Lawyers Guide 2024
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17 同事務所は外国弁護士の比率も高い。 「当事務所は外国弁護士との協業の先駆け的存在で、2005年の法改正で外国法共同事業の制度が始まった際の登録第1号です。外国弁護士と対等な関係を結び、パートナーとして実力を発揮し売上を増やすことを奨励する国内法律事務所は実はあまり多くありません。当事務所では国籍に隔てなく日本人同様に業務に取り組むことが当然の環境です」(鈴木弁護士)。 「英米のみならず東・東南・南アジア・欧州・豪州などの弁護士が所属しており、多方面のネットワークを有し、情報にアクセスできることも強みとなっています」(丹生谷弁護士)。 同事務所では法の支配の普及にも努める。 「企業の職場環境の改善、労使問題、下請企業の保護、組織のガバナンス、不正防止の取組み等に対する弁護士による支援は、今後ますます重要となるでしょう」(丹生谷弁護士)。 「ビジネスと人権等へのアプローチのほかに、力による現状変更や根拠のない身体拘束について批判をしていくことも肝要です。民主主義国家の弁護士としてリーガルサービス等を通じて世界へ価値観を共有していきたいですね」(鈴木弁護士)。 環境課題解決については、企業の環境案件、環境インフラ整備、国等から受託した調査を扱うほか、所内でも環境負荷軽減の取組みを行っている。 「紙の印刷の削減や環境負荷の低い資材の導入を始めています。外国弁護士からボランティア活動の情報なども入手し、“よい”と思ったことは積極的に導入しています」(鈴木弁護士)。福岡での拠点設立で東京並みのサービスを九州へ 2022年、同事務所の提携事務所であるA&S福岡法律事務所弁護士法人が設立された。古くからの大企業・中小企業や多くのベンチャー・スタートアップ企業が生まれる福岡でのリーガルニーズを現地で満たすことがその目的だ。 「福岡をはじめとする九州地方には規模の大きな会社も多く、高度なサービスへの需要もありますが、これまでは東京・大阪の弁護士に依頼される企業も多かったかと思います。こうした東京・大阪並みの対応が福岡で可能であれば喜んでいただけると考えたのです」と語るのは、A&S福岡法律事務所弁護士法人の代表弁護士である臼井康博弁護士だ。 所属する弁護士等は日本の弁護士が4名と台湾弁護士(外国法事務弁護士の登録はない)が1名。取り扱う分野は企業法務全般で、スタートアップ支援や金融レギュレーション、クロスボーダー投資、合弁、M&A、紛争処理など幅広い。提供するサービスは東京で第一線の弁護士が担当する場合と遜色がないレベルだ。 「当事務所に所属する弁護士の多くは、東京を拠点とする顧客からの依頼も扱っています。私はコロナ禍をきっかけに福岡に移住し、福岡で当事務所を開設しましたが、現在も、リモート環境を利用するなどして、東京に拠点を有する顧客からの依頼を問題なく扱うことができています。この環境は、顧客にとっては全国どこにその拠点があっても良質のサービスが受けやすくなり、弁護士にとっても、業務内容によっては事務所の所在場所に顧客の範囲が縛られにくいという利点をもたらしました」(臼井弁護士)。ハイレベルサービスを実現する人材が集まる九州の拠点に A&S福岡法律事務所弁護士法人には、元検察官や省庁勤務経験者、金融機関のインハウス経験者な鈴木 由里 弁護士Yuri Suzuki丹生谷 美穂・弁護士Miho Niunoya臼井 康博 弁護士Yasuhiro Usui

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