うことができる。「フランクフルト提携オフィスでは、法務と税務(花岡税理士事務所(HTAO)との提携)の両領域でのニーズに対し、便利かつ迅速な解決を目指すワンストップサービスを提供しています。当事務所は、日本のクライアントのみなさまのドイツや欧州諸国における投資に関するサポートに強みを有しています。また、東京オフィスとの緊密な協力関係により、ドイツをはじめとする欧州諸国のクライアントのみなさまの日本におけるビジネス活動に関するアドバイスにも迅速に対応可能です。対応可能言語は、日本語、英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、トルコ語と多岐にわたっています」(フランク・ベッカードイツ連邦共和国弁護士)。16奥原 力也 弁護士Rikiya Okuharaフランク・ベッカー ドイツ連邦共和国弁護士Frank Becker 中立・長期的視座から政策を提言 プロトタイプ政策研究所 我が国のビジネスと法を取り巻く状況は、新しい技術の開発や新たな社会課題の出現などにより、日々変化している。情報通信分野、金融・情報分野、デジタル分野、カーボンニュートラル、サプライチェーン、人口減少社会など、枚挙に暇がない。こうした状況を踏まえ、公的機関・民間の双方が取り組めていない我が国の政策と実務の架け橋を作ること、そして検討課題とされるべき研究成果や提言の発信を行うことを目的として、渥美坂井法律事務所・外国法共同事業は2022年6月27日付けで「プロトタイプ政策研究所」を設立した。 「我々弁護士は政府の検討会や委員会などに参加させていただくことがありますが、検討中の政策について、議論の段階で一定の枠組みや方向性が決まっていることも少なくありません。しかし、より実質的な政策策定のためには、そうした枠組みが決まる一歩手前での情報発信や多様なステークホルダーとの議論が重要です。その場として、プロトタイプ政策研究所を設立しました」(松下外弁護士)。 「“プロトタイプ”という名前が決まったきっかけは、“恥をかく機能”というテーマからでした。政府が行う政策の場合は失敗が許されませんが、外部の中立な研究機関であれば、世の中をよくするための議論を行うたたき台となる考え方を、まさにプロトタイプとして作ってもよいのではないかという発想があったのです」(松田一星弁護士)。 プロトタイプ政策研究所では、同事務所に所属する弁護士のほか、さまざまな企業・団体・公的機関等における経験を有する有識者が参画し、政策・制度・実務に関して、ユーザー側の視点を踏まえた研究が続けられている。金久 直樹 弁護士Naoki Kanehisaバニー・L・ディクソン 外国法事務弁護士Bonnie L. Dixon(アメリカ合衆国・ニューヨーク州法) 世界的な金融センターで活躍する ロンドンオフィス 2015年1月に開設されたロンドンオフィスは、日本企業の英国・欧州への投資案件、英国・欧州企業による日本へのインバウンド案件を手がけている。現地代表を務める金久直樹弁護士は、ロンドンオフィスの特徴を次のように語っている。「Brexit後、日英のビジネス関係はより緊密になりました。金融、テクノロジー、ライフサイエンス、エネルギー関連企業の日英間のビジネスをサポートしています。フランクフルト提携オフィスと密に連携することで、英国・欧州全域をカバーするとともに、この8年間で培ってきた英国はもちろん欧州各国の多数の弁護士個人とのつながりがあるため、案件の規模・内容・予算に応じ、著名な事務所に限らず質の高い、適切な法律事務所・弁護士と協働することが可能である点が強みです。また東京オフィスにおける英国弁護士の数も増えており、事務所全体としての英国プラクティスが拡大しており、日本企業の英国関連案件に関して、手厚いサポートを提供できる体制が整っています」(金久弁護士)。
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