Japan Lawyers Guide 2022
69/133

DATA■代表弁護士の所属弁護士会第一東京弁護士会■所属弁護士等弁護士10名(2021年12月現在)■沿革2018年1月開設理解するからこそ、DX時代に即したクロスボーダー目線のアドバイスを提供できます」(渡邊満久弁護士)。管理することです。場合によっては、現地の実態と本社側の期待値のギャップを埋めるのも我々の役割だと考えます」(佐藤賢紀弁護士)。 「現場での泥臭い有事対応とデータ・DXという言葉が与える先端的なイメージは、正反対のように聞こえるかもしれませんが、実際は強くシンクロしています。データで“見える化”した課題に対して、クロスボーダー専門の日本人弁護士と現地弁護士がワンチームとなって有事対応の協力体制を敷く。これにより、有事対応が完了した後も、そこで明らかになったコンプライアンス上の課題を改善することも可能になります」(久保弁護士、佐藤弁護士)。 AsiaWise Groupは、DXがもたらす企業や法律事務所の未来モデルを“バーチャル組織”と表現する。「コロナ後、海外ではビジネスの実務が急速にバーチャル組織化しています。日本企業でも一時帰国した駐在員がそのまま日本から現地の業務に携わったり、各国の担当者が横連携したりする事例などが増えています。我々、AsiaWiseもこれに応じてバーチャル組織化を進めています。メンバーは国内外に散らばり、東京の拠点はコワーキングスペースに移しました。今後も、地理的制約にとらわれないクロスボーダー専門家集団として、大胆にバーチャル組織化を進める覚悟です」(久保弁護士)。実業界と足並みを揃え自ら進化する覚悟と信念は、前人未踏のクロスボーダー(越境)を確実につかみとる。久保 光太郎 代表パートナー弁護士Kotaro Kubo リーガルテックの開発で グローバルコンプライアンスを支援 AsiaWise Groupは、顧客企業のDX化を支援するのみならず、自らもデータの力を活用し、リーガルサービスを再定義する構想を進める。多くの日本企業は、クロスボーダービジネスの推進に際して、コンプライアンス施策の実施にかかる費用対効果が見えずにいる。ここでカギを握るのが“データの力”だ。「現地子会社で生じた法的問題や各社の抱える問題意識がデータ化されず、本社と情報共有されないという問題があります。我々はコンプライアンスに関する現場の声を“見える化”するシステムの開発を進めており、2022年には本格的にサービス提供を開始する予定です」(久保弁護士)。 システム開発に際しては、AsiaWise Groupが現地にプレゼンスを有するインドのエンジニアを活用しているという。コロナ禍がむしろ追い風となって、デジタルとクロスボーダーが融合した独自の世界観を追求している。 地理的制約にとらわれない クロスボーダー・ネットワーク AsiaWiseの有事対応チームは緊急事態に際し、豊富な経験と現地のネットワーク力を駆使して沈着冷静に対処する。「インド駐在時に、不正の現地調査から関係者処分、訴訟提起までの一連の業務を何度も経験しました。有事対応は現地弁護士との協働が不可欠ですが、重要なのは、現地法をすみずみまで理解することよりも、調査の知見を活かして現地対応を指揮・佐藤 賢紀 パートナー弁護士Yoshinori Sato渡邊 満久 パートナー弁護士Mitsuhisa Watanabe

元のページ  ../index.html#69

このブックを見る