Lawyers Guide 2024
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6218年早稲田大学法学部卒業。20年一橋大学法科大学院修了。22年弁護士登録(第一東京弁護士会)、桃尾・松尾・難波法律事務所入所。などでは、理屈の上では結論が微妙な事案であっても“白”か“黒”かの判断をつけなければならない場面もあり、その中で“どのようにしてクライアントに寄り添うか”は難しい点です。もちろん法的に無理があることはできませんが、クライアントの思いを丁寧に聴き取り、その内容を法的な面でサポートしていくのが弁護士の役割だと考えています」と語る田口裕太弁護士は、若手弁護士でありながら既に先輩弁護士のもとでコーポレートや訴訟、不正調査から労働法務まで幅広い案件を経験。労働法務関連では顧問先からの日々の相談や紛争案件への対応のほか、通報窓口対応なども行っている。 「窓口に寄せられる通報には、コンプライアンス違反と思われるものからグレーなもの、放置しておくと将来的にコンプライアンス違反につながる可能性があるものなど、さまざまな内容のものがあります。適切な制度運用のためには、クライアントの企業風土や会社として守りたいポイントなどを理解しておく必要がありますし、そのうえで、場合によっては人事部門などと連携して解決を図ることもあります。普段からさまざまな案件で継続的に企業をサポートしているからこそ、制度趣旨を踏まえた適切な対応をとることができるのだと思います」(田口弁護士)。柔軟な姿勢で合理的な問題解決を目指す 高橋優依弁護士も労働法に関する相談に関与することの多い若手弁護士だ。 「労働法務は人と人の関わりの中で生じた問題について対応することの多い分野なので、検討対象となる当事者の個性やその反応により、目指すべき解決方法が変わることもあります。また、もちろん法理論的なリスク分析は大事ですが、それに従っているだけでは全体としてバランスのとれた、合理的な解決が導き出せないこともあります。そのため、状況に応じた柔軟な姿勢で問題解決を図ることが大切だと考えています。また、クライアントのニーズに沿ったサポートが重要であり、たとえば、実際に社内で対応する場面にまで立ち会えない場合には、社内で人事部門の方が状況変化に応じて対応できるよう、具体的な事情の変化などを考慮した数パターンのアドバイスをご提供することもあります」(高橋弁護士)。 高橋弁護士も田口弁護士と同様に、先輩弁護士とともにさまざまな案件に対応する日々を通じ、企業法務のスペシャリストたる弁護士としての知識や経験を積んでいる。 「当事務所では日常的な相談から紛争対応、社内規則のレビュー、通報窓口対応や従業員の方々への講習まで、労働法務分野に関するあらゆるリーガルサービスを提供し、また、一つのクライアントとの関係でも、労働法務に関する案件からそれ以外の法分野に関するご相談まで幅広いリーガルサポートを提供しています。そうした中で感じるのは、企業と弁護士が長期的な関係を築くことで得られる多くのメリットです。日常的にさまざまな案件に関するご相談をいただくことで、そのクライアントの実務を理解しているからこそ、労使に関するさまざまな問題や、社内の実態に即していない社内規則の規定などに気づくことができますし、従業員に対する何らかの処分が必要になった場合も、特に、同社における類似事例を過去に当事務所が担当していた場合には、当時の具体的な事情や検討内容を振り返りつつ、公平性を保った対応をとる高橋 優依 弁護士Yui Takahashi

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