積み上げられてきた文化なのです」(有富弁護士)。 阿南弁護士も「会社なら役職に応じた決定権限がありますが、法律事務所は、根本的には“一番よい解決策”を導き出す工場。誰かが権限で決めるのではなく、上からの意見だろうと下からの意見だろうと、一番よい結論に収斂されるはずなんです。それを担保する風土としくみが当事務所にはあるのです」と添える。頼れる“総合法律事務所”のあるべき姿 自由闊達な風土のもと、合議を通してさまざまな専門家が力を合わせて最強のチームを作る。それにより、一人ひとりが特定の専門分野のみならず、複数の分野の知見を高め、幅広い視野を確保する。それが同事務所の“特長”というわけだ。とはいえ、いたずらに“大弁護団”が組織されているわけではない。「無駄に人数を入れることはせず、必要十分な人数」(阿南弁護士)として、2~3名のフォーメーションが多いという。クライアントにとっては参画する弁護士の頭数は報酬にも直結するため、この点もありがたいといえるだろう。とはいえ、案件の趨勢に応じて、専門分野の弁護士が手を貸したり、紛争にエスカレートすれば紛争に強い弁護士が参加するなど、フレキシブルな体制をとっている。 こうした体制の強みが奏功し、同事務所は、予防法務から高度な専門性が必要な株主代表訴訟、特許訴訟、独禁法訴訟、M&Aといった紛争や取引まで、まさに“手広く”案件を扱っており、そのクライアントも、大企業からスタートアップまで、業種もほとんど偏りがないという。まさに頼れる“総合事務所”としてのあるべき姿がここにあるといえるだろう。阿南 剛 弁護士Go Anan蓜島 啓介 弁護士Keisuke Haishima有富 丈之 弁護士Takeyuki Aritomi

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