ました。理事長が逮捕され、理事会ではその後の経営権をめぐる内紛が巻き込まれる中、裁判所に選任された管財人団として、経営を改善することが使命でした。現場の教職員の話に耳を傾け、力を合わせて多くの問題を解決していくことで、現場から地道に改善していくことができました。私的・法的を問わず、倒産をめぐる事案は知恵が重要であると考えています。債権者や取引先などさまざまな利害関係が渦巻き、時間も限られる状況で、話を聞いて、瞬時にアイディアを思い浮かべられるセンスは、経験の蓄積によって得られるものです。こうして磨いた知恵は平時の業務にも活き、経営者と直接話すことができる中小企業へのアドバイスにも反映できています」(奥津弁護士)。 こうした知見は、ニュースレター※として発信されている。個々の悩みから企業間の紛争まで、あらゆる相談に向き合う姿勢のあらわれといえよう。望に応え続けています」(安田弁護士)。87■主事務所の所属弁護士会大阪弁護士会■所属弁護士等弁護士29名(2022年12月現在)■沿革1965年設立。2010年東京事務所開設■過去の主要案件▽法的倒産、私的整理案件に多数関与▽株主総会指導等の上場企業法務▽金融法務、証券訴訟▽M&A▽仲裁、紛争、海外進出・撤退を含む渉外法務▽人事労務▽その他企業法務全般柴野 高之 弁護士Takayuki Shibano野村 祥子 弁護士Sachiko Nomura 国際的な紛争案件も多数手がけ アジア諸国の案件に注力 「設立以来、国際案件を手がける弁護士の育成に努めてきました。直近では日本企業がアジア諸国に進出する際のサポートに注力すると同時に、日本国内でビジネスを展開する外資系企業のサポートも継続しています」。安田健一弁護士は、香港や北京、タイなど各国での業務を経験し、ビジネスの現場を目の当たりにしてきた。 「我々は、日本企業の海外案件と外資系企業の日本国内案件のどちらにも豊富な経験を持ち、国際的な売買契約締結、販売代理店契約交渉に加え、国際的なM&Aを絡めた進出・撤退案件を数多く取り扱ってきました。また、紛争解決案件の対応にも実績があり、外資系企業や外国人が当事者となっている日本国内の訴訟案件、紛争案件も多数解決しています。法律事務所の世界的なネットワークであるWorld Link for Lawにも参画し、クライアントの要奥津 周 弁護士Shu Okutsu安田 健一 弁護士Kenichi Yasuda 顧客、社会に望ましい金融商品は何か 規制庁の経験を踏まえて俯瞰する 「財務局で地方銀行や信用金庫、信用組合、証券会社、ファンド、保険会社、貸金業者など、さまざまな業態の金融機関に対する監督業務や立入検査、訴訟案件への対応といった幅広い業務に携わってきました。このようなバックグラウンドを活かしつつ、フィンテック事業者などにも規制面からアドバイスしています」。柳勝久弁護士は、業法の遵守などを監督する側に立った経験を活かし、クライアント側にも寄りすぎない立ち位置を意識する。 「金融機関は、“法令を遵守さえすればよい”ということはありません。“販売する商品が顧客にとって望ましいか”“社会の要請に耐えうるものか”といった視点が重要です。例えば、かつてもてはやされた仕組債はいまや疑問符がついています。このような疑問は、金融機関の内部から浮上し、自律的な検討、改善がなされることが本来望ましいといえるかもしれませんが、内部にいるからこそ見えにくいこともあります。法律家、規制する側の両方の視点を持ち、さらに市民としての視点を踏まえた、客観的なアドバイスを心がけています」(柳弁護士)。※ https://www.dojima.gr.jp/newsletter/柳 勝久 弁護士Katsuhisa YanagiDATA
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