Japan Lawyers Guide 2022
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URLhttps://agile-plus.jp〒103-0027 東京都中央区日本橋2-1-3 アーバンネット日本橋二丁目ビル10階 【TEL】 03-6823-1310 【FAX】 03-6823-1312 “戦略法務”の用語が広まってもなお、弁護士は会社の外部機能と認識する企業は多いが、このアジャイルのフレームワークは、顧客の認識の転換にもつながるという。「法律に適合するか否かの助言で終わっては戦略法務として役に立ちません。我々の面談は1時間あれば法律の話題は15分程度。あとは実現手法の立案の時間です。どんなによいアイデアも、誰が、どんなタイミングで、どんなルートで提案し、どんな材料で裏付けるかによって、実現できるか否かが決まります。アイデアにとどまらず、実現ルートまで設計できる“法務エンジニア”として企業に深く関与できる事務所でありたいですね」(木下弁護士)。  多様な専門性のネットワークで 戦略法務を担うエンジニアに 「可能であれば、企業は法律上の監査を中心に行う従来型の顧問弁護士のほかに、我々のように企業側でストーリーを構築できるサポート弁護士を持つべきです。サポート弁護士は本音でクイックな相談を受け、攻めのアイデア提案をするエンジニアです。この役割を果たすには、法務だけでなくビジネス全般に通じ、多様な専門家のネットワークを持っていることが重要です」(木下弁護士)。 現在、同事務所には危機管理案件やパーソナルデー アジャイル開発の発想で ゴール設定が困難な課題へアプローチ ビジネス環境の変化が目まぐるしい現代においては、あらかじめプロジェクトのゴールを設定することが困難な場合が多い。2020年に設立されたアジャイルプラス法律事務所は、この課題について短い開発期間と成果物の検証を随時繰り返してプロジェクトを進行する“アジャイル開発”の発想による課題解決を理念として掲げている。「あらかじめゴールを設定し、想定される工数を逆算するウォーターフォール型コンサルティングでは、環境変化に合わせた柔軟な対応が難しい。まずは当面の獲得目標を設定、その反応・結果を見て適宜アプローチを修正し、環境変化も変数に加えながら検討を進める手法は、お客さまの課題に真摯に向き合う弁護士であれば自然と実践している手法ではないでしょうか」(木下和博弁護士)。 着手前に全体予算が見えないために、社内承認が得づらいのではという問いに木下弁護士は首を振る。「本来アジャイルはコストからアプローチを行うモデルです。投入できる予算や期間を設定し、その中で実現できる当面の獲得目標を確認しながら進めていけるので、予算取りはかえって行いやすいと思いますよ」。アジャイルプラス法律事務所

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