Lawyers Guide 2023
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公益通報者保護法の改正(2022年6月施行)により、保護の対象が退職後1年以内の者や役員等に拡大され、また、常時使用労働者300人超の事業者に公益通報対応体制の整備が義務化される(300人以下の事業者については努力義務)など、企業における内部通報制度の整備および適正な運用は、社内外両面から当該企業の信頼性や経営の健全性を判断する重要なファクターと認識されている。共著『Q&A改正公益通報者保護法』(金融財政事情研究会、2022)や不祥事対応の実績を踏まえ制度に造詣の深いのぞみ総合法律事務所の結城大輔弁護士をファシリテーターに迎え、グローバル内部通報制度の整備・運用経験の豊富なインハウス弁護士・Aさん、成長途上の中堅ITサービス企業で制度の実効性向上に日々奮闘する法務担当・Bさんのお二人に、匿名で内情をお話しいただいた。結城弁護士 まずは、内部通報制度の整備面からうかがいます。制度の立上時期や、今般の法改正に伴う制度刷新にあたり、重要な論点や苦労された点についてお聞かせください。Aさん 体制作りの段階では、他部門との連携構築が大きな課題でした。通報窓口はコンプライアンス部門ですが、実際の調査対応は同部門のマンパワーだけでは当然足らず、また、社内のネットワーク活用と情報への確実なアクセスが不可欠です。この際、同部門単独で対応する業務と他部門との連携業務とを抽出・区分し、後者について協力内容(情報・リソースの提供)を説明する過程は、本来業務でない負荷をかける以上、大変苦慮しました。 法改正対応については、改正内容の社内アドバイスに加え、調査担当者に対する守秘義務の徹底とトレーニングがポイントになります。責任の重い調査対応の業Special028体制整備(制度設計)上の課題―関連部門との連携から役員の 意識改革まで現役法務部員結城大輔弁護士が語る覆面座談会内部通報制度整備・運用の実務と課題解決の要諦

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