Lawyers Guide 2024
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hebanisa Wata12Lawyers Guide 2024事業部の感じる壁と課題―法務に望む“向き合い方”渡邊弁護士 最初に、自己紹介を兼ねて、皆様が法務に対して認識する課題をお話しください。新川氏 NECのエンタープライズビジネスユニットにてマーケティングを担当しています。新しいビジネスを検討する際、まだ規制が整備されてないケースも多く、そんなときに「どんなスキームを組むと社会的受容性が得られるのか」「どんなビジネスチャンスを描けるか」といった法務の”攻め“の部分が非常に重要だと感じています。 “守り”の側面については、法務側は社内向けのポータルサイトでの相談先やQ&Aコンテンツの提供など、さまざまな工夫をしてくれていますが、ビジネス側のリテラシーの問題もあり、「そもそもどんな契約スキームを組めばいいのか」「リーガルリスクに対してどんな意思principledrive法律事務所 弁護士principledrive株式会社 代表取締役渡邊満久氏Mitsu決定をすべきか」といった部分については現場が不安を拭えぬケースも多くあります。ただ、それは当社に限ったことではないのではないかと思っています。岡村氏 DeNAのセキュリティ部門と一事業部のリスク管理部門を兼任しています。身近なスマホゲームを例にとると、ソフトローンチを採用するタイトルがあるのですが、その段階で重厚な法務対応を行うとスピードやコストが見合わないことがあります。事業リスクや違反時の損害賠償リスクなどを踏まえ、成長期と成熟期それぞれに応じた対処事項の見極めが不可欠な状況です。間宮氏 サイバーエージェントのセキュリティ部門でコンサル業務を担当しています。以前は法務部門やインターネット広告事業に携わっていました。インターネットサービスの法務はDeNAさんと同じ状況で、事業が攻められるよう、いかに守るかが求められます。同業他社の問題事例を参考にしたり、事業別に法務を配置して業界トレ「人的リソースが足りない」「現場との適切な距離感がつかめない」――企業規模や業態の違いはあれど、法務組織の課題は各社で共通するものが多い。法務と非法務が互いの苦労の“質”を理解し、連携の円滑化と信頼関係の維持を図るには、どのような壁があり、どう克服すべきなのだろうか。渡邊満久弁護士(principledrive法律事務所/株式会社)司会のもと、事業部側の立場としてIT業界から2名(岡村隆行氏、間宮千恵氏)、伝統色強いメーカーから1名(新川量子氏)が、経営管理の知見や法務だった経験も交え、腹を割って課題解決の道を探った。Special03事業部から見た“法務に求める機能”とは

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