Lawyers Guide 2023
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左から、谷崎研一弁護士、松下外弁護士、松田一星弁護士 「例えば、中央銀行のデジタル通貨(CBDC)についてですが、そもそも導入すべきか、貨幣に比べての匿名性をどの程度維持すべきか、全体の制度設計などについて、我が国の通貨制度がよりよくなっていくためにはどうあるべきかを念頭において研究を進めています。また、日本の制度設計検討に際しては、日本だけではなく海外の動向も調査することが重要で、海外動向を含めて研究対象としています」(谷崎研一弁護士)。 「データ関連では、実務上、国際的なデータ移転に際して、各国の法制が異なることから対応に苦慮していることが多くあります。例えば、経産省では現在、“DFFT(Data Free Flow with Trust)”というフレームワークを提唱していますが、このような問題に実務上適切に対応するためには何を議論するべきなのかについても検討を進めています」(松下弁護士)。 こうしたプロトタイプ政策研究所のさまざまな研究すべてに松田弁護士を含む複数の若手弁護士が専属的に関与している。より広い視座や知見を吸収させようという育成観点からの試みであるという。 また、他の法律事務所や団体等からも弁護士や専門家が参加しているのは、「より多くのステークホルダーからの意見を集約し、専門的かつ中立的視点からの提言ができるから」(谷崎弁護士)だという。“中立性”とは、ロビー活動のように特定のクライアントからの依頼に基づく提言ではなく、あくまでも“世の中全体をよくする”という視角からの提言を意味する。 「京都大学・東京大学・九州大学と共催で、「プラットフォームへの規制の在り方を考える学生参加型セミナー」を近々開催します。これは若い世代の参加者に社会の課題について認知してもらい、我々も議論を深めようという試みです」(松田弁護士)。 同研究所が出した最近の発表の一つに社会インフラに関するものがある。「金融や通信などだけではなく、今後の社会インフラはテクノロジーに関する問題は避けて通れません。社会インフラの事故に関して、その原因を突き詰めて公表して共有できれば、今後の同様な事故の未然防止につながります。何か問題が起きたときに社会全体で共有するしくみを作るという制度も検討されてもよいのではないかと考えています」(谷崎弁護士)。 世の中をよりよくすべく、こうした緊急的な社会問題に対しても、プロトタイプ政策研究所は中立的かつ長期的な立場からの発言を継続していくという。17■法人名渥美坂井法律事務所弁護士法人■事務所名称渥美坂井法律事務所・外国法共同事業■所属弁護士会第二東京弁護士会■グループ所属弁護士等パートナー96名、オブ・カウンセル19名、アソシエイト85名、顧問/コンサルタント9名、客員3名、公認会計士/税理士等8名*(2022年11月現在)*弁護士資格を有するパートナーおよびアソシエイトを含む。■沿革1994年設立、2005年4月外国法共同事業開始、2014年8月ベルリン提携オフィス開設(2015年12月フランクフルトへ移転)、2015年1月ロンドンオフィス開設、2021年2月ニューヨーク提携オフィス開設、2022年9月福岡提携オフィス開設DATA

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