Lawyers Guide 2024
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111▶主な所属弁護士会東京弁護士会▶所属弁護士等弁護士12名(うち兼弁理士1名)(2023年10月現在)▶沿革2019年設立。2020年清水直弁護士、三宅能生弁護士を顧問に迎える要な要素を細かくつなげていきますし、負けそうであれば打てる手があったとしてもその有効性をしっかり分析し、その訴訟をやめることをアドバイスすることもあります」(浅岡弁護士)。 この“内容の精査”は訴訟全体に必要なことだと浅岡弁護士は指摘する。無駄な手を打つことは、コスト高となり、顧客の利益につながらないからだ。「勝訴だけが顧客の利益ではありません。正しい主張をして、客観的に見てそれが正しいと認められることこそ顧客の利益であると考えています。顧客にとってベストであり、相手にとっても納得できる終わり方を目指す。“ゴール”は“リスタート”であり、その後の事業もお互いに続けていくことができますから」(浅岡弁護士)。顧客の思いに寄り添い時には寄り道をしながら成功へと導く 事業再生を中心に手がけるのが清水修共同代表弁護士だ。清水弁護士は、「事業再生に最も大切なことは、案件ごとに手作りの事件処理をすることだ」と語る。「多様な関係者の将来の利益を考え、“どうマイナスを補填していくのか”を考えることが事業再生における最大の目的です。そのためには“関係者の背景や立場を想像する力”“バランスをとる力”が不可欠になります」(清水弁護士)。 この手法は、事業再生の草分け的存在である清水直法律事務所時代から引き継ぐ流儀なのだという。「経営者は最初、切羽詰まって依頼にいらっしゃいますが、少し資金繰りがよくなると“自力で再建ができるのではないか”と考えがちです。仮にその見立てが甘いものであったとしても、すぐに否定するのではなく、その思いに寄り添い、時には寄り道をしても最終地点まで伴走することを大切にしています」(清水弁護士)。 事業再生では、法律や規制が複雑に入り組んでいるため、ベストの解決に導くためには、多くの叡智が必須となるが、同事務所には異なった分野で経験を積んだ弁護士が揃っている。それが事業再生において大きなシナジーを発揮しているという。裁判官がそのまま判決に使える書面が理想 関善輝共同代表弁護士は、不動産開発に伴う土地の仕入れ、設計、建築、販売、賃貸、管理の各フェーズで法務サービスを提供し、不動産関連の紛争、訴訟を多く手がける。「不動産関連の訴訟においては、建築士などの専門家の意見を訴訟に反映させることが重要なポイントとなります。争点を的確に把握し、専門家に意見してもらうテーマを明確にすることが大切です」(関弁護士)。 自らその分野の知識を習得したうえで専門家とのミーティングを何度も行い、専門家と争点についての共通認識を形成し、意見書を作成してもらうという関弁護士は、“書面のクオリティ”も勝訴の軸として重要だと指摘する。「たった一つでも、裁判官が“おかしい”と思う箇所があれば、その書面自体の正当性、信憑性がすべて損なわれてしまいます。“我々が書いた書面を裁判官がそのまま判決に使えること”が理想です」(関弁護士)。溝田 宗司 弁護士Soji Mizota浅岡 知俊 弁護士Tomotoshi Asaoka清水 修 弁護士Osamu Shimizu関 善輝 弁護士Yoshiteru Seki

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