Lawyers Guide 2023
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プ内の一社が何らかの処罰を受けると、グループ内の他の企業も巻き込まれる(グループ全体が当局の注視対象になったり、芋づる式に処罰されたりする等)ケースが散見される。このように、中国における税関・貿易コンプライアンスの重要性は日増しに高まっている。 「国際情勢が目まぐるしく変化する今日では、税関・貿易関連法令の条文だけでなく、その背後にある立法の背景や目的を正しく理解するとともに、関係当局の動向をつぶさに観察し、規制の方向性を見極めない限り、万全なコンプライアンス体制を築くことはできません。そこで当事務所では、深い専門知識を有する20名以上の弁護士からなる貿易・税関チームを設置し、企業における貿易・税関コンプライアンス体制の構築をサポートしています。チームリーダーは、複数の「フォーチュングローバル500」掲載企業に貿易・税関コンプライアンスサービスを提供してきた、その分野の先駆者とも呼ばれる弁護士が務め、チームメンバーも多くが政府機関での勤務経験を有し、税関、輸出管理等について豊富な経験・知識を持っています。日本業務チームは貿易・税関チームと連携しながら、貿易救済措置(アンチダンピング、補助金相殺関税およびセーフガード)調査への対応、輸出入貨物の品目分類、移転価格の関税評価、国内外の輸出規制コンプライアンス体制の構築等のリーガルサービスを日系企業に提供しています」(鮑栄振弁護士)。く、上層部や従業員一人ひとりが法律の内容を正しく理解し、実務状況を把握して、“してはいけないこと”と“すべきこと”をしっかり認識しておかなければ、リスクを最小限に抑えることはできません。私たちは日系企業向けの社内コンプライアンス規程の制定・改訂や社内コンプライアンス研修、自主的社内コンプライアンス調査、社内通報への対応等を数多く手がけてきましたが、どのクライアントからもご好評をいただき、“中国におけるコンプライアンス徹底は現地化が重要であり、日本本社のやり方をそのまま用いるだけでは不十分”とのご意見をいただいています。今後もコンプライアンスの重要性がますます高まると予想されますので、既存のクライアントにサービスを提供するだけでなく、公開セミナーや座談会という形で、より多くの日系企業のコンプライアンス体制構築に貢献していければと考えています」(劉淑珺弁護士)。 今後もますます複雑化することが予想される中国の法実務。そこでビジネスを行う日本企業の成功への道は、彼らのような弁護士の存在なしには拓けない。37■所属弁護士等■沿革1979年前身となる中国国際貿易促進委員会(CCPIT)法律顧問処が設立。1984年司法部の認可を受けて「中国環球法律事務所」に名称変更し、中国改革開放後最初の法律事務所として発足。1995年「環球法律事務所」に名称変更。2000年上海支所設立。独立した民間のパートナーシップ制法律事務所に体制改革され、「北京市環球法律事務所」に名称変更。2011年深圳支所、2020年成都支所をそれぞれ設立。2018年日本業務チーム発足、税関分野のリーディング・ロー・ファーム「昊理文法律事務所」を統合。■受賞歴2022, nominated in 8th Annual Benchmark Litigation Asia-Pacific Awards —Firm of the Year —China、2020, nominated in Client Service Law Firm of the Year—China, Chambers and Partners、2012 & 2018, Client Service Law Firm of the Year—China, Chambers and Partners、2020, Client Service Excellence: The highest rated lawyers to work with, Asialaw、2020, Clients Most Favoured Chinese Law Firm of the Year, LEGALBAND、2019, Beijing Top 100 List of Innovative Business Service Brands & International Brands, Lawyers Association、ALB Japan Law Awards nominated as Japan Practice Foreign Law Firm of the Year, 2019(日本業務チーム)■各事務所の住所(北京オフィスを除く)【上海オフィス】〒200031 中国上海市淮海中路999号 環貿広場弁公楼一期35階・36階Tel:8621-2310-8288/Fax:8621-2310-8299【深圳オフィス】〒518052 中国深圳市南山区深南大道9668号 華潤置地大廈B座27階Tel:86755-8388-5988/Fax:86755-8388-5987 【成都オフィス】〒610041 中国成都市高新区天府大道北段966号 天府国際金融中心11号楼37階Tel:8628-8605-9898/Fax:8628-8313-5533DATAパートナー140余名、アソシエイト500余名(2022年12月現在) 中国市場における日系企業の コンプライアンス体制確立を支援 中国では近年、サイバーセキュリティ法や外商投資法、民法典、輸出管制法といった、外国企業の中国での活動に大きな影響を及ぼす法律が次々と成立し、既存法令の改正が頻繁に行われ、行政当局も市場での違法行為の取り締まりを活発に展開している。このような中、中国に進出している日系企業が最も注意すべきはコンプライアンスだと劉淑珺弁護士は語る。 「中国では、事件や不祥事を起こした企業に対し厳しい対応がとられており、各種“ブラックリスト”に掲載される可能性があります。ブランドイメージに大きな傷がつくことも珍しくなく、場合によっては直接責任者の個人責任を追及される可能性もあります。このため、外資系企業にとってはコンプライアンスの徹底が中国事業の存亡に関わるほど肝心となるのですが、法整備が急速に進む中国では、一部の担当者だけでな

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