Lawyers Guide 2023
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ればなりません。そうした点にも配慮しながら、単に“できない”と言うだけでなく、時にはリスクテイクも検討しながら、クライアントが目指すビジネスの実現を目指すのも我々の役割であると考えています」。そう話す乾正幸弁護士もまた、海外への留学経験を持ち、ニューヨーク州弁護士資格も有している。 「特に、1年ごとに修正されることもある倫理指針などには曖昧な部分も多く、また、“倫理指針”という性質上、厳密な法解釈の方法論がなじまない部分があるため、単純な理屈だけでは物事が進まないケースもあります。企業の方々にとってはそうした指針とどう向き合うかも大きな課題となりますが、当事務所には倫理審査委員会のメンバーとして参加する弁護士も在籍しており、そこでも我々の業界での経験や知見を活かすことができます」(乾弁護士)。 ヘルスケアの分野でも大きな課題となるコンプライアンス関連の問題について、業界内にとどまらない横断的なアドバイスができるのは、同事務所のさらなる強みだ。 「ヘルスケアの分野に関わる法規制は強化される傾向にあり、ベンチャーなどのコンプライアンスはもちろん、大企業などでも新たな業務を円滑に行うためにも、社内でいかにして有効かつ効率的なコンプライアンス体制を構築するかはとても重要です。その点、当事務所は事務所としてヘルスケア業界に精通しながら、独禁法や下請法、労働関連など、さまざまな分野で専門的な知見を持つ弁護士が在籍しており、ヘルスケア分野に関わる法律や商慣習を理解しながら、各業界や分野に通じた横断的なアドバイスをすることができます」。そう話す石川由佳子弁護士は、独禁法や下請法、知的財産権などの分野においても豊富な知見と経験を持つ弁護士だ。 「ヘルスケアがトレンドだからというわけではなく、着実に積み上げてきた知見を活かし、クライアントに真摯に寄り添い、パートナーとしてビジネスを成功に導いていくことが当事務所の伝統です。例えば、アプリやウェアラブルデバイス、プログラムなど、クライアントが新たに世に出したいと考えるヘルスケアサービスについても、法律や諸規制、そして当事務所に蓄積されたノウハウとを照らし合わせながら、どのような形で実現させていくかをクライアントとともに考え抜きます。これまで先輩たちがクライアントのために力を尽くしてきた結果が伝統として積み重なり、これをベースに発展させていくことが当事務所の大きな強みとなっているのだと思います」(石川弁護士)。61■所属弁護士等弁護士52名、アドバイザー1名、外国弁護士2名(2022年11月現在)■沿革1989年4月に、現在のネームパートナーである3名の弁護士を中心に発足DATA

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