Japan Lawyers Guide 2022
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DATA■主事務所の所属弁護士会第一東京弁護士会■所属弁護士等弁護士83名(外国弁護士4名を含む)(2021年12月現在)■沿革1902年、故岩田宙造弁護士により設立され、爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、現存する我が国の法律事務所の中で最古の法律事務所分野にわたる相談をワンストップで解決できます。さらに、そうした豊富な業務経験と最新の情報に基づいた情報発信として、セミナー・研修も開催しており、さまざまな役職、階層向けのコンテンツを豊富に揃えています」。 次に、同事務所の税務プラクティスチームは、国税不服審判所や国税局での執務経験者を含む、法務と税務の両面からクライアントをサポートしてきた豊富な経験を有する弁護士から構成されている。同チームの武藤雄木弁護士は、「M&A、グループ内組織再編、クロスボーダー取引、各種金融取引等の専門的で複雑な取引から日常的な企業活動に至るまで、企業にとって税の問題は不可避です。我々は、法律の専門家として、課税の前提となる取引関係と税法のみならず民法や会社法を含めた法務・税務全般に対する深い理解に基づいた的確なアドバイスを提供していくことが役割と考えています。特に近年は、経済の高度化・国際化に伴って困難な課税問題が増加し、国税当局と納税者の間で課税の適否が争われる事例が増えています。当事務所は、必要に応じて意見書の提出を行うなど訴訟等を見据えた税務調査への対応に始まり、行政上の不服申立手続および税務訴訟においては代理人として、一貫したサポートを提供しています。また、新たなビジネスを展開するときなど課税上の取扱いに疑義がある場合には国税当局への照会により明確化を図ることが効果的な場合がありますが、当事務所はそのような事前照会についても多くの案件を取り扱っています」と話す。 さらに、同事務所は、近年IP・ITチームを発足させ、辻丸国際特許事務所とも提携し、より専門性の高い案件にも組織的に対応できる体制を確立した。同チームの工藤良平弁護士は、「企業価値の源泉となりうる新規技術やブランドがあるとして、その利活用には、“国内外で費用対効果を極大化できる出願を行うにはどうすべきか”“法令上の規制をクリアしつつ他者との提携やM&Aを行い、利益を最大化する法的スキームをどのように構築するか”“そのようなスキームの構築と事業化について、いかにマネジメントの主導または了解を得ながら進めていけるのか”などさまざまな課題が山積しています。また、2021年6月に改訂されたコーポレートガバナンス・コードの下では、知財投資についての情報開示や取締役会による実効的監督も求められるようになったため、上場企業としてどのように開示や監督への対応を進めていくかという課題にも取り組む必要があります。このような複合的・広範な問題を克服するには、知的財産法だけではなく、会社法、金商法、税法、労働法等の幅広い法分野の知見・経験を持つ外部アドバイザーの存在がカギとなります。当事務所では、顧問先企業に関する情報を継続的に把握しているため、社内稟議の過程や役員の顔ぶれを想像しつつ社内意思決定のための資料作成支援を行ったり、またブレインストーミング的な社内検討の段階から案件に参加させていただくことも多いです」と話す。 同事務所の執行パートナーを務める田子真也弁護士は語る。「伝統的に、当事務所の弁護士は、クライアント企業の法律顧問として日々のさまざまな法律相談に対応できる総合力を備えることが求められますが、各種の専門チームを立ち上げ、案件への対応はもちろん、最先端の知見等の情報交換等をするなどして研鑽しています。このような活動により、クライアント企業からの多様な案件にもワンストップで支援できる体制を整えています。“伝統とは、革新の連続である”という当事務所の精神は、創立以来蓄積されてきた有形無形の知見・ノウハウの継承でも実現されています。これまで当事務所が日本経済の発展に企業法務の側面から貢献する中で培ってきた“知の財産”は、今日の世代が最新のものへと磨きをかけ、将来の世代に受け継いでいきたいと願っています。そして、変遷する時代を超えて伝統に安住することなく、最高のリーガルサービスを提供し続けることが当事務所の使命であり、その実現のために各人が高い志を持って社会経済の発展に貢献するプロフェッショナルであることを目指しています」。

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