Lawyers Guide 2023
66/140

10年東京大学法学部卒業。12年東京大学法科大学院修了。13年弁護士登録(第二東京弁護士会)。16〜18年みずほ銀行プロジェクトファイナンス営業部出向。20年ロンドン大学ロンドンスクールオブエコノミクス大学院修了。22年イングランドおよびウェールズ弁護士登録。6410年東京大学法学部卒業。12年東北大学法科大学院修了。15年弁護士登録(東京弁護士会)。16〜17年株式会社三菱東京UFJ銀行(現・三菱UFJ銀行)勤務。17〜20年Baker & McKenzie法律事務所(外国法共同事業)執務。22年全国通訳案内士登録。13年東京大学法学部卒業。15年弁護士登録(第二東京弁護士会)。19〜20年みずほ証券株式会社グローバル投資銀行部門プロダクツ本部出向。22年カリフォルニア大学バークレー校ロースクール(LL.M., Business Law Certificate、Certificate of Specialization in Energy & Clean Technology Law)修了。22年シンガポール外国法弁護士登録。さまが気にかけているところかと思います」と語るのは、再生可能エネルギープロジェクトなど、さまざまなエネルギー案件に関与している久保圭吾弁護士だ。 「逆に、信頼できる制度下で安心安全なクレジットを創出できれば強いアピールポイントになるでしょう。しかし、どのようなシステムの下で生み出されるクレジットであれば信頼性が高いといえるかについては、国際的に議論が続いているところです。今後何が合意され、何が共通スタンダードになるかは大きな関心事項ですし、我々も国際的な議論を追い続けていきます」(久保弁護士)。 武川弁護士は、クレジット制度の信頼性の基準作りは議論が続いており、一定の基準が公表されているものの個別のクレジット取得の際に基準に照らして問題ないかを検証することは容易ではないと語る。「制度自体の信頼性が高くても当該プロジェクトの運営がうまくいっているかは別物です。そうした点については、信頼できる国際機関や金融機関、商社などの仲介者を活用することが一つの解決策なのではないかと思います」(武川弁護士)。 「銀行法や、金商法などの業規制上、金融機関がカーボン・クレジットに関するビジネスを取り扱うことができるかについては、規定自体は京都議定書が締結された2008年頃から存在します。前向きな内容になっていますが、昨今は海外由来のものを含むさまざまなクレジットが世の中に出回るようになり、“現行の規定がそのまま適用されるのか”という検証が必要になっています」。再生可能エネルギー案件に多数関与し、国内大手金融機関の法務部に所属経験もある大木健輔弁護士はこのように語る。 大木弁護士は金融機関のニーズに対して法解釈に基づいたアドバイスを行うほか、時には金融当局との対話を通じて、リスクを判断した上で臨むべき方向にビジネスを展開できるようサポートしているという。「カーボン・クレジットの国際的な性格からして、外国規制の理解も不可避となっています。法律事務所として内外の動向を絶えずフォローし、クライアントに向けて積極的に発信する必要性を強く感じます」(大木弁護士)。久保 圭吾 弁護士Keigo Kubo 金融機関のクレジット取扱いには 当局・内外の情報を得て的確な支援を 現状は運用が先行し制度や規制が後追いとなっているカーボン・クレジットについては、取扱い一般を規制する業規制は存在しない。しかし、その普及の一翼を担うべき金融機関については、売買または仲介や媒介を行う上で業規制上留意しなければならない点が存在する。大木 健輔 弁護士Kensuke Oki鮫島 裕貴 弁護士Yuki Sameshima 問題が山積するクレジットの定義 リスクを見極めた上で取引を 「現存のカーボン・クレジット制度の多くは法制化されておらず、国際的には民間の認証主体が発行するいわゆる“ボランタリー・カーボン・クレジット”が取引の大半を占めます。未解決の法的および実務面での課題も少なくありません」と語るのは、太陽光、風力をはじめとする多種多様な再生可能エネルギー発電の案件を多く手がけ、エネルギー関連のM&A

元のページ  ../index.html#66

このブックを見る