Japan Lawyers Guide 2022
67/133

DATA04年京都大学工学部物理工学科卒業。08年立命館大学法科大学院卒業。09年弁護士登録(大阪弁護士会)、岡田春夫綜合法律事務所入所。18年iCraft法律事務所開設、弁理士登録。17年経済産業省「AI・データ契約ガイドライン検討会」作業部会委員。18年農林水産省「農業分野におけるデータ契約ガイドライン検討会」専門委員、特許庁スタートアップ支援施策IPAS知財メンター。19年大阪弁護士会知的財産委員会副委員長、日弁連知的財産センター委員。■所属弁護士等パートナー1名(2021年12月現在)■過去の主要案件▽特許権侵害訴訟(機械分野、化学分野、情報・IT分野、製薬分野)▽システム開発訴訟▽大規模データプラットフォームの構築▽AI開発契約▽データ取引契約▽スタートアップ企業の知財戦略構築ほか多数■所属弁護士等による主な著書・論文(共著含む)『ガイドブックAI・データビジネスの契約実務』(共著)(商事法務、2020)『AI・データの利用に関する契約ガイドラインと解説』(共著)(別冊NBL165号、商事法務、2018)、「AIに関する現在の法的課題~「AI・データの利用に関する契約ガイドライン」のその先~」L&T85号49頁ほか多数部を兼ねていたり、経営者が一人ですべてを担っていたり、さまざまな組織形態があるが、それぞれの組織に合わせて、どのようなアドバイスをしたらよいか常に気を配る。 「例えば、スタートアップはまず何をどう権利化すればよいのか、右も左も分からないという状況がほとんどです。特許庁のスタートアップ支援施策である「知財アクセラレーションプログラム(IPAS)」の知財メンターとしてスタートアップ企業の知財戦略構築を支援してきましたが、どのような知的財産権で、どの部分をどのように権利化して守るのか、出願に留めるだけにするのか、権利化まで進めるのか、逆に秘匿してノウハウとするのか、こういった戦略が企業の将来にとって重要なことですが、スタートアップ企業ではそこまで手が回らないケースが多いです。そのような部分を一からサポートしています」。 法律×技術の融合を得意とする内田弁護士は、弁護士に知財戦略構築能力(知財コンサルティング能力)を求める企業から好評を得ている。 「大企業とスタートアップ企業とでは、クライアントとの距離感が異なり、それに伴って、私に求められる立ち位置や資質も違ってきます。大企業のように知財専門部署が組織されていないスタートアップ企業との打ち合せでは、質問されたことに答えるだけではなく、クライアントが気付いていない法的な問題点についても、こちらが積極的に見つけて、アドバイスをしていかなければなりません。知財戦略で言えば、クライアントから詳細な技術の内容を聞き、どの技術がコアで、どこをどのように守らなければならないのか、こちらから積極的に提案していかなければなりません。さらには、知財戦略構築の業務の中で、利用規約・プライバシーポリシー・各種契約書等の法的な問題点が見つかることも多く、それを見つけて指摘・提案することが必要です」。 内田弁護士は、特にスタートアップ支援では、クライアントからの提案や相談を待っているだけでは不十分で、こちらから問題提起をするというのが重要だという。 「ただ、私は、ダメだと言うだけの批評家にはなりたくない。クライアントが考えているスキームが法的に難しいのであれば、どのように修正すれば適法になるのか、リスクが減るのかを提案するようにしています。積極的で的確な提案をするためには、クライアントとの信頼関係の構築に加えて、節度あるリーダーシップが必要になりますので、それも意識して取り組むようにしています」。 簡潔・明瞭・的確なアドバイスで好評の内田弁護士は、企業法務部員等が選ぶ「依頼したい弁護士25人」の知財部門にランクインしている。内田 誠 弁護士Makoto Uchida

元のページ  ../index.html#67

このブックを見る