Lawyers Guide 2023
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つながったケースもあります。eスポーツ業界は法的対応に苦手意識を持つ人も多い業界です。私が弁護士となったことで、精神的距離が近づき、相談してみることへの安心感を持っていただければ嬉しいですね。また、たとえ私の専門外の知見が必要な場面でも、所内の共有システムに投稿すればすぐに当該分野の専門家と議論を行う場が得られます。eスポーツ業界と専門的な法領域との橋渡しとなれればと思っています」(宮本弁護士)。イヤー間でゲームプレイの結果に応じてトークンを付与できるか”等のeスポーツ的な要素を含む相談も増えてきています。既存の論点だけでなくeスポーツ特有の論点もキャッチアップしていくべきだと感じています」(長瀨弁護士)。 元知財高裁判所裁判事で訴訟実務を中心に幅広い紛争処理案件を担う早田尚貴弁護士は、将棋で東日本学生名人を獲得した経歴を持つ。「私の専門である知財分野においては、知財案件のクライアントがそのままゲームの案件で相談に来ることはありませんが、eスポーツやNFTには知財の要素が多分に含まれます。プラクティスチームに所属することで、同分野の最新の知見を得ながら、自身の知財や訴訟に関する知見を提供していきたいと考えています」(早田弁護士)。 既存クライアントであるゲーム業界からも、eスポーツの元プロゲーマーが弁護士として所属していることに対し、期待と信頼が寄せられているという。 「eスポーツや、ブロックチェーンを使ったNFTゲームの知見を手に入れるための手段としての投資契約レビューの依頼や、M&Aを前提とした出資関係の相談が大変増えてきています。業界団体の会合でも、eスポーツやガチャを使ったしくみのゲームはどうしても賭博の論点の検証が必要ですが、内情に通じた宮本弁護士が参加することで実務から乖離した判断はしないだろうという安心感を得ていただいているようです」(長瀨弁護士)。 「“誰の視点か”という点も非常に大事で、トッププレイヤーの視点を反映することで、運営会社や取引会社もいる中で“プレイヤーファースト”としての視点を取り込めることもポイントでしょう」(早田弁護士)。24早田 尚貴弁護士Naoki Hayata90年東京大学法学部卒業。93年裁判官任官、東京地裁判事、東京高裁判事、知財高裁判事、最高裁事務総局行政局第一課長などを歴任。98年 Superior Court of New Jersey等で在外研究。12年弁護士登録(第二東京弁護士会)、坂井・三村・相澤法律事務所(外国法共同事業)オフカウンセル。15年統合によりアンダーソン・毛利・友常法律事務所スペシャル・カウンセル。 eスポーツと既存分野との融合に 業界内部の知見を柔軟に活かして 金融庁、大手証券会社法務部への出向経験を持ち、金融機関へのアドバイスやFintech案件を取り扱う長瀨威志弁護士も3歳の頃からゲームに親しんできた。2021年頃からNFTがゲームで活用されるようになると、長瀨弁護士にはさまざまなバックグラウンドを持つ顧客から“新たなゲームを作りたい”という相談が集まるようになったという。「既存の暗号資産交換業者や金融機関、ゲーム会社などから、“ゲームの中のアイテムをNFTにしたい”といったものだけでなく、“プレ長瀨 威志弁護士Takeshi Nagase05年東京大学法学部卒業。09年弁護士登録(第二東京弁護士会)、アンダーソン・毛利・友常法律事務所入所。13年金融庁総務企画局企業開示課出向。14年University of Pennsylvania Law School(LL.M., Wharton Business and Law Certificate)。15年国内大手証券会社法務部出向。16年ニューヨーク州弁護士登録。21年パートナー。

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