Lawyers Guide 2023
41/140

地銀再編、金融規制に関する相談、ファンド組成など、詳細かつ深い理解が求められる金融関連法務の相談対応に従事してきた。 「“1年目であろうとプロとして仕事をすべき”という当事務所の理念から、若い弁護士でもクライアント対応の最前線に配置されます。金融分野は法改正が頻繁、かつ、参照すべき法令およびパブリックコメントの量も膨大です。他方で、金融機関は弁護士に求める水準も他業種と比較しても高いという特徴があります。“知らないことがあるのは恥ずべきことだ”と真摯に知識を蓄え、先輩の助けも借りつつ業務に取り組むうちに、ご相談いただく機会が増えてきたように思います」(太田弁護士)。  金融規制法対応で必要とされるのは ビジネスに寄り添うアドバイス 金融分野は大別して間接金融と直接金融があり、間接金融では預金者をはじめ資金提供者の保護を、直接金融は投資家の保護および市場の健全性の確保が必要とされる。これらを実現するため、金融商品取引法、銀行法、資金決済法などの金融規制法が詳細な条文形式で制定されており、さらに各法令には政令および内閣府令、監督指針・事務ガイドラインがあり、パブリックコメントへの回答や規制の背景や趣旨についても踏み込んで理解することが不可欠となる。各法に基づき強い規制を受けている金融関連のサービスを提供する事業者に対して、一般的には弁護士のアドバイスも保守的になる傾向がある。しかし、実はクライアントが求めているのは保守的な回答とは限らないという。 「規制対応については、金融機関も内部で熟慮された上で本当に問題がないかをご相談されます。その際に必要とされるのは、リスクだけを見ず、“ビジネスモデルとして何をしたいか”を真に理解し寄り添い、踏み込んだリーガルアドバイスであると考えています。金融規制対応に関する相談については保守的な回答になりがちなのですが、ビジネスモデルやクライアントが真に行いたい事業内容等を踏まえ、前向きな回答をすることができないのか、検討することも必要ではないかと考えています」(覺道弁護士)。39覺道 佳優弁護士Yoshimasa Kakudo09年北海道大学法学部卒業。11年神戸大学法科大学院修了。12年弁護士登録(大阪弁護士会)、北浜法律事務所入所。18〜21年金融庁総合政策局リスク分析総括課に任期付公務員として赴任、リスク管理検査室経営管理等チーム、フィンテックモニタリング室等にて勤務。専門分野は銀行法・資金決済法・金融商品取引法など金融関連法令、コンプライアンス・リスク管理。太田 慎也 弁護士Shinya Ota10年京都大学法学部卒業。12年京都大学法科大学院修了。13年弁護士登録(大阪弁護士会)。14年北浜法律事務所入所。21年大阪府中小企業活性化協議会統括責任者補佐就任。専門分野は、金融商品取引法・銀行法など金融関連法令、倒産・事業再生。 変わりゆく銀行業務に関する規制も 踏み込んでアプローチ 銀行は銀行法に基づく規制の下にある。同事務所に持ち込まれる依頼も、特定の業務を、銀行またはその子会社において銀行法に基づき営むことができるかを確認するものが多い。 「銀行が新規ビジネスを検討する際、そのビジネスが銀行法で認められている業務であるか、特に“付随業務”に該当するのか、確認・検討をする必要があるケースが多いです。この点に関しては、直近で言いますと、令和3年度銀行法改正など、法改正および監督指針の改正等がよく行われており、また、付随業務として認められる範囲が金融業界を取り巻く環境、時代の変化等に応じて流動的な面もあるため、今後も重要な検討事項といえます」(覺道弁護士)。 また、地域活性化事業会社への出資や、銀行などが保有する不動産活用に際してのTK-GKスキーム、TMKスキームにおける銀行法・監督指針等への抵触に関する案件も増えている。 「弁護士に対して銀行内の見解の補強を求める場合と、銀行内でも結論が出ていない案件についての見解・判断を求められる場合があります。前者・後者を問わず、銀行法・監督指針はもちろん、施行規則・

元のページ  ../index.html#41

このブックを見る