Japan Lawyers Guide 2022
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DATA■在籍弁護士の所属弁護士会東京弁護士会、第一東京弁護士会、第二東京弁護士会■所属弁護士等弁護士20名(2021年12月現在)■取扱分野国内外の訴訟、知的財産権・IT、M&Aなどの幅広い分野において、紛争解決から予防法務までさまざまな案件を広く取り扱う経験を有しているため、不正調査においても、このような専門的知見を踏まえ、実態に即した説得力のある事実認定や法的分析を行える点は大きな強みだと思います」。 近年は、企業においてコーポレートガバナンスをめぐる議論も盛んであり、悩みを抱えているクライアントも少なくないという。「取締役の報酬決定や指名方法の当否など、ガバナンスの実態面に深く関わる相談も増えています。また2022年は改正公益通報者保護法の施行も予定され、内部通報についてもより適切に対応することが求められています。一義的な正解のない問題に直面することも多くありますが、経験と知見の蓄積を活かして、クライアントにとって最良のアドバイスをしていきたいと考えています」(浅田弁護士)。浅田 登志雄 弁護士Toshio Asada 複雑な事案こそ 徹底した合議・意見交換が重要 近年はクロスボーダー要素が含まれるM&A案件の増加が著しいという辻川弁護士は、事務所内にとどまらないチームアップや合議の姿勢が重要だと感じるという。「M&Aは関係者が多く、クライアントやその子会社、海外子会社をはじめ、現地法対応の海外事務所の現地弁護士などと意見や利害を調整することが必要です。また、私は独禁法訴訟やデジタル分野に関する紛争も担当していますが、時代が経るに連れて複雑性は増しており、法律構成整理、依頼者とのすり合わせなど、ステップを着実に踏むべき場面が多いと感じます」(辻川弁護士)。 また、事務所内の合議により法律構成を組むことも重要だが、その内容が依頼者の感覚とずれないよう丁寧なすり合わせが欠かせないという。「特に訴訟の場合は、依頼者と共に戦う側面が強く、依頼者から事実や背景を確認し、事実関係を整理することが必要です。我々が気付いていない点が浮上することもあり、クライアントとの打ち合わせや意見交換を何度も積み重ねることを重視しています」(辻川弁護士)。辻川 昌徳 弁護士Masanori Tsujikawa蓜島 啓介 弁護士Keisuke Haishima 多様性を増す労働事件に 精度の高い助言を 浅田弁護士と同様、霞門綜合法律事務所から参画し、主に労働事件に携わる蓜島啓介弁護士はこう語る。「これまでさまざまな分野に携ってきた経験をバックグラウンドとして、当事務所ではさらに労働事件に関する専門性を高めるべく経験と研鑽を積んでいます。例えばM&Aにおける労働者の処遇につき、M&Aを専門とする弁護士と案件を協働し合議することで、最善のアドバイスが可能となりますし、お互いに刺激を受けます」。 近年の労務案件は、ハラスメント、メンタルヘルス、日本では法的な障壁が高い解雇、コロナ禍の問題対応など、解決に唯一の“正解”のない問題が多く、企業からのニーズはますます高まっているという。「解雇の場合は、事前の段階からご相談いただくことで、後日紛争化した場合を見据えた助言が可能となります。実際に紛争化して、自分のアドバイスが活かされて裁判所でよい結果を得ることができたときはやりがいを感じます。コロナ禍では、多くの企業から、在宅勤務や休業、人員削減、賃金減額等のご相談をいただき、前例のない問題に対して労働法の理論を拠り所として助言し、適正にご対応いただきました」(蓜島弁護士)。 ウィズコロナでのクライアントサービスとして、事務所主催のオンラインセミナー開催も幅広いテーマで行い、積極的な情報提供に努めている。

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