任が重いのが特徴です。例えば、「データ越境移転安全評価規則」(2022年9月施行)は、データ越境移転に関する政府による安全評価の事由、手続および審査要件等について規定していますが、遡及効があり、施行日以前のデータ越境移転にも適用され、それが“安全評価の事由”に該当する場合には、2023年2月末までに是正しなければならないとされています。日系企業は、こうしたデータ越境移転規制の適用を受け、難しい対応を迫られています」。金弁護士は、急速に整備されつつある中国のデータ規制に苦慮する日系企業の現状をこのように語る。 「デジタル化に伴ってデータの価値が高まる中、中国政府も、データを管理し、データの濫用を防止すべく、データの自由な流通を制限し、名目・記録・安全措置構築等を求めています。公共利益や国の安全に影響を与えるおそれのあるデータの取扱い(一定の量を超える個人情報の中国国外への移転を含む)については、政府の審査が必要となる等、特に厳しい規制がかかっています。資金に対する規制(会計制度や外貨規制等)のように、データを規制しています。 企業側としては、会社のデータ取扱状況の調査(データマッピング)、リスク評価、対応策の検討および実施といった体系的な対応を進めるのが一般的ですが、重大な問題(データ越境移転に関する違反行為等)が既に認識されている場合には、その解決を優先することもあります。我々は、専門知識や豊富な経験を活かし、クライアントの個々の状況に適した対応策を提案していきたいと考えています」(金弁護士)。21■所属弁護士等パートナー約130名、アソシエイト約370名(2022年11月現在)■沿革2022年、安傑(2012年設立)と世澤(2004年設立)の合併統合により設立■受賞歴Chambers and Partners、LEGALBAND、ALB、China Business Law Journal、The Legal500、Benchmark Litigation、Asialaw、Who’s Who Legal、Asian-Mena Counsel等の複数の評価機構から、長年、多くの分野で受賞■所属弁護士等による主な著書・論文(共著を含む)諸韜韜『HR全フロー法律顧問』(共著・編集、法律出版社、2018)、諸韜韜『HR全フロー法律顧問―300個人事核心問題の閲覧マニュアル』(共著・編集、法律出版社、2019)、諸韜韜『対日投資実務指南』(共著・編集、上海訳文出版社、2016)、諸韜韜「会社紛争事例と対応」(The Daily NNA-China Edition所収コラム、毎月1回、2022年12月時点で105回)、金日華『新しい中国民法』(共著、商事法務、2021)、金日華『中国の「個人情報安全規範」について」(共著、国際商事法務2019年7月号所収)、金日華「中国における個人情報保護規制の強化とその対策」(共著、国際商事法務2018年2月所収)■各事務所の所在地北京、上海、深圳、広州、香港、海口、南京、廈門DATA
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